日本記念日協会(※1)の今日5月30日の記念日に「オーガナイズの日 」というのがあった。
由緒を見ると、「片付けや整理、収納が楽になる仕組みづくりである「ライフオーガナイズ」を普及させることを目的に、一般社団法人日本ライフオーガナイザー協会(※2)が制定。
オーガナイズ(organize)とは住居・生活・仕事・人生などのあらゆるコト、モノを効果的に準備・計画・整理することで、アメリカでは以前から認知されている概念。日付は5と30で「ゴミゼロ」と読む語呂合わせと、一年で最も片付けや整理に適した季節であることから。」・・・・とあった。
よく判らないので、同協会HPを覗いてみると、同社「理念」には、
「もっと楽に、もっと生きやすく 」
ライフオーガナイズにより、捨てるからはじめない心地いい暮らしづくりを応援する
ライフオーガナイザーを職業として確立することにより、日本人の幸福度を向上させる」・・・とあった。
どうやら、オーガナイズや整理収納の仕事を職業としようとする人たちに協会認定のライフオーガナイザーの資格者養成講座等を開催しているところらしい。
又、日本記念日協会の今日・5月30日の記念日には、「お掃除の日」もあった。
由緒を見ると、「5月30日で530(ゴミゼロ)の語呂合わせから、関東地方知事会空き缶対策推進委員会が1982 (昭和57)年に設けた日。また、日本電機工業会のお掃除を見直す会でも、1986 (昭和61 )年から同様の日を設定している。空き缶公害や梅雨時に向けて掃除の大切さを呼びかける。」・・・とあった。
5月30日は、その後、「530(ゴミゼロ)の日」として、1993(平成5)年に厚生省(当時)が制定したごみ減量化推進週間の初日とされている。
当初は空き缶の持ち帰り及び不法投棄防止の呼びかけと一斉清掃の実施を呼びかけていたが、社会情勢の変化から廃棄物の再生利用(リサイクル)推進の啓発も併せて行われるようになったようだ。
物余りの昨今、家には物が溢れている。最近、テレビなどで、よく、余り使用しないもの(使用頻度の少ないもの)などは捨ててしまうなどして、家の中をすっきり整理し、居住空間を広げて快適な生活をしようといった女性の整理屋さんのような人が、TV番組などでよく紹介されているが、あのような整理の専門家をライフオーガナイザーとか云うのだろうか・・・?
なにか、あのような整理屋さんたちなどにかかると、普段余り使われていないものは、まるでごみのように扱われているが、私の家など、そんなごみといわれるものに埋もれているという感じ・・・。
私の趣味で苦労して集めたコレクション類などでも、家人や息子:孫達に言わせれば、まるで塵(ごみ)扱い、買うときは高い値で買った骨董品類にしても、売るときは余程の価値あるもの以外は二束三文の屑物扱いで買われてしまう。残念だが、私が死ぬまでには、整理して、売れるものは売ってあとは塵(ごみ)として処分するしかないのだろうね〜。骨董品とかコレクション類はそうして処分されてゆくから年数がたつほどに価値は上がるのだがね〜。
空き缶の不法投棄など、最近の日本人は、マナーも悪くなって、何でもかんでも、ポイポイと町や川などどこにでも捨てる人が多くなっている。
そのようなことで、今日は何を書こうかと迷ったが、これらいずれにも共通する課題お掃除(「 お掃除の日」)について書くことにした。
掃除は、ある対象からゴミや汚れを取って綺麗にする事で清掃とも言われる家事労働のうちの一つでもある。
昔からといっても文献に見られる江戸時代の掃除は、水拭き、箒(ほうき)かけと現在と同じようであった。
商家や町屋では、毎朝必ず掃除をしたが、農家では毎日ではなかったようだ。箒は,屋内用、土間用、庭用と三種類に分かれていた。藁(わら)、もろこし、ほうき草は、座敷用、スベ(藁の芯)、棕櫚(しゅろ)などが土間用、竹は庭用とされていた。
箒売りなども来たが、長屋や農家では柄のつかないものが使用されたようで竹やほうき草を束ねたものを自分で作り、背をかがめながら無理な姿勢で掃除をした。はたきも現在と同じであるが、使う部分は使い捨ての和紙を縦に細く切って束ねて作った。
●冒頭の画像は、黒川真道著、西川祐信画、『日本風俗図絵』(大正3-4年)の中の『絵本鏡百種』に見られる雑巾拭きの光景である。この中で、『影映る鏡のがごとく磨きなさい』・・と言っている。拡大画像等は以下参考※3:「近代デジタルライブラリー 『日本風俗図絵』の第4輯のコマ番号100にて見ることが出来る。
『日本風俗図絵』第4輯
●上掲の画像は山東庵京山著、 香蝶楼国貞画『大晦日曙草紙』の煤(すす)払いの様子。
江戸では、師走13日が大方の煤払いの日であった。大きな商家では出入りの鳶職などの職人の手を借りて大がかりな煤払いを行う。この図は家じゅう総動員で働く様子を描いている。画像は、参考※4:「早稲田大学図書館 古典籍総合データベース-大晦日曙草紙. 初,2-25編」の右から3冊目九ヨリ十二(十二編下の巻)90カットで見ることが出来る。
編山東庵京山著、香蝶楼国貞画大晦日曙草紙. 初,2-25 3冊目九ヨリ十二
この画には作業用のさまざまな服装が描かれているが、女たちはいずれも姉さんかぶりに襷(たすき)がけ、粗末な着物を着て煤払いに精を出した。間食には甘い餅が出されたようだ。掃除が終わると手伝い人一同に馳走を出すが、食事は下の図(参考※5:「東京都立図書館:江戸東京デジタルミュージアム」の江戸の催事記>[ 冬(10月〜12月) ]に掲載の三代歌川豊国(=初代歌川国貞)画『冬の宿 嘉例のすゝはき』)のように、手軽な握り飯、煮しめ、そばなどが準備されたようである。最後には、その家の主人の胴上げをして〆たとも・・・。
この画像の拡大図は以下のページの[ 冬(10月〜12月)]のところで見ることが出来る。
江戸東京デジタルミュージアム:江戸の催事記
また、伝統的な煤払いの際には、『大晦日曙草紙』図の畳に立てかけてあるような大型の箒が笹や藁などで新調され、天井をはじめとした家屋の構造物、器物の掃除などにハタキのごとく用いられ、役目が終わった箒は、川に流されたり小正月のときに燃やされたりした。
