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潤滑油の日

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日本記念日協会の記念日に07 月10日「潤滑油の日」があった。
由来を見ると、“潤滑油は、産業活動から家庭生活まで広く使われている基礎資源。適切な使用によって省エネ、省資源効果も期待できることから、潤滑油についての知識の普及浸透を図ろうと全国石油工業協同組合(※1)が制定。日付は潤滑油の通称OIL(オイル)を半回転させると710=7(月)10(日)となることから。”・・・とあった。


潤滑とは、相対運動する二つの固体の接触面の間に、潤滑剤を供給して、摩擦力摩耗を低減させることをいう。
もしこの世の中に摩擦力というものが存在しなければ、折角、しっかり結わえたロープも、簡単にほどけてしまうし、また地面と足の裏にも摩擦力がないとなれば、人は歩くことすらできないこととなる。
このような摩擦は人間の生活に、必要不可欠なものであり、人類は、有史以前から火を起こすなど積極的に摩擦や摩耗を利用してきた。このような摩擦は人間の生活に、必要不可欠なものである一方、各種の機械や部品の側からすれば、「摩擦抵抗」によるエネルギーのロスや、部品の摩耗による「表面損傷」などが発生するため、面と面との間の直接接触を潤滑油によって防ぎ、摩擦の抵抗や摩耗などの軽減を図ることが重要となる。
しかし、産業革命が本格化する18世紀まで摩擦自体が学問として体系的に研究されることはほとんどなかったが、理論研究こそ最近まで行われなかったものの人類は経験則から油に潤滑効果があることを発見し、試行錯誤しながら潤滑油を作って来たようだ。

原油の歴史は古く、紀元前4000年のメソポタミアで彫刻の素材として使われていたという話もあれば、また、紀元前2500年の古代エジプトではミイラの腐敗防止用に用いられたという話もある・・・が、この辺のところは、正直、どこまで確信の持てる話かはよくわからないが、当時各地で黒い色をした燃える水があることは知られていたようで、これらが、建築物の詰め物のほか、一時的な灯火としても利用されたであろうことは推測できる。その際利用されたものは、いずれも、地表に染み出してきた暦世(瀝青、れきせい)油(アスファルト)などを採取してのものだったろう。


旧約聖書創世記ノアの方舟には、
「あなたは、いとすぎの木で箱舟を造り、箱舟の中に部屋を設け、アスファルトでそのうちそとを塗りなさい」(※2の創世記6-14参照)・・・・とある。
このように口語訳聖書では箱舟を造った木は、「いとすぎの木」としているが新改訳聖書新共同訳聖書ゴフェル(gopher)(またはゴフェルの木)と訳されているようだが実際どのような木であったかは、学者の間 でも異論があるようだ。それはさておき、口語訳聖書では上記のように防水にアスファルトの使用が記載されている。


上掲の画像向かって左:箱舟の建設を指揮するノア。右:150日の間洪水に耐えた箱舟はアララト山の上にとまっていた。洪水により地上の人間の大半が死に絶えたが、箱舟に避難したノアとその一族は無事だった(画像は、Wikipediaより)。
旧約聖書のノアの洪水の原型は、旧約聖書作成年代より1世紀ほど古い時代の『ギルガメッシュ叙事詩』に見られるが、この中で、神・ウトナピシュテムは「へマル」で舟を防水するよう命じている。
ここで、防水の該当部分ヘブライ語「へマル」は、日本語では「瀝青(れきせい)」「アスファルト」「タール」「ピッチ」「ヤニ」「樹脂」などと訳されているようで、「へマル」を「瀝青」の天然の「アスファルト」や「タール」などと解釈するか、「ヤニ」「樹脂」などと解釈するかはi意見の分かれるところであろうが、石油関係業界などでは、これを前者と解しているようであり、専門家でもない私は、一応この説をとることとしている。以下参考の※3:「ROOF-NET:防水図書館」の「聖書と防水」3部作や※4:「BeneDict地球博物館」の週刊スモールトーク(第144話)大洪水時代?〜ウトナピシュティムの洪水伝説〜など非常に興味深いことが書かれているので興味のある方は覗かれるとよい。
又、古代エジプトでは巨石を運ぶ際、摩擦の発生する面に“ころ”を入れたり“さらに潤滑油(オリーブオイル?)を使ったとされており、紀元前 1880年頃のエルベルシエの洞窟には、そりで固定された巨大像を多くの人々によって運ばれている画像が描かれているが、そこには、士官が台座の前方に立ってそりのすぐ前の地面に壷から直接に潤滑剤を注いでいるところが描かれている(※5:参照)。

そういえば、「旧約聖書」の「出エジプト記」を原作として、制作されたスペクタクル映画「十戒」(1956年公開、米国)では、ヘブライ人がエジプトの奴隷とされていた紀元前13世紀ごろ、救世主の誕生を恐れたファラオ(セティ1世)は、ヘブライ人の男の子の幼児をすべて殺すように命ずる。
ヨシャベルは、難を逃れるため子を籠に入れ、ナイル川に流したが、沐浴していたエジプトの王女ベシアに拾われ、彼女の子として、モーゼと名づけられ育てられる。
モーゼは、武運に優れ知恵のある立派な青年に育ち、ファラオからもその優秀さを認められ、新都市建設を任せられるが、その後、モーゼは新都市建設でヘブライ人奴隷が重労働させられているのを知る。
そこでは、多くの奴隷が巨大な石の運搬に従事し、鞭に打たれロープを引いていたが、石のすべりを良くする為に石材の先端下で油を塗っていた老婆(ヨシャベル=モーゼ生みの母)が石に腰の紐がはさまれ潰されそうになっていたのを助けようとして、取り押さえられた石工のヨシュアを老婆とともに解放し、奴隷側にたって穀物などを分け与えてしまうシーンがあったのを思い出した(映画の解説は※6参照)。

