「シニアーズディのことについては、一度書いた。
ここ参照。
“大人として自信を持ち、自分なりの価値観で生活を創造する人々をシニアと呼び、40代後半から50代後半のシニア世代に共感される音楽やメッセージの発信の日にしたいと、株式会社・中村泰士Doプロデュースが制定したもの。
記念日を登録した中村泰士は、佐川満男の「今は幸せかい」や、ちあきなおみの「喝采」、細川たかしの「北酒場」などで知られる奈良県出身の作詞・作曲家であるが、中村氏のホームページ(※1)を見ると、“本来「Senior」には、年長者、上級者、先輩の意味で「尊敬の念」を含み、例えば「シニア・クラス」と呼ばれる場合のそれは、名誉の称号であり、そこでシニアという言葉本来の意味をとりもどし、成熟した大人たちが胸を張って、自分たちに自信と誇りを持つ記念日を持とうということで、2001(平成13)年に記念日登録し、この日には「シニアーズディ」を記念したイベントが行われているそうだ。
又、この年代を、粋な大人、いつまでも若々しさを失わない愛すべき大人「キュートナー」(「キュートな大人」という中村氏の新語)と呼ぶことも提唱し、9月17日を「キュートナーの日」(キュー〔9〕ト〔十〕な〔7〕」の語呂合せ)としても制定している。そして、以下のサイトも立ち上げている。
Cutener(キュートな大人に贈る、大人を楽しむための情報サイト)
http://www.0917.tv/index.htm
上記サイトでは、今年3月11日、未曾有の大災害をもたらした東北地方太平洋沖地震で被災された人々やそのご家族の心のケアーに是非お役に立ちたいと、復興の願いを込めて、中村氏が作詞・作曲した応援ソング「時は来る」(新曲)を、特別無料配信(音楽公方 泰士より)している。非常に良い曲なので、是非聞いて見られるとよい。
この「シニア世代」とは、シニア(Senior)という英語から来ており、この言葉には「年長者」「上級生」「上級者」という意味があるが、一般的には「ジュニア(Junior)」の対義語として使われることが多く、特定の年齢層を意味している訳ではない(※2参照)。
従って、今日の記念日「シニアーズディ 」では、40代後半から50代後半を「シニア」に位置づけているようだが、実際には、何歳ぐらいを「シニア」と呼ぶか・・・など、「シニア」に対する考え方は、人によって、かなりの違いがあるようだ。
因みに、Yahooの意識調査(実施期間:2007年7月2日〜2007年7月13日)「何歳からがシニア?」といったアンケートの結果から、何歳位を「シニア」と見ているかを上位順に書いてみると、60歳以上42%、65歳以上22%、50歳以上14%、70歳以上10%、55歳以上が8%となっており、中には、75歳以上2%もあり、つまるところ、60歳以上を「シニア」と答えた人が76%にもなるが、これは、退職や年金などの関係から、60歳以上を区切りとした人が多いからのようだとの補足書きがあったが、確かにその面もあるだろうが、今のような長寿社会では、60歳代前半ぐらいまではもうシニア世代としてみてもよい時代になっているといえるかもしれない。
年下の人。年少者をいう「ジュニア」の対義語「シニア」(年長者)に対して、老年世代のことを「シルバー(silver)」などという言葉が使われたりしているが、これは、頭が白髪(シルバー)になることから連想された和製英語であるが、語源は旧国鉄(現JR)が当初、高齢者や身体障害者を対象にした優先座席を、他の座席と区別するため、シルバーグレー色のシートを設定し、「シルバーシート」の名前を付与したことかららしい。
この人達を対象とした「シルバー世代」も、どの年代を言うかは、「シニア世代」同様人によって違ってくるが、私など、少なくとも65歳以上、いや70歳以上でもよいのではないかと思っている。
このようなカタカナ用語ではなく、日本語で世代を区分しようとすると、内閣府の1998年度(平成10年度)の『国民生活白書』の「中年-その不安と希望」では中年世代を、概ね40代-50代と定義づけている(※4参照)。中年とは成人として中くらいの年齢。すなわち壮年期(普通35歳-49歳頃迄)を過ぎたころから初老の域に入るまでを指す。しかし、厚生労働省の一部資料(健康日本21など。※5参照)では、0 - 4歳を「幼年期」、5 - 14歳を「少年期」、15 - 24歳を「青年期」、25 - 44歳を「壮年期」、45 - 64歳を「中年期」、65歳 以上を「高年期」という区分をしており、こちらの「中年」世代は『国民生活白書』よりも相当幅を広くしており、何の目的で世代を見ていこうとするかなどといったことでも相当見方は違ってくるようだが、私は、こちらの「中年期」(45 - 64歳)よりも少し上の50代から60代位をシニアと見たいものだ。