思い起こせば、子供の頃、私が通っていた神戸の中学校は、六甲連山須磨アルプスの麓にあり、たしか有馬男爵屋敷跡に建てたと聞いている(同中学校の校庭近くに有馬家墓所もある【※6参照】し、有馬 頼咸の八男有馬頼多は分家し、男爵に叙せられたというが・・・これがそうであるとの確証はない)。ただ、校庭の庭には築山や小川が流れており、桜他、色々多くの種類の木々が周りの山と一体になって植えられており、校庭だけ見ていると、とても学校とは言えない素晴らしい庭園と言えるものであった。しかし、そのため運動会のできるようなスペースのグラウンドがなく、運動会は毎年市民球場を借りてしていた。
そして、自慢の校庭の枯れ木の掃除や夏場の水やりなどの手入れは、学生が交代でしなければならなかった。また、同校校舎は、学舎としては2階建ての木造建物が2棟あったが、学舎には靴を脱いで上がらなけれなならなかった。この廊下の手入れも又、生徒が交代で担当し、『絵本鏡百種』に見られる雑巾拭きのごとく、ピカピカに磨き上げられ、廊下を走ったりしようものならよく足をすべらせてひっくり返ったものであった。
春など前に小川のせせらぎのある築山の桜の木の下で昼の弁当を食べたり、季節によっては隣接する山の中にちょっと入るとヤマブドウの実や野イチゴなども採れ、掃除の苦労など忘れさせてくれた。都会の中学校にいながらまるで、別天地にいるようであった。
このような、雑巾拭きや、ハタキがけ、箒での掃除は、私たちが若い頃は原則、毎日のようにしていた。昭和30年代初め、私が大阪の商社にに入ったころ等、男子でも新入社員は交代で、毎朝出勤すると自分たちの課の全テーブルなどをぞうきん掛けするのが日課になっていた。
れっきとした一流の商社であったが、伝統的な習慣を大切にし、仕事場は、きっちりと清掃した後仕事を始めるのが当然と考えられていた。床などの清掃は夜のうちに業者がしているので、仕事のためのテーブルぐらいは自分たちで毎朝清掃しろということであった。
掃除(そうじ)は、ある対象から埃(ほこり)やゴミなどによる汚れを取って綺麗にする事で,清掃とも言われる家事労働のうちの一つでもあったが、年末などに行われる大掃除と呼ばれるものは、一年分の汚れを除去し、新たな年に歳神を迎える準備をし、新年を新たな心持ちで始められるようにする意味がある。
近年は掃除用具の多岐や高機能化により、掃除も楽になり、また、日頃から多くの場所を掃除できるようになったためか、大晦日前の住宅街などでも、私たちが若いころ見た家族総出の大掃除風景も見られなくなり、大掃除をしない家庭も増えてきた。これは常に掃除し、汚れをすぐに綺麗にしておけば大晦日前に慌てて掃除をする必要はないという考えによるものだろう。
今、学校での「掃除教育」が脚光を浴びているようだ。小学校で児童が掃除に1日に15分ほど取り組む。しかし年間で考えると約60時間になり、1つの教科に相当する時間になるとのこと。
糞尿や雑菌の繁殖元、動植物の遺骸などは「きたないもの」として忌避すべきことは幼少のきわめて初期に教育されるが、一方で「触れたくないもの」「忌避すべきもの」を適正に処置したり管理することは社会的協調性を獲得する手段として重要なことであり、その体験を通じて自己育成させてゆくことも教育目標としてあってよいことだと私は思う。
いま、学校における校舎・教室の掃除を、単なる清掃技術の習得だけではなく、ものを大切にする意識や仲間と協力する気持ちを養い、道徳感や美意識の醸成にも繋がる重要な活動とされているようだ。
このような、学校の生徒が毎日学校を掃除している国は日本はじめ韓国、中国タイ、インドなど仏教的な思考を持つ国が多いようで、仏教の教えからくる掃除をすることによって自分を磨く・心を磨く意味で、掃除をするということを修行(教育)として考えていたことによるようだ。(※7、8参照)。
釈迦の弟子の一人(また十六羅漢の一人でもある)で、釈迦の弟子中、もっとも愚かで頭の悪い人だったと伝えられている周利槃特(チューラ・パンタカ)の以下のような話がある。。
兄・摩訶槃特(マハー・パンタカ)が資質聡明なのに対し、周利槃特は愚かであったといわれるが、その因縁は、過去世の昔、彼は迦葉仏(かしょうぶつ)という如来が出世された時、賢明な弟子であったが、迦葉仏の説法を暗誦できなかった他の比丘を嘲笑した業報(前世や過去におこなった善悪の行為による報い。業果)により、釈迦如来の出世の時には、愚鈍に生れついたといわれる。
仏弟子となったのは兄・摩訶槃特の勧めであるが、四ヶ月を経ても一偈をも記憶できず、兄もそれを見かねて精舎から追い出し還俗せしめようとした。
釈迦仏はこれを知って、彼に一本の箒(あるいは一枚の布とも)を与え、東方に向かって、「塵や垢を除け」と唱えさせ、精舎(もしくは比丘衆の履物とも)を払浄せしめた。彼はそれにより、汚れが落ちにくいのは人の心も同じだと悟り、ついに仏の教えを理解して、阿羅漢果を得たとされている(参考※9,、※10も参照)。
菷は掃除の道具ではあるが、日本では祭祀等にも用いられてきた神聖な道具でもあり、又、日本の庶民の間においては菷神(ははきがみ・ほうきがみ)という神が宿るとされた。
菷神は産神(うぶがみ)のひとつである。掃除の行為である「掃き出す」ということが出産と結びついたためといわれるが、古名である「ははき」が「母木」に通じるところからともいわれる。また箒の形が依代(よりしろ。神道において神事の際に一時的に神が宿るもの。たとえば榊の束)に似ているために信仰対象になったともいわれる(詳しくは菷参照)。
昔は、家庭でも毎日のように掃除がされ、掃除の大切さなどは親からも教えられてきた。しかし、最近は、エアコンなども整備され部屋の環境は昔に比べてよくなり、毎日家庭で掃除をしているところも少なくなったし、同時に、、掃除の大切さなど教えている家庭も少なくなっただろう。
それに、家庭用の掃除道具の改良などによって箒や雑巾などの扱いに慣れていない子どもが増えたことに教員の多忙化も重なり、しっかりとした掃除の指導が行われているとは言いがたい現状から、清掃関係のいろいろな企業も掃除指導に協力しているようであり、例えば、今では清掃業務を中心に、外食産業なども展開しているダスキンは小・中学校における掃除教育の独自の「掃除教育カリキュラム」を開発し、教員向けのセミナーや学校への出張講義もしているようだ(※11参照)
Wikipediaによれば、「ダスキン」は、英語の「ダストクロス(dust cloth)」と日本語の「雑巾」の合成語だそうで、当初は「株式会社ぞうきん」という社名にしたらどうかという提案も創業者の鈴木清一から出たといわれるが、社員の「人に言いにくい」「嫁が来ない」などの反対により、この社名になったという。これに対して、鈴木は、「自分が汚れた分だけ人が綺麗になる『ぞうきん』で何が悪いのか」とも言ったといわれる。
