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食べものを大切にする日

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日本記念日協会の今日・9月9日の記念日を見ると「食べものを大切にする日」があった。
「食べものを大切運動」に取り組んでいる一般財団法人ベターホーム協会(※1)が制定した日。
食べものを捨てることなく食べきることが健康にも通じるとから、健康長寿を祝う重陽の節句にあたる9 月9日としたもの。また、食べものを「捨てないん(ナイン)」「残さないん(ナイン)」の語呂合わせからでもあるようだ。
ベターホーム協会は、1963(昭和38)年に、消費者教育組織として発足した一般財団法人である。
明治時代に制定された従来の公益法人制度のもとで、主務官庁の許可によって数多くの公益法人が設立された。
しかし、その中には、公益性に乏しく営利を目的としていながら税金面で優遇措置を受けていたり、官僚の天下りの温床にもなっていたことから、さまざまな問題が指摘され、批判が絶えなかった。
そのことから2008(平成20)年12月1日施行された公益法人制度改革関連3法の一つ一般社団・財団法人法に基づいて設立された法人である。
一般財団法人は、事業目的に公益性がなくても構わない。公益性があるとは、不特定かつ多数の人の利益を増やすことを目的としているということであり、個人や特定のグループのみの利益を目的としていないということであるため、一般財団法人は個人の利益を追求する法人でかまわない(※2参照)。
そのようなことはさておき、ベターホーム協会が発足した1960年代1960年代は戦後復興を確信させた東京オリンピック1964年=昭和39年)の開催を挟み、日本は「奇跡」と言われる高度経済成長を実現し、新幹線や空港・道路等が整備され、家庭には次々に新しい家電製品が増えて行き、市場にはスーパーマーケットが登場していた。
そして、それまで使ったこともなかった新しい加工食品(※3のここ参照)が登場するなど、人々の暮らしが大きく変化していった時代であり、「今日より明日が良くなる」と皆が信じた時期でもあった。
このような戦後の復興期を経て、日本も、アメリカ型の大量生産、大量消費の消費社会を追随していた。
同協会は、そのような世情にあって、いたずらに消費文明に流されて良いのか、よく勉強して賢い消費者になろうと、主婦たちの学習集団、つまり消費者教育組織として活動を始め、約50年近く、消費者教育(※4参照)の中でも、とくに「食」の分野に特化した活動を展開してきたのだという。
現在、食分野で、日本の国を良くするための大きなテーマとして「食の安全」「食育」「食糧需給率の向上」「日本型食生活の普及」(※3のここ参照)「地産地消」などがいわれている。
また、食の知識や知恵や食文化を知り、おいしい料理の作り方を身につけることは健康で、心豊かな楽しい人生を育んでいく。
そのようなことから同協会は、国民の健康と心豊かな人生のために、大勢が楽しく参加できる食の講習会を通して、社会のために尽くそうということらしい。
そして、同協会は「食べもの大切運動」のひとつとして、2008年に「第1回 ああ、もったいない!捨てないで!食べものを大切にしよう川柳」の募集を行なっており、今年は第5回目となる。
川柳は毎年8月末応募作品が発表されているようだが、今年のものはまだ、同HP上には、発表されていない。

「震災後 残さず喰べる 我が家族」(俄か雨さん53歳)

上掲の句は2011年8月29日、全国から717通の第4回応募作品の中から発表された入選作(入賞5点、佳作10点作品)のうちの1つである。
作品紹介に、「震災後のスーパーやコンビニの食料品の品切れを経験したあとは、食べもののありがたさを再認識しました」とあるように、昨年3月11日の東日本大震災は、広範囲で甚大な被害をもたらしたが、震災の中から、人々が忘れられかけていた人と人との「」の大切さや食べものの大切さなどを思い起させてくれた。

「間に合った 賞味期限に あと5分 」(姫ちゃんさん45歳)