日本の総人口は、初めて国勢調査が実施された1920(大正9)年には5596万人であったが、その後、第二次世界大戦に入ると、戦争による減少があった1945(昭和20)年を除いては、一貫して増加してきた。
1945(昭和20)年に7200万人であった総人口は、戦中戦後の「産めよ増やせよ運動」など日本政府による人口増加政策によって、1947(昭和22)年から1949(昭和24)年にかけて生まれたベビーブーム(第1次団塊の世代の誕生)により、1948(昭和23)年に総人口は8000万人(出生児数2702千人)を超え、8 年後の1956(昭和31)年に9000万人を超えたあと、その11年後の1967(昭和42)年に初めて 1 億人を突破。そして、第 2 次ベビーブーム(1970年代頃、団塊ジュニアが誕生)を経て、1974(昭和49)年には、1 億1000万人を、1984年に 1 億2000万人を超えた( 1 億2024万人)。
その後の20年間は、前年比増加率が年々縮小しながらも総人口の増加は続き、2000(平成12)年には、1億2692万人、その4年後2004(平成16)年には 1 億2778万人に達していたが、翌2005(平成17)年の国勢調査(※3の国勢調査参照)で、これより約 2 万人近く減少したことが明らかになった。
又、総人口の減少ばかりに目を奪われているが、年少人口( 0 〜14歳)と生産年齢人口(15〜64歳)は、それぞれ、すでに1979(昭和54)年と1996(平成元)年以降に減少に転じていたのである(データーは※3の日本統計年鑑>第2章 人口・世帯>総人口の推移を参照)。
このように日本は世界でも類を見ないスピードで少子・高齢化が進行していたわけであるが、日本は、1970(昭和45)年の国勢調査で高齢化率(65歳以上の人口が総人口に占める割合)が7%を超えた(7.1%)「高齢化社会」に、1995(平成7)年調査で14%以上(14.5%)の「高齢社会」に、また2007(平成19)年(には21%以上21.5%)の「超高齢社会」となっている(※3の日本統計年鑑>第2章 人口・世帯>年齢階級別人口及び年齢構成指数参照)が、国立社会保障・人口問題研究所(※6)が行った人口推計では、2055年には、総人口が8933万人にまで減少した上で、年少人口( 0 〜14歳)8,4%:生産年齢人口(15〜64歳)51,5%:老年人口(65歳以上)40、5%となり、家庭又社会を支えていかなければならない働き手(生産年齢人口)が総人口の半分しかいないという酷い状態になることが予測されているのである。
現在の人口は、平成21年度の人口ピラミッドを見ると第1次ベビーブームの団塊の世代(1947年 – 1949年)と第2次ベビーブームの子団塊世代(1970年 - 1974年)の2つの世代に大きな膨らみがあり、成人人口の半数は50歳以上であり、団塊世代を中心とした55歳から70歳までのボリューム(平成21年度の総人口に占める割合:55-59歳913万人〔7,2%〕、60-64歳941万人〔7,4%〕、65-70歳839万人〔6,6%〕)が非常に大きく、出生数の減少で若い世代の裾が狭まっていることがよくわかると思う。
この団塊世代という言葉は、作家の堺屋太一が1976(昭和51)年に発表した小説『団塊の世代』で、戦後のベビーブーム期の人々が2000年までにたどる人生ドラマを、6〜7年刻みの4話構成で描き、日本の人口高齢化問題を世に問うたことから使われ始め、この世代が日本社会に及ぼす影響の大きさが一般社会にも認識されるようになり、人口動態学(人口参照)による社会現象分析やマーケティングに活用されることが多くなった。
このような中で、2005(平成17)年から戦後生まれの人達が、又、2007(平成19)年からは団塊世代と言われる人達が一斉にリタイアを始め、高齢者の仲間入りをするようになったことから、これからの日本のかたち(人口ピラミッド)を考える時、これらシニアが生き生きと暮らせる社会であるかどうかが非常に重要な視点となるが、又、マーケットの世界においても、国内市場がどんどん縮小する中、これらシニアマーケットを如何に捉えることができるかが、最重要課題であることに相違はない。
戦後生まれや団塊の世代の大半は、戦後の激動の時代を生き抜き、家族のため、子供のため、或いは会社のために、今日まで無我夢中で走って来た人達ではあるが、この年代の人達は60代になっても、健康で活動的であり、まだまだ働ける元気な状態にあり、還暦を迎える年代になったからといって、昔のように「高齢者」と呼ばれることを望んではいないだろう。