もう一つの説は創業者の経営理念『喜びのタネをまこう』(ダスキン経営理念)の中にある一節、「新しく生まれ変わるチャンスです」=「脱皮」から脱(だ)+皮(スキン)=ダスキンになったとも言われている。・・・そうだ。
業績を上げている優良企業は、立派な経営理念を掲げ、その理念達成の為に全社員が一丸となって行動している企業である。私が現役時代務めていた企業も同様で経営理念追求の為に全社挙げて行動してきたお蔭で、地方の一中小企業が、東証一部上場を果たし、今ではその業界で日本を代表する企業となり、国際化の波に乗って世界のトップ企業を目指して行動している。
優良企業とそうでない企業との差は、理念や政策を掲げているだけではなく、どれだけ全社挙げてそれに取り組んでいるかであろう。要するに、企業の経営理年、政策の徹底度と行動力で差が出てくるものである。ここのところ、日本の政治がうまくゆかないのも、ただ念仏を唱えているだけで、本気でやる気がないから出来ていないだけのことだろう。
近年、社会では「ノーマライゼーション(normalization)」の理念が普及しつつる。
ノーマライゼーション」とは、人々が社会生活を送るうえで障がい者や健常者など区別をされないことが本来のあるべき姿であり、そうした社会の実現を目指す取り組みなどをいう。
こうした考えを後押しする形で2004(平成16)年には障害者基本法が一部改正され、その後、障碍者自立支援法が成立した。
これに合わせて2007(平成19)年には学校教育法が改正され、従来の養護学校から特別支援学校へと名称が変更となり、教育内容も「特別支援教育」が学校教育法に位置づけられ、現在、「特別支援教育」の一環としては、様々な職種が職業教育(作業学習、「キャリア教育」)として取り入れられているようだが、「清掃作業」もその中の一つとして採用されているようだ(※12参照)。
そして、経済産業省は、文部科学省、厚生労働省との共同主催により、「キャリア教育」の推進に向けたシンポジウムを開催して、産業界による優れた教育支援活動を表彰。最も優れた取組には、経済産業大臣賞が授与されている。
そのような流れの中で、清掃業務を専門としているところが、特別支援教育に従事する教員のほか、民間企業で障がい者を雇い入れた際の参考となるよう支援活動をしており、※12の東京ビルメンテナンス協会も特別支援教育「清掃マニュアル」を発刊しているようだが、ダスキンは、第4回キャリア教育アワードで活動名「学校掃除教育支援活動~みんなでつくろう キレイをいっしょに~」により【優秀賞】(大企業の部 )を受賞している(※14参照)。
また、環境整備の技術を高めることと、良い習慣づくりをすることを目的」としてつくられた日本そうじ協会(横浜市 今村暁理事長※15参照)が、全国で「掃除教育」「おそうじ教室」を広めており、同協会が「おそうじの全国大会」なども主催している。
同協会では『掃除道』を掲げており、同教会は「社会的意義」の中で以下のように書いている。
「掃除に関わる認定講師」を増やすということは、世の中で掃除教育の啓蒙活動をする人が増えるということです。その結果、掃除に対する意識が高い人が増え、生活習慣が改善され、個人も組織もより豊かな未来につながっていくことでしょう。
自分の部屋を掃除すると、自分が輝く。
家を掃除すると、家庭が輝く。
職場を掃除すると、職場が光り輝く。
地域を掃除すると、地域コミュニティが光り輝く。
街を掃除すると、街が光り輝く。
国を掃除すると、国が光り輝く。
この連鎖によって、個人も家庭も職場も街も国も、キレイであたたかくなることでしょう。」・・・と(ここ参照)。
この言葉を聞いた気のする人は結構いるかもしれませんね。私は、この言葉を聞いて、私の良く知っている、ある地方の食品スーパーマーケット(チェーンストアー。今は上場会社)の創業社長がいつも口癖のように言っていた『ヒンズー教の教え』を思い出した。その教えは以下のようなもの。
『心が変われば、態度が変わる。
態度が変われば、行動が変わる。
行動が変われば、習慣が変わる。
習慣が変われば、人格が変わる。
人格が変われば、運命が変わる。
運命が変われば、人生が変わる。』
幸せのヒントは、「まず心を変えることから」始めなさい。そうすればこの連鎖によって、あなたの人生も良い方向へ変わってゆきますよ・・・という教えである(※16:名言から学ぶ幸せのヒントのここ参照)。
幸せには、幸せであろうと、一生懸命努力した人がなれるもの。汗をかく努力もせずに
一攫千金を夢見るような人に本当の幸せは来ないだろう。
私の知っている先にも述べたスーパーの社長は、店の清掃には非常にうるさかった。特に客用の便所の掃除は「客が便器内に10円玉を落としたら何のためらいもなく拾えるようにピカピカに磨け」と指示し、ひどい汚れがなくても、1日3回以上は当番制で掃除をさせていた。
そして、客用のトイレは、営業終了後店舗入口を閉めていても、店の前を通った人がいつでも使用できるように店舗外側に設置するようにしていた。細かな気遣いである。
トイレの掃除と言えばトイレ掃除を歌って大ヒットした歌があったね。
「トイレ掃除だけが苦手な私に
おばあちゃんがこう言った
トイレには
それはそれはキレイな女神さまがいるんやで
だから毎日キレイにしたら
女神さまみたいにべっぴんさんになれるんやで」
植村花菜「トイレの神様」の歌詞の一部である(歌詞は以下参考の※17参照)。
以前このブログで、天台系密教(台密)において五大明王の一尊とされている烏枢沙摩明王(うすさまみょうおう)や濱口國雄(国鉄詩人連盟 詩人)作詞「便所掃除」(※18参照)など紹介しながら『トイレの神様』について書いたが、不浄とされている便所を綺麗に掃除すればその大きな功徳(普遍的に意味のある善行為結果)として、心の浄化と共に、不浄なものをすべて取り去り、清浄な心と、体を得る事が出きるのだという仏教の教えは、十分に納得の出来る教えであり、昔から、お寺などでは、トイレ掃除はとても大切な仕事として修業僧のトップが率先してやってきたことだと聞いている。