上句も同年入賞作品の1つであるが、ついつい買い過ぎて、気がついたら、賞味期限切れといった無駄も多いのではないか。
折角買った食べ物も、賞味期限が過ぎると味が変わってしまう。賞味期限は、製造者が安全性や味・風味等の品質が維持される保証期限を示した日時であり、期限がきたから食べられないと言ったものではないが、余り期限が過ぎて長く日が経つと当然食べられなくなったりもする。
期限内でも、同じ食べるなら美味しく食べて、「ああおいしかった!」と、心から食べものへの感謝の気持ちがもてるようにしたいものだ。
これら投稿作品には、ついつい笑ってしまうような句や、考えさせられる句など、力作が揃っている。
第1回から第4回のものは、ここで見ることが出来るので、興味のある方は見られると良い。
さて、食べ物の話の続きだが、前に、このブログ「象供養の日 (?)」でも触れたことがあるが、約3億6千万年前、海で生活していた魚にも上陸のチャンスが訪れた。ヒトを含む最初の霊長類は、今から約6500万年前に食虫類(ネズミの仲間)から分かれて進化したといわれており、私たちヒトの祖先もはじめは象と同じように水辺で生活していたのである。(以下※5参照)。
つまり・・・、今生きている私たちヒトにしろ象にしろ、馬にしろ牛にしろ、その歴史を辿れば、食虫類として水辺で生活するようになる前は、もともと水の中で生活していた魚類が進化したものであった。
考えれば、それこそ、みんな同じような仲間であったといえるかもしれない。しかし、どんな動物でも、物を食べなければ生きてはいけない。言い換えれば、生きるということは、喰べると言うことであり、その食べている魚も牛も黒マグロもクジラも、かっては同じような魚が進化してきた生物である。
だから、生きてゆく上で、これは食べて良い動物や悪い動物などといったものがある訳がない。どんな動物だって食べられたくはないのである。
日本では、私たちの世代のものは、仏教の教えに従って、食時の前には、手を合わせ「いただきます」、食後にも「ご馳走様でした。ありがとうございます」と手を合わせて感謝していた。
「いただきます」とは、「生きてゆくために、食べさせていただきます。」「食べることによって生かせていただきます」の意味である。
そして、食べた後で、「有り難うございます」と、生きてゆくのが難しい中、同じように生きているものを食べさせていただいたことにより自分が生きながらえさせてもらえることへの感謝の気持ちを述べていたのである。
しかし、昔に比べて、豊かになった今の日本では、食べものの種類も増え、金さえ出せば、食べたいものがいつでも食べられるようになったものの、その反面、食べ物が食べられることへの感謝の気持ちは少なくなってしまったようだ。
日本における食事前の挨拶である「いただきます」は、「もらう」や「受ける」の謙譲語であり、食事を作った人と食材を作った人への感謝の気持ちも表している。
グルメ情報があふれる一方で、「いただきます」を知らない現代の子どもたちに、食べることについての日本人の「心」の教育も必要ではないか。
冒頭掲載の画像は、ベターホーム協会のシンボルマーク「だいこんハート」。
だいこん(大根)はしっぽから葉先、皮まで捨てるところがない野菜である、又、殆どが国産でもあるところから「無駄にしない」象徴としてシンボルに使用しているそうだ。 
現在、日本の食料自給率は39%(※6参照)と非常に低く、食料の約6割を輸入に頼りながら、日本人には食べものを食べ残し、捨てているもが多くいると聞く。
そのような現状を改め、食料を無駄なく食べきることが大切なことであるだろう。その点では、ベターホーム協会による、「食べもの大切運動」は、良い運動だと思う。今日の記念日を機会に、食べものの大切さや、今の時代、どのような食べ方が良いか、考え直してみるのも良いと思うが、以下参考に記載の※3、※6、※7、※8など参考になるかな〜。

ところで、今日9月9日(旧暦)は五節句の一つ重陽(ちょうよう)の節句。旧暦では菊が咲く季節であることから菊の節句とも呼ばれる。
中国では、菊酒を飲み長寿を祈る習慣があったとのこと。しかし、日本で、奈良時代には重陽の節句は行なわれていなかったようだ。
それは、この日は、天武天皇の亡くなられた日、天武忌、であり、 国忌でもあったためだそうだ。
傅在の新暦の9月ではまだ菊は早い。それに、万葉の時代、日本で秋の花見と言えば、萩が第一。この萩のことは、今9月1日のブログ秋・萩・月で書いたので、気が向いたら見てください。


※1:一般財団法人ベターホーム協会
http://www.betterhome.jp/index.php
※2:一般財団法人とは
http://www.kaishasetsuritsu.biz/zaidan/index.html
※3:e-shokuiku.com
http://www.e-shokuiku.com/
※4:消費者教育-Yahoo!百科事典
http://100.yahoo.co.jp/detail/%E6%B6%88%E8%B2%BB%E8%80%85%E6%95%99%E8%82%B2/
※5:林原自然科学博物館
http://www.hayashibaramuseum.jp/
※6:農林水産省/パンフレット「いちばん身近な『食べもの』の話」について
http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/zikyu05.html
※7:農林水産省/「食事バランスガイド」について
http://www.maff.go.jp/j/balance_guide/
※8:みんなのよい食プロジェクト
http://www.yoi-shoku.jp/
平成20年版国民生活白書(全文HTML)|第2章|第1節 消費者政策の経済分析
http://www5.cao.go.jp/seikatsu/whitepaper/h20/01_honpen/html/08sh020101.html
重陽の節句|日本文化いろは事典
http://iroha-japan.net/iroha/A03_goseku/05_choyo.html
日本記念日協会
http://www.kinenbi.gr.jp/

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