しかも、急速な少子・高齢化の進行により、年少や老年人口を養う能力(生産年齢人口の減少)の限界に達してくると、年金・医療・福祉など財政面だけで無く日本の社会における労働力不足は日本経済にも影響するなど様々な問題が生じてくることから、これら豊かな経験を積み重ねてきた人たちを「知的生産者」として、その能力を発揮してもらえる社会にする必要もあり、政府は、?65歳までの雇用の確保、?中高年の再就職の促進、?多様な就業機会の確保を内容とする改正高年齢者雇用安定法を2004(平成16)年6月5日に成立させ、同年12月1日から施行(高年齢者の安定した雇用の確保等を図るため措置については平成18年4月1日から施行)している(※7)。しかも、団塊の世代の人達などは経済的なゆとりもあり、高度成長期の大量消費を経験し、様々なブームやヒット商品を生み出してきた。1960年代のアイビールックや、1970年代のアンノン族、80年代のニューファミリーを形成してきたのも、又、インターネットによる株取引やパソコン、デジカメといったデジタル家電人気を牽引してきたのもこの世代である。
いわば、がむしゃらに働きながらも、自らの人生を楽しみ、より積極的に生きるアクティブな人たちであり、こういった人々がこれからの日本の社会を牽引していくことになるだろう。
しかし、世間ではその人たちを昔と変わらず高齢者と見て接しており、当人と世間との間で意識にギャップのあることが内閣府等の調査で判明している(※8:内閣府:政策統括官:共生社会政策担当「高齢社会対策」の「高齢社会対策に関する調査」など参照)。
こういった意識のギャップは、高齢化の急激な進行と無関係ではないだろう。60 代以降の意識の変化に伴い、彼らのライフスタイル(生活様式。生活の仕方。)も変化してきているはずであり、それを受けて社会のスタイルそのものも工夫していかなければならないはずだ。
成人式に対して、還暦を第二の人生の出発として祝う「還暦式」と呼ばれるものが行われている地域も現れている(千葉県市川市など)と聞くが結構なことだ。
マーケットにおいてもこのようなアクティブなシニア・シルバー市場を開拓してゆけば、日本に新しい大人文化が生まれるのではないか。 冒頭の画像は、アニメ映画「テレビまんが 昭和物語」(2011年1月公開)のチラシである。
4月から、テレビアニメとしても放送されているようだ。私は、この映画もテレビも見ていないが、業界初のシニア・団塊世代をターゲットにしたアニメ作品で、昭和39年の高度成長期に沸く東京を舞台に、「家族の絆」と「日本のものづくり」をテーマとしたものだそうだ。どうも「ALWAYS 三丁目の夕日」(2005年公開)のアニメ版のようなものらしいが、映像のカット割りやセリフなども、60歳以上のシニア層が見やすいように、ゆっくりと分かりやすい演出手法を採用しているという。
アニメ映画の世界でも、シニア・団塊世代に見てもらうこと意識しなければならないほどこの年代層のボリュームが大きく、影響力が強いと言うことだろうね〜。
参考:
※ 1:中村泰士ホームページ
http://columbia.jp/~yasushi/index.html
※2:seniorの意味 - 英和辞典 Weblio辞書
http://ejje.weblio.jp/content/senior
※3:統計局ホームページ
http://www.stat.go.jp/index.htm
※4:国民生活白書
http://www5.cao.go.jp/seikatsu/whitepaper/index.html
※5:健康日本21
http://www1.mhlw.go.jp/topics/kenko21_11/top.html
※6:国立社会保障・人口問題研究所
http://www.ipss.go.jp/pr-ad/j/jap/index.asp
※7:厚生労働省:高年齢者雇用安定法の改正のお知らせ
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/kourei2/
※8:内閣府:政策統括官:共生社会政策担当「高齢社会対策」
http://www8.cao.go.jp/kourei/index.html
電通シニアプロジェクト「退職後のリアル・ライフ?〜団塊世代の眺望調査
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2007/pdf/2007037-0517.pdf#search='電通シニア・プロジェクト'
GFシニアマーケティング,com
http://www.senior-promo.com/
日本記念日協会
http://www.kinenbi.gr.jp/index2.html