私と家人の見合い話を持ってきてくれたのは家人の叔母であったが、その叔母とわたしの母は親友で、その叔母が私の家へ来た時にはいつでも、玄関に入り挨拶をした後は、いきなり「はばかり」をお借りしますと便所に行っていた。「便所}とあからさまに口にする ことが「はばかられる」ために昔の人は「はばかり」という人が多かった。家人の叔母も古いタイプの人間であり、まず不浄とされているトイレがいつでもきれいに掃除されてているかを点検していたようである。
私の母も三井本家で花嫁修業などして来てるので、そのようなことはしっかりとしていたので、そんな母親に育てられた子と言うことで自分の姪の結婚相手に私を選んだのだろう。
そんなトイレの掃除を率先して企業が行ったのは、1987(昭和62)年4月、国営の国鉄が法律によってJR7社に分割・民営化された時である。JR各社がまず取り組んだのが、利用客に対する挨拶とトイレの清掃であった。此の時以来多くの会社がJRを見習えと会社のトイレ掃除を徹底するようになった。
もう27年も前のことである。もし、いまだに出来ていない会社があったら、そんなところはいつまでも存続するのは難しいだろう。
部屋は、心の状態を映すもの。物を捨てられないことの背景には、人間関係で悩んでいたり、過去のことが潜んでいたりすることがあるようだ。以下で、掃除のこといろいろ取り上げている。参考にされるとよい。
掃除 - NAVER まとめ
参考:
※1:日本記念日協会
http://www.kinenbi.gr.jp/
※2:一般社団法人日本ライフオーガナイザー協会
http://jalo.jp/
※3:近代デジタルライブラリー 日本風俗図絵
http://kindai.ndl.go.jp/search/searchResult?searchWord=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E9%A2%A8%E4%BF%97%E5%9B%B3%E7%B5%B5&facetOpenedNodeIds=1%3A00&filters=1%3A00%7CK%3A%E9%BB%92%E5%B7%9D
※4:早稲田大学図書館 古典籍総合データベース-大晦日曙草紙. 初,2-25編
http://www.wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/he13/he13_03049/index.html
※5:「東京都立図書館:江戸東京デジタルミュージアム」
http://www.library.metro.tokyo.jp/Portals/0/edo/tokyo_library/index.html
※6:川上地蔵 : 散策とグルメの記録
http://seiyo39.exblog.jp/tags/%E5%B7%9D%E4%B8%8A%E5%9C%B0%E8%94%B5/
※7:学校だより
http://www.hatsukaichi-edu.jp/miyauchi-e/data/h2509gakkoudayori.pdf#search='%E6%8E%83%E9%99%A4+%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E6%95%99%E8%82%B2%E3%81%AE%E4%B8%80%E7%92%B0'
※8:学校掃除も大切な学習時間! 掃除教育の広がり - 明治図書出版
http://www.meijitosho.co.jp/eduzine/kaigi/?id=20100177
※9:法話:周利槃特
http://www.gujo-tv.ne.jp/~tyouzenji/syurihanndoku.htm
※10:松下幸之助はなぜ掃除を勧めたのか - PHPビジネスオンライン
http://shuchi.php.co.jp/article/908
※11:掃除教育カリキュラム | 学校教育支援活動 | 株式会社ダスキン
http://www.duskin.co.jp/torikumi/gakko/curriculum/soujikyouiku/
※12:東京ビルメンテナンス協会―特別支援教育「清掃マニュアル」を発刊(Adobe PDF)
http://www.tokyo-bm.or.jp/syougaisya-jigyou/pdf/sienseisou.pdf#search='%E6%8E%83%E9%99%A4+%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E6%95%99%E8%82%B2%E3%81%AE%E4%B8%80%E7%92%B0+%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%BC%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3'
※13:キャリア教育(METI/経済産業省)
http://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/career-education/
※14:キャリア教育アワード
http://www.career-award.com/
※15:掃除道 日本そうじ協会
http://www.soujikyoukai.jp/
※16:名言から学ぶ幸せのヒンート-幸せのホームページ
http://meigen.shiawasehp.net/
※17:トイレの神様 植村花菜 歌詞情報 - goo 音楽
http://music.goo.ne.jp/lyric/LYRUTND88524/index.html
※18:詩 便所掃除-住職日記
http://www.hasedera.net/blog/2011/01/post_256.html
国際障害者年
http://tamutamu2011.kuronowish.com/yougoipaan4.htm
トイレの日 - 今日のことあれこれと・・・
http://blog.goo.ne.jp/yousan02/e/9ce2dd8787ae63efb361b716dae81188
トイレの神様-今日のことあれこれと・・・
http://blog.goo.ne.jp/yousan02/e/33241d32c5878b2d4773536feae09c4d
由緒を見ると、「片付けや整理、収納が楽になる仕組みづくりである「ライフオーガナイズ」を普及させることを目的に、一般社団法人日本ライフオーガナイザー協会(※2)が制定。
オーガナイズ(organize)とは住居・生活・仕事・人生などのあらゆるコト、モノを効果的に準備・計画・整理することで、アメリカでは以前から認知されている概念。日付は5と30で「ゴミゼロ」と読む語呂合わせと、一年で最も片付けや整理に適した季節であることから。」・・・・とあった。
よく判らないので、同協会HPを覗いてみると、同社「理念」には、
「もっと楽に、もっと生きやすく 」
ライフオーガナイズにより、捨てるからはじめない心地いい暮らしづくりを応援する
ライフオーガナイザーを職業として確立することにより、日本人の幸福度を向上させる」・・・とあった。
どうやら、オーガナイズや整理収納の仕事を職業としようとする人たちに協会認定のライフオーガナイザーの資格者養成講座等を開催しているところらしい。
又、日本記念日協会の今日・5月30日の記念日には、「お掃除の日」もあった。
由緒を見ると、「5月30日で530(ゴミゼロ)の語呂合わせから、関東地方知事会空き缶対策推進委員会が1982 (昭和57)年に設けた日。また、日本電機工業会のお掃除を見直す会でも、1986 (昭和61 )年から同様の日を設定している。空き缶公害や梅雨時に向けて掃除の大切さを呼びかける。」・・・とあった。
5月30日は、その後、「530(ゴミゼロ)の日」として、1993(平成5)年に厚生省(当時)が制定したごみ減量化推進週間の初日とされている。
当初は空き缶の持ち帰り及び不法投棄防止の呼びかけと一斉清掃の実施を呼びかけていたが、社会情勢の変化から廃棄物の再生利用(リサイクル)推進の啓発も併せて行われるようになったようだ。
物余りの昨今、家には物が溢れている。最近、テレビなどで、よく、余り使用しないもの(使用頻度の少ないもの)などは捨ててしまうなどして、家の中をすっきり整理し、居住空間を広げて快適な生活をしようといった女性の整理屋さんのような人が、TV番組などでよく紹介されているが、あのような整理の専門家をライフオーガナイザーとか云うのだろうか・・・?
なにか、あのような整理屋さんたちなどにかかると、普段余り使われていないものは、まるでごみのように扱われているが、私の家など、そんなごみといわれるものに埋もれているという感じ・・・。
私の趣味で苦労して集めたコレクション類などでも、家人や息子:孫達に言わせれば、まるで塵(ごみ)扱い、買うときは高い値で買った骨董品類にしても、売るときは余程の価値あるもの以外は二束三文の屑物扱いで買われてしまう。残念だが、私が死ぬまでには、整理して、売れるものは売ってあとは塵(ごみ)として処分するしかないのだろうね〜。骨董品とかコレクション類はそうして処分されてゆくから年数がたつほどに価値は上がるのだがね〜。
空き缶の不法投棄など、最近の日本人は、マナーも悪くなって、何でもかんでも、ポイポイと町や川などどこにでも捨てる人が多くなっている。
そのようなことで、今日は何を書こうかと迷ったが、これらいずれにも共通する課題お掃除(「 お掃除の日」)について書くことにした。
掃除は、ある対象からゴミや汚れを取って綺麗にする事で清掃とも言われる家事労働のうちの一つでもある。
昔からといっても文献に見られる江戸時代の掃除は、水拭き、箒(ほうき)かけと現在と同じようであった。
商家や町屋では、毎朝必ず掃除をしたが、農家では毎日ではなかったようだ。箒は,屋内用、土間用、庭用と三種類に分かれていた。藁(わら)、もろこし、ほうき草は、座敷用、スベ(藁の芯)、棕櫚(しゅろ)などが土間用、竹は庭用とされていた。
箒売りなども来たが、長屋や農家では柄のつかないものが使用されたようで竹やほうき草を束ねたものを自分で作り、背をかがめながら無理な姿勢で掃除をした。はたきも現在と同じであるが、使う部分は使い捨ての和紙を縦に細く切って束ねて作った。
●冒頭の画像は、黒川真道著、西川祐信画、『日本風俗図絵』(大正3-4年)の中の『絵本鏡百種』に見られる雑巾拭きの光景である。この中で、『影映る鏡のがごとく磨きなさい』・・と言っている。拡大画像等は以下参考※3:「近代デジタルライブラリー 『日本風俗図絵』の第4輯のコマ番号100にて見ることが出来る。
『日本風俗図絵』第4輯
●上掲の画像は山東庵京山著、 香蝶楼国貞画『大晦日曙草紙』の煤(すす)払いの様子。
江戸では、師走13日が大方の煤払いの日であった。大きな商家では出入りの鳶職などの職人の手を借りて大がかりな煤払いを行う。この図は家じゅう総動員で働く様子を描いている。画像は、参考※4:「早稲田大学図書館 古典籍総合データベース-大晦日曙草紙. 初,2-25編」の右から3冊目九ヨリ十二(十二編下の巻)90カットで見ることが出来る。
編山東庵京山著、香蝶楼国貞画大晦日曙草紙. 初,2-25 3冊目九ヨリ十二
この画には作業用のさまざまな服装が描かれているが、女たちはいずれも姉さんかぶりに襷(たすき)がけ、粗末な着物を着て煤払いに精を出した。間食には甘い餅が出されたようだ。掃除が終わると手伝い人一同に馳走を出すが、食事は下の図(参考※5:「東京都立図書館:江戸東京デジタルミュージアム」の江戸の催事記>[ 冬(10月〜12月) ]に掲載の三代歌川豊国(=初代歌川国貞)画『冬の宿 嘉例のすゝはき』)のように、手軽な握り飯、煮しめ、そばなどが準備されたようである。最後には、その家の主人の胴上げをして〆たとも・・・。
この画像の拡大図は以下のページの[ 冬(10月〜12月)]のところで見ることが出来る。
江戸東京デジタルミュージアム:江戸の催事記
また、伝統的な煤払いの際には、『大晦日曙草紙』図の畳に立てかけてあるような大型の箒が笹や藁などで新調され、天井をはじめとした家屋の構造物、器物の掃除などにハタキのごとく用いられ、役目が終わった箒は、川に流されたり小正月のときに燃やされたりした。