ここ参照。
“大人として自信を持ち、自分なりの価値観で生活を創造する人々をシニアと呼び、40代後半から50代後半のシニア世代に共感される音楽やメッセージの発信の日にしたいと、株式会社・中村泰士Doプロデュースが制定したもの。
記念日を登録した中村泰士は、佐川満男の「今は幸せかい」や、ちあきなおみの「喝采」、細川たかしの「北酒場」などで知られる奈良県出身の作詞・作曲家であるが、中村氏のホームページ(※1)を見ると、“本来「Senior」には、年長者、上級者、先輩の意味で「尊敬の念」を含み、例えば「シニア・クラス」と呼ばれる場合のそれは、名誉の称号であり、そこでシニアという言葉本来の意味をとりもどし、成熟した大人たちが胸を張って、自分たちに自信と誇りを持つ記念日を持とうということで、2001(平成13)年に記念日登録し、この日には「シニアーズディ」を記念したイベントが行われているそうだ。
又、この年代を、粋な大人、いつまでも若々しさを失わない愛すべき大人「キュートナー」(「キュートな大人」という中村氏の新語)と呼ぶことも提唱し、9月17日を「キュートナーの日」(キュー〔9〕ト〔十〕な〔7〕」の語呂合せ)としても制定している。そして、以下のサイトも立ち上げている。
Cutener(キュートな大人に贈る、大人を楽しむための情報サイト)
http://www.0917.tv/index.htm
上記サイトでは、今年3月11日、未曾有の大災害をもたらした東北地方太平洋沖地震で被災された人々やそのご家族の心のケアーに是非お役に立ちたいと、復興の願いを込めて、中村氏が作詞・作曲した応援ソング「時は来る」(新曲)を、特別無料配信(音楽公方 泰士より)している。非常に良い曲なので、是非聞いて見られるとよい。
この「シニア世代」とは、シニア(Senior)という英語から来ており、この言葉には「年長者」「上級生」「上級者」という意味があるが、一般的には「ジュニア(Junior)」の対義語として使われることが多く、特定の年齢層を意味している訳ではない(※2参照)。
従って、今日の記念日「シニアーズディ 」では、40代後半から50代後半を「シニア」に位置づけているようだが、実際には、何歳ぐらいを「シニア」と呼ぶか・・・など、「シニア」に対する考え方は、人によって、かなりの違いがあるようだ。
因みに、Yahooの意識調査(実施期間:2007年7月2日〜2007年7月13日)「何歳からがシニア?」といったアンケートの結果から、何歳位を「シニア」と見ているかを上位順に書いてみると、60歳以上42%、65歳以上22%、50歳以上14%、70歳以上10%、55歳以上が8%となっており、中には、75歳以上2%もあり、つまるところ、60歳以上を「シニア」と答えた人が76%にもなるが、これは、退職や年金などの関係から、60歳以上を区切りとした人が多いからのようだとの補足書きがあったが、確かにその面もあるだろうが、今のような長寿社会では、60歳代前半ぐらいまではもうシニア世代としてみてもよい時代になっているといえるかもしれない。
年下の人。年少者をいう「ジュニア」の対義語「シニア」(年長者)に対して、老年世代のことを「シルバー(silver)」などという言葉が使われたりしているが、これは、頭が白髪(シルバー)になることから連想された和製英語であるが、語源は旧国鉄(現JR)が当初、高齢者や身体障害者を対象にした優先座席を、他の座席と区別するため、シルバーグレー色のシートを設定し、「シルバーシート」の名前を付与したことかららしい。
この人達を対象とした「シルバー世代」も、どの年代を言うかは、「シニア世代」同様人によって違ってくるが、私など、少なくとも65歳以上、いや70歳以上でもよいのではないかと思っている。
このようなカタカナ用語ではなく、日本語で世代を区分しようとすると、内閣府の1998年度(平成10年度)の『国民生活白書』の「中年-その不安と希望」では中年世代を、概ね40代-50代と定義づけている(※4参照)。中年とは成人として中くらいの年齢。すなわち壮年期(普通35歳-49歳頃迄)を過ぎたころから初老の域に入るまでを指す。しかし、厚生労働省の一部資料(健康日本21など。※5参照)では、0 - 4歳を「幼年期」、5 - 14歳を「少年期」、15 - 24歳を「青年期」、25 - 44歳を「壮年期」、45 - 64歳を「中年期」、65歳 以上を「高年期」という区分をしており、こちらの「中年」世代は『国民生活白書』よりも相当幅を広くしており、何の目的で世代を見ていこうとするかなどといったことでも相当見方は違ってくるようだが、私は、こちらの「中年期」(45 - 64歳)よりも少し上の50代から60代位をシニアと見たいものだ。