思い起こせば、子供の頃、私が通っていた神戸の中学校は、六甲連山須磨アルプスの麓にあり、たしか有馬男爵屋敷跡に建てたと聞いている(同中学校の校庭近くに有馬家墓所もある【※6参照】し、有馬 頼咸の八男有馬頼多は分家し、男爵に叙せられたというが・・・これがそうであるとの確証はない)。ただ、校庭の庭には築山や小川が流れており、桜他、色々多くの種類の木々が周りの山と一体になって植えられており、校庭だけ見ていると、とても学校とは言えない素晴らしい庭園と言えるものであった。しかし、そのため運動会のできるようなスペースのグラウンドがなく、運動会は毎年市民球場を借りてしていた。
そして、自慢の校庭の枯れ木の掃除や夏場の水やりなどの手入れは、学生が交代でしなければならなかった。また、同校校舎は、学舎としては2階建ての木造建物が2棟あったが、学舎には靴を脱いで上がらなけれなならなかった。この廊下の手入れも又、生徒が交代で担当し、『絵本鏡百種』に見られる雑巾拭きのごとく、ピカピカに磨き上げられ、廊下を走ったりしようものならよく足をすべらせてひっくり返ったものであった。
春など前に小川のせせらぎのある築山の桜の木の下で昼の弁当を食べたり、季節によっては隣接する山の中にちょっと入るとヤマブドウの実や野イチゴなども採れ、掃除の苦労など忘れさせてくれた。都会の中学校にいながらまるで、別天地にいるようであった。
このような、雑巾拭きや、ハタキがけ、箒での掃除は、私たちが若い頃は原則、毎日のようにしていた。昭和30年代初め、私が大阪の商社にに入ったころ等、男子でも新入社員は交代で、毎朝出勤すると自分たちの課の全テーブルなどをぞうきん掛けするのが日課になっていた。
れっきとした一流の商社であったが、伝統的な習慣を大切にし、仕事場は、きっちりと清掃した後仕事を始めるのが当然と考えられていた。床などの清掃は夜のうちに業者がしているので、仕事のためのテーブルぐらいは自分たちで毎朝清掃しろということであった。
掃除(そうじ)は、ある対象から埃(ほこり)やゴミなどによる汚れを取って綺麗にする事で,清掃とも言われる家事労働のうちの一つでもあったが、年末などに行われる大掃除と呼ばれるものは、一年分の汚れを除去し、新たな年に歳神を迎える準備をし、新年を新たな心持ちで始められるようにする意味がある。
近年は掃除用具の多岐や高機能化により、掃除も楽になり、また、日頃から多くの場所を掃除できるようになったためか、大晦日前の住宅街などでも、私たちが若いころ見た家族総出の大掃除風景も見られなくなり、大掃除をしない家庭も増えてきた。これは常に掃除し、汚れをすぐに綺麗にしておけば大晦日前に慌てて掃除をする必要はないという考えによるものだろう。
今、学校での「掃除教育」が脚光を浴びているようだ。小学校で児童が掃除に1日に15分ほど取り組む。しかし年間で考えると約60時間になり、1つの教科に相当する時間になるとのこと。
糞尿や雑菌の繁殖元、動植物の遺骸などは「きたないもの」として忌避すべきことは幼少のきわめて初期に教育されるが、一方で「触れたくないもの」「忌避すべきもの」を適正に処置したり管理することは社会的協調性を獲得する手段として重要なことであり、その体験を通じて自己育成させてゆくことも教育目標としてあってよいことだと私は思う。
いま、学校における校舎・教室の掃除を、単なる清掃技術の習得だけではなく、ものを大切にする意識や仲間と協力する気持ちを養い、道徳感や美意識の醸成にも繋がる重要な活動とされているようだ。
このような、学校の生徒が毎日学校を掃除している国は日本はじめ韓国、中国タイ、インドなど仏教的な思考を持つ国が多いようで、仏教の教えからくる掃除をすることによって自分を磨く・心を磨く意味で、掃除をするということを修行(教育)として考えていたことによるようだ。(※7、8参照)。
釈迦の弟子の一人(また十六羅漢の一人でもある)で、釈迦の弟子中、もっとも愚かで頭の悪い人だったと伝えられている周利槃特(チューラ・パンタカ)の以下のような話がある。。
兄・摩訶槃特(マハー・パンタカ)が資質聡明なのに対し、周利槃特は愚かであったといわれるが、その因縁は、過去世の昔、彼は迦葉仏(かしょうぶつ)という如来が出世された時、賢明な弟子であったが、迦葉仏の説法を暗誦できなかった他の比丘を嘲笑した業報(前世や過去におこなった善悪の行為による報い。業果)により、釈迦如来の出世の時には、愚鈍に生れついたといわれる。
仏弟子となったのは兄・摩訶槃特の勧めであるが、四ヶ月を経ても一偈をも記憶できず、兄もそれを見かねて精舎から追い出し還俗せしめようとした。
釈迦仏はこれを知って、彼に一本の箒(あるいは一枚の布とも)を与え、東方に向かって、「塵や垢を除け」と唱えさせ、精舎(もしくは比丘衆の履物とも)を払浄せしめた。彼はそれにより、汚れが落ちにくいのは人の心も同じだと悟り、ついに仏の教えを理解して、阿羅漢果を得たとされている(参考※9,、※10も参照)。
菷は掃除の道具ではあるが、日本では祭祀等にも用いられてきた神聖な道具でもあり、又、日本の庶民の間においては菷神(ははきがみ・ほうきがみ)という神が宿るとされた。
菷神は産神(うぶがみ)のひとつである。掃除の行為である「掃き出す」ということが出産と結びついたためといわれるが、古名である「ははき」が「母木」に通じるところからともいわれる。また箒の形が依代(よりしろ。神道において神事の際に一時的に神が宿るもの。たとえば榊の束)に似ているために信仰対象になったともいわれる(詳しくは菷参照)。
昔は、家庭でも毎日のように掃除がされ、掃除の大切さなどは親からも教えられてきた。しかし、最近は、エアコンなども整備され部屋の環境は昔に比べてよくなり、毎日家庭で掃除をしているところも少なくなったし、同時に、、掃除の大切さなど教えている家庭も少なくなっただろう。
それに、家庭用の掃除道具の改良などによって箒や雑巾などの扱いに慣れていない子どもが増えたことに教員の多忙化も重なり、しっかりとした掃除の指導が行われているとは言いがたい現状から、清掃関係のいろいろな企業も掃除指導に協力しているようであり、例えば、今では清掃業務を中心に、外食産業なども展開しているダスキンは小・中学校における掃除教育の独自の「掃除教育カリキュラム」を開発し、教員向けのセミナーや学校への出張講義もしているようだ(※11参照)
Wikipediaによれば、「ダスキン」は、英語の「ダストクロス(dust cloth)」と日本語の「雑巾」の合成語だそうで、当初は「株式会社ぞうきん」という社名にしたらどうかという提案も創業者の鈴木清一から出たといわれるが、社員の「人に言いにくい」「嫁が来ない」などの反対により、この社名になったという。これに対して、鈴木は、「自分が汚れた分だけ人が綺麗になる『ぞうきん』で何が悪いのか」とも言ったといわれる。
もう一つの説は創業者の経営理念『喜びのタネをまこう』(ダスキン経営理念)の中にある一節、「新しく生まれ変わるチャンスです」=「脱皮」から脱(だ)+皮(スキン)=ダスキンになったとも言われている。・・・そうだ。
業績を上げている優良企業は、立派な経営理念を掲げ、その理念達成の為に全社員が一丸となって行動している企業である。私が現役時代務めていた企業も同様で経営理念追求の為に全社挙げて行動してきたお蔭で、地方の一中小企業が、東証一部上場を果たし、今ではその業界で日本を代表する企業となり、国際化の波に乗って世界のトップ企業を目指して行動している。
優良企業とそうでない企業との差は、理念や政策を掲げているだけではなく、どれだけ全社挙げてそれに取り組んでいるかであろう。要するに、企業の経営理年、政策の徹底度と行動力で差が出てくるものである。ここのところ、日本の政治がうまくゆかないのも、ただ念仏を唱えているだけで、本気でやる気がないから出来ていないだけのことだろう。
近年、社会では「ノーマライゼーション(normalization)」の理念が普及しつつる。
ノーマライゼーション」とは、人々が社会生活を送るうえで障がい者や健常者など区別をされないことが本来のあるべき姿であり、そうした社会の実現を目指す取り組みなどをいう。
こうした考えを後押しする形で2004(平成16)年には障害者基本法が一部改正され、その後、障碍者自立支援法が成立した。
これに合わせて2007(平成19)年には学校教育法が改正され、従来の養護学校から特別支援学校へと名称が変更となり、教育内容も「特別支援教育」が学校教育法に位置づけられ、現在、「特別支援教育」の一環としては、様々な職種が職業教育(作業学習、「キャリア教育」)として取り入れられているようだが、「清掃作業」もその中の一つとして採用されているようだ(※12参照)。
そして、経済産業省は、文部科学省、厚生労働省との共同主催により、「キャリア教育」の推進に向けたシンポジウムを開催して、産業界による優れた教育支援活動を表彰。最も優れた取組には、経済産業大臣賞が授与されている。
そのような流れの中で、清掃業務を専門としているところが、特別支援教育に従事する教員のほか、民間企業で障がい者を雇い入れた際の参考となるよう支援活動をしており、※12の東京ビルメンテナンス協会も特別支援教育「清掃マニュアル」を発刊しているようだが、ダスキンは、第4回キャリア教育アワードで活動名「学校掃除教育支援活動~みんなでつくろう キレイをいっしょに~」により【優秀賞】(大企業の部 )を受賞している(※14参照)。
また、環境整備の技術を高めることと、良い習慣づくりをすることを目的」としてつくられた日本そうじ協会(横浜市 今村暁理事長※15参照)が、全国で「掃除教育」「おそうじ教室」を広めており、同協会が「おそうじの全国大会」なども主催している。
同協会では『掃除道』を掲げており、同教会は「社会的意義」の中で以下のように書いている。
「掃除に関わる認定講師」を増やすということは、世の中で掃除教育の啓蒙活動をする人が増えるということです。その結果、掃除に対する意識が高い人が増え、生活習慣が改善され、個人も組織もより豊かな未来につながっていくことでしょう。
自分の部屋を掃除すると、自分が輝く。
家を掃除すると、家庭が輝く。
職場を掃除すると、職場が光り輝く。
地域を掃除すると、地域コミュニティが光り輝く。
街を掃除すると、街が光り輝く。
国を掃除すると、国が光り輝く。
この連鎖によって、個人も家庭も職場も街も国も、キレイであたたかくなることでしょう。」・・・と(ここ参照)。
この言葉を聞いた気のする人は結構いるかもしれませんね。私は、この言葉を聞いて、私の良く知っている、ある地方の食品スーパーマーケット(チェーンストアー。今は上場会社)の創業社長がいつも口癖のように言っていた『ヒンズー教の教え』を思い出した。その教えは以下のようなもの。
『心が変われば、態度が変わる。
態度が変われば、行動が変わる。
行動が変われば、習慣が変わる。
習慣が変われば、人格が変わる。
人格が変われば、運命が変わる。
運命が変われば、人生が変わる。』
幸せのヒントは、「まず心を変えることから」始めなさい。そうすればこの連鎖によって、あなたの人生も良い方向へ変わってゆきますよ・・・という教えである(※16:名言から学ぶ幸せのヒントのここ参照)。
幸せには、幸せであろうと、一生懸命努力した人がなれるもの。汗をかく努力もせずに
一攫千金を夢見るような人に本当の幸せは来ないだろう。
私の知っている先にも述べたスーパーの社長は、店の清掃には非常にうるさかった。特に客用の便所の掃除は「客が便器内に10円玉を落としたら何のためらいもなく拾えるようにピカピカに磨け」と指示し、ひどい汚れがなくても、1日3回以上は当番制で掃除をさせていた。
そして、客用のトイレは、営業終了後店舗入口を閉めていても、店の前を通った人がいつでも使用できるように店舗外側に設置するようにしていた。細かな気遣いである。
トイレの掃除と言えばトイレ掃除を歌って大ヒットした歌があったね。
「トイレ掃除だけが苦手な私に
おばあちゃんがこう言った
トイレには
それはそれはキレイな女神さまがいるんやで
だから毎日キレイにしたら
女神さまみたいにべっぴんさんになれるんやで」
植村花菜「トイレの神様」の歌詞の一部である(歌詞は以下参考の※17参照)。
以前このブログで、天台系密教(台密)において五大明王の一尊とされている烏枢沙摩明王(うすさまみょうおう)や濱口國雄(国鉄詩人連盟 詩人)作詞「便所掃除」(※18参照)など紹介しながら『トイレの神様』について書いたが、不浄とされている便所を綺麗に掃除すればその大きな功徳(普遍的に意味のある善行為結果)として、心の浄化と共に、不浄なものをすべて取り去り、清浄な心と、体を得る事が出きるのだという仏教の教えは、十分に納得の出来る教えであり、昔から、お寺などでは、トイレ掃除はとても大切な仕事として修業僧のトップが率先してやってきたことだと聞いている。