日本の総人口は、初めて国勢調査が実施された1920(大正9)年には5596万人であったが、その後、第二次世界大戦に入ると、戦争による減少があった1945(昭和20)年を除いては、一貫して増加してきた。
1945(昭和20)年に7200万人であった総人口は、戦中戦後の「産めよ増やせよ運動」など日本政府による人口増加政策によって、1947(昭和22)年から1949(昭和24)年にかけて生まれたベビーブーム(第1次団塊の世代の誕生)により、1948(昭和23)年に総人口は8000万人(出生児数2702千人)を超え、8 年後の1956(昭和31)年に9000万人を超えたあと、その11年後の1967(昭和42)年に初めて 1 億人を突破。そして、第 2 次ベビーブーム(1970年代頃、団塊ジュニアが誕生)を経て、1974(昭和49)年には、1 億1000万人を、1984年に 1 億2000万人を超えた( 1 億2024万人)。
その後の20年間は、前年比増加率が年々縮小しながらも総人口の増加は続き、2000(平成12)年には、1億2692万人、その4年後2004(平成16)年には 1 億2778万人に達していたが、翌2005(平成17)年の国勢調査(※3の国勢調査参照)で、これより約 2 万人近く減少したことが明らかになった。
又、総人口の減少ばかりに目を奪われているが、年少人口( 0 〜14歳)と生産年齢人口(15〜64歳)は、それぞれ、すでに1979(昭和54)年と1996(平成元)年以降に減少に転じていたのである(データーは※3の日本統計年鑑>第2章 人口・世帯>総人口の推移を参照)。
このように日本は世界でも類を見ないスピードで少子・高齢化が進行していたわけであるが、日本は、1970(昭和45)年の国勢調査で高齢化率(65歳以上の人口が総人口に占める割合)が7%を超えた(7.1%)「高齢化社会」に、1995(平成7)年調査で14%以上(14.5%)の「高齢社会」に、また2007(平成19)年(には21%以上21.5%)の「超高齢社会」となっている(※3の日本統計年鑑>第2章 人口・世帯>年齢階級別人口及び年齢構成指数参照)が、国立社会保障・人口問題研究所(※6)が行った人口推計では、2055年には、総人口が8933万人にまで減少した上で、年少人口( 0 〜14歳)8,4%:生産年齢人口(15〜64歳)51,5%:老年人口(65歳以上)40、5%となり、家庭又社会を支えていかなければならない働き手(生産年齢人口)が総人口の半分しかいないという酷い状態になることが予測されているのである。
現在の人口は、平成21年度の人口ピラミッドを見ると第1次ベビーブームの団塊の世代(1947年 – 1949年)と第2次ベビーブームの子団塊世代(1970年 - 1974年)の2つの世代に大きな膨らみがあり、成人人口の半数は50歳以上であり、団塊世代を中心とした55歳から70歳までのボリューム(平成21年度の総人口に占める割合:55-59歳913万人〔7,2%〕、60-64歳941万人〔7,4%〕、65-70歳839万人〔6,6%〕)が非常に大きく、出生数の減少で若い世代の裾が狭まっていることがよくわかると思う。
この団塊世代という言葉は、作家の堺屋太一が1976(昭和51)年に発表した小説『団塊の世代』で、戦後のベビーブーム期の人々が2000年までにたどる人生ドラマを、6〜7年刻みの4話構成で描き、日本の人口高齢化問題を世に問うたことから使われ始め、この世代が日本社会に及ぼす影響の大きさが一般社会にも認識されるようになり、人口動態学(人口参照)による社会現象分析やマーケティングに活用されることが多くなった。
このような中で、2005(平成17)年から戦後生まれの人達が、又、2007(平成19)年からは団塊世代と言われる人達が一斉にリタイアを始め、高齢者の仲間入りをするようになったことから、これからの日本のかたち(人口ピラミッド)を考える時、これらシニアが生き生きと暮らせる社会であるかどうかが非常に重要な視点となるが、又、マーケットの世界においても、国内市場がどんどん縮小する中、これらシニアマーケットを如何に捉えることができるかが、最重要課題であることに相違はない。
戦後生まれや団塊の世代の大半は、戦後の激動の時代を生き抜き、家族のため、子供のため、或いは会社のために、今日まで無我夢中で走って来た人達ではあるが、この年代の人達は60代になっても、健康で活動的であり、まだまだ働ける元気な状態にあり、還暦を迎える年代になったからといって、昔のように「高齢者」と呼ばれることを望んではいないだろう。
しかも、急速な少子・高齢化の進行により、年少や老年人口を養う能力(生産年齢人口の減少)の限界に達してくると、年金・医療・福祉など財政面だけで無く日本の社会における労働力不足は日本経済にも影響するなど様々な問題が生じてくることから、これら豊かな経験を積み重ねてきた人たちを「知的生産者」として、その能力を発揮してもらえる社会にする必要もあり、政府は、?65歳までの雇用の確保、?中高年の再就職の促進、?多様な就業機会の確保を内容とする改正高年齢者雇用安定法を2004(平成16)年6月5日に成立させ、同年12月1日から施行(高年齢者の安定した雇用の確保等を図るため措置については平成18年4月1日から施行)している(※7)。しかも、団塊の世代の人達などは経済的なゆとりもあり、高度成長期の大量消費を経験し、様々なブームやヒット商品を生み出してきた。1960年代のアイビールックや、1970年代のアンノン族、80年代のニューファミリーを形成してきたのも、又、インターネットによる株取引やパソコン、デジカメといったデジタル家電人気を牽引してきたのもこの世代である。
いわば、がむしゃらに働きながらも、自らの人生を楽しみ、より積極的に生きるアクティブな人たちであり、こういった人々がこれからの日本の社会を牽引していくことになるだろう。
しかし、世間ではその人たちを昔と変わらず高齢者と見て接しており、当人と世間との間で意識にギャップのあることが内閣府等の調査で判明している(※8:内閣府:政策統括官:共生社会政策担当「高齢社会対策」の「高齢社会対策に関する調査」など参照)。
こういった意識のギャップは、高齢化の急激な進行と無関係ではないだろう。60 代以降の意識の変化に伴い、彼らのライフスタイル(生活様式。生活の仕方。)も変化してきているはずであり、それを受けて社会のスタイルそのものも工夫していかなければならないはずだ。
成人式に対して、還暦を第二の人生の出発として祝う「還暦式」と呼ばれるものが行われている地域も現れている(千葉県市川市など)と聞くが結構なことだ。
マーケットにおいてもこのようなアクティブなシニア・シルバー市場を開拓してゆけば、日本に新しい大人文化が生まれるのではないか。 冒頭の画像は、アニメ映画「テレビまんが 昭和物語」(2011年1月公開)のチラシである。
4月から、テレビアニメとしても放送されているようだ。私は、この映画もテレビも見ていないが、業界初のシニア・団塊世代をターゲットにしたアニメ作品で、昭和39年の高度成長期に沸く東京を舞台に、「家族の絆」と「日本のものづくり」をテーマとしたものだそうだ。どうも「ALWAYS 三丁目の夕日」(2005年公開)のアニメ版のようなものらしいが、映像のカット割りやセリフなども、60歳以上のシニア層が見やすいように、ゆっくりと分かりやすい演出手法を採用しているという。
アニメ映画の世界でも、シニア・団塊世代に見てもらうこと意識しなければならないほどこの年代層のボリュームが大きく、影響力が強いと言うことだろうね〜。
参考:
※ 1:中村泰士ホームページ
http://columbia.jp/~yasushi/index.html
※2:seniorの意味 - 英和辞典 Weblio辞書
http://ejje.weblio.jp/content/senior
※3:統計局ホームページ
http://www.stat.go.jp/index.htm
※4:国民生活白書
http://www5.cao.go.jp/seikatsu/whitepaper/index.html
※5:健康日本21
http://www1.mhlw.go.jp/topics/kenko21_11/top.html
※6:国立社会保障・人口問題研究所
http://www.ipss.go.jp/pr-ad/j/jap/index.asp
※7:厚生労働省:高年齢者雇用安定法の改正のお知らせ
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/kourei2/
※8:内閣府:政策統括官:共生社会政策担当「高齢社会対策」
http://www8.cao.go.jp/kourei/index.html
電通シニアプロジェクト「退職後のリアル・ライフ?〜団塊世代の眺望調査
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2007/pdf/2007037-0517.pdf#search='電通シニア・プロジェクト'
GFシニアマーケティング,com
http://www.senior-promo.com/
日本記念日協会
http://www.kinenbi.gr.jp/index2.html