私と家人の見合い話を持ってきてくれたのは家人の叔母であったが、その叔母とわたしの母は親友で、その叔母が私の家へ来た時にはいつでも、玄関に入り挨拶をした後は、いきなり「はばかり」をお借りしますと便所に行っていた。「便所}とあからさまに口にする ことが「はばかられる」ために昔の人は「はばかり」という人が多かった。家人の叔母も古いタイプの人間であり、まず不浄とされているトイレがいつでもきれいに掃除されてているかを点検していたようである。
私の母も三井本家で花嫁修業などして来てるので、そのようなことはしっかりとしていたので、そんな母親に育てられた子と言うことで自分の姪の結婚相手に私を選んだのだろう。
そんなトイレの掃除を率先して企業が行ったのは、1987(昭和62)年4月、国営の国鉄が法律によってJR7社に分割・民営化された時である。JR各社がまず取り組んだのが、利用客に対する挨拶とトイレの清掃であった。此の時以来多くの会社がJRを見習えと会社のトイレ掃除を徹底するようになった。
もう27年も前のことである。もし、いまだに出来ていない会社があったら、そんなところはいつまでも存続するのは難しいだろう。
部屋は、心の状態を映すもの。物を捨てられないことの背景には、人間関係で悩んでいたり、過去のことが潜んでいたりすることがあるようだ。以下で、掃除のこといろいろ取り上げている。参考にされるとよい。
掃除 - NAVER まとめ
参考:
※1:日本記念日協会
http://www.kinenbi.gr.jp/
※2:一般社団法人日本ライフオーガナイザー協会
http://jalo.jp/
※3:近代デジタルライブラリー 日本風俗図絵
http://kindai.ndl.go.jp/search/searchResult?searchWord=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E9%A2%A8%E4%BF%97%E5%9B%B3%E7%B5%B5&facetOpenedNodeIds=1%3A00&filters=1%3A00%7CK%3A%E9%BB%92%E5%B7%9D
※4:早稲田大学図書館 古典籍総合データベース-大晦日曙草紙. 初,2-25編
http://www.wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/he13/he13_03049/index.html
※5:「東京都立図書館:江戸東京デジタルミュージアム」
http://www.library.metro.tokyo.jp/Portals/0/edo/tokyo_library/index.html
※6:川上地蔵 : 散策とグルメの記録
http://seiyo39.exblog.jp/tags/%E5%B7%9D%E4%B8%8A%E5%9C%B0%E8%94%B5/
※7:学校だより
http://www.hatsukaichi-edu.jp/miyauchi-e/data/h2509gakkoudayori.pdf#search='%E6%8E%83%E9%99%A4+%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E6%95%99%E8%82%B2%E3%81%AE%E4%B8%80%E7%92%B0'
※8:学校掃除も大切な学習時間! 掃除教育の広がり - 明治図書出版
http://www.meijitosho.co.jp/eduzine/kaigi/?id=20100177
※9:法話:周利槃特
http://www.gujo-tv.ne.jp/~tyouzenji/syurihanndoku.htm
※10:松下幸之助はなぜ掃除を勧めたのか - PHPビジネスオンライン
http://shuchi.php.co.jp/article/908
※11:掃除教育カリキュラム | 学校教育支援活動 | 株式会社ダスキン
http://www.duskin.co.jp/torikumi/gakko/curriculum/soujikyouiku/
※12:東京ビルメンテナンス協会―特別支援教育「清掃マニュアル」を発刊(Adobe PDF)
http://www.tokyo-bm.or.jp/syougaisya-jigyou/pdf/sienseisou.pdf#search='%E6%8E%83%E9%99%A4+%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E6%95%99%E8%82%B2%E3%81%AE%E4%B8%80%E7%92%B0+%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%BC%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3'
※13:キャリア教育(METI/経済産業省)
http://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/career-education/
※14:キャリア教育アワード
http://www.career-award.com/
※15:掃除道 日本そうじ協会
http://www.soujikyoukai.jp/
※16:名言から学ぶ幸せのヒンート-幸せのホームページ
http://meigen.shiawasehp.net/
※17:トイレの神様 植村花菜 歌詞情報 - goo 音楽
http://music.goo.ne.jp/lyric/LYRUTND88524/index.html
※18:詩 便所掃除-住職日記
http://www.hasedera.net/blog/2011/01/post_256.html
国際障害者年
http://tamutamu2011.kuronowish.com/yougoipaan4.htm
トイレの日 - 今日のことあれこれと・・・
http://blog.goo.ne.jp/yousan02/e/9ce2dd8787ae63efb361b716dae81188
トイレの神様-今日のことあれこれと・・・
http://blog.goo.ne.jp/yousan02/e/33241d32c5878b2d4773536feae09c4d