紀元前1400年頃になると、馬がひく二輪の戦車(チャリオット)が広く使われるようになるが、エジプト古墳の中にあった戦車の車軸(車輪の軸。心棒)に牛や羊の油などが用いられたことが分析の結果からも知られている(※7)といわれ、このころには牛車の軸受けにグリース状の潤滑剤などが用いられていたようだ。
チャリオットと言えば、、映画「十戒」で、モーゼの役を演じていたチャールトン・ヘストンが、映画「ベン・ハー」(1959年公開、米国)では、ローマ帝国支配時代のユダヤ人貴族の主人公ベン・ハー役を演じていたが、4頭立ての馬が引っ張る二輪の戦車(チャリオット)での迫力ある競争シーンは最高の見せ場でもあった。

上掲の画像は、そのシーンであるが、以下では、映画「ベン・ハー」での迫力あるチャリオットでの競争シーンを見ることが出来る。
Ben Hur 戦車レース - YouTube


W・ワイラー がメガホンを取り、11部門でアカデミー賞を受賞したこの映画で、チャールトン・ヘストンは主演男優賞をとっている。
現在主力である石油系潤滑油の殆どは、油田が発掘された19世紀後半以降に開発されたが、紀元前400年代のヘロドトスの『歴史』には、すでに石油の精製法とその利用方法が記載されているという。
一方、摩擦の理論解析の歴史はレオナルド・ダビンチ(1452〜1519)に始まるが、クーロンの摩擦法則(※8、※9参照)、あるいはアモントン=クーロンの摩擦法則(人物:アモントンについてはここを、クーロンについてはここを参照)といわれるものでさえ1760年代になってからであり、実験的証明や理論解明は遅れていた。

大きな変化は、1965(昭和40)年に、イギリスでまとめられた摩擦や摩耗による損害を推定した報告書(ジョスト報告)の中で、ピーター・ジョストが適正な潤滑を行なえば51,500万ポンドの節減が可能であると報告し、摩擦・摩耗・潤滑の技術の重要性が認識されるようになり、この分野がトライボロジー(Tribology)と命名され、以後、摩擦・摩耗・潤滑の技術分野はトライボロジーとよばれ、日本でも、日本潤滑学会が1992(平成4)年9月1日をもって日本トライボロジー学会(※10)と改称し活動しているようだ(トライボロジーについては、参考※11※12などを参照)。
この件について、参考※12:「Toshiba・機械システムの信頼性・性能向上に貢献するトライボロジー技術」の冒頭 [要旨]には、
 “機械には必ず"動く"部分がある。 二つの物体が相対運動することによって機械としての機能が生まれる。 この"動く"部分がひとたび、摩耗,焼付きを起こすと、 機械としての機能が失われるばかりでなく、 機械を部品として構成している機械システム自体の機能をも損なうことになる。 逆に、"動く"部分をうまく制御、利用することによって、今までにない新しい機械、 新しい機械システムの実現が可能となる。”・・・と書いてある。


この"動く"部分を制御、利用するための潤滑油の効率的な活用や利用を考える、又、新しい潤滑油の研究・開発などを行なうことによって、省エネ、省資源などの経済効果を期待しているのが「トライボロジー」の目的ということになるのであろうが、それではどうしたらよいかなど技術的なことは「トライボロジー」について、専門外の私などが論ずることでは出来ようはずもないので、そのようなことは参考の※12、※13ほかのHPを読まれるとよい。
ただ、「潤滑油」という言葉の意味には、機械の歯車などを、効率よく潤滑するための油などの意味とともに、 また、この化学的性質を例えとして、物事が円滑に運ばれるための仲立ちとなる物や人、ことなどを指す言葉としてもよく使われており、世の産業活動から個々の家庭生活に至るまで総ての活動分野において、潤滑油が、見落とすことの出来ない重要なものであることだけは良くわかる。
人と人とが摩擦や緊張感の多い、近頃において、夫婦間、恋人間、親子間の潤滑油として何が必要だろうか?
夫婦間の摩擦には子供が潤滑油となる事もあれば、共通の趣味を持つことが、年取ってからの夫婦の潤滑油になることもあるだろう。

阪神・淡路大震災東日本大震災などで、住む家も身内もなくし、生きる気力をなくしかけた人達に前向きに生きようとする力を与えてくれたのは、人と人の絆ではなかっただろうか。
その時の環境や時期、状況によって、どのようなものが潤滑油として必要かは違ってくるだろう。
例えば、今の日本のデフレ社会や経済状況下において、、マニフェスト(選挙公約)は、ほとんど実行しないままに、「社会保障と税の一体改革」(※14参照)を言いながら、社会保障は棚上げにしたままマニフェスト(選挙公約)ではしないとi言っていた消費税アップを自・公・民の三党合意(談合?)で強行することが、国民の不満を吸収 し、政権支持へと向かわせる上で、効果的な潤滑油の役割を果たしていると思っているのだろうか・・・。

「消費税増税前にやるべきことをやってから、消費税アップを国民に御願いすべきだ」と言って、民主党執行部を批判している小沢派を、まるで、造反者のように叩いているマスコミって、自分たちが言っていることが論理矛盾していることに気づかないのだろうか・・・?
自民党よりは頼りないだろうことは承知の上で、霞ヶ関のシロアリ(官僚)や経済団体とも癒着の少ないだろう民主党なら、自民党の出来なかったことをやってくれるかもしれないと淡い期待をもって、民主党へ投票もした私など、その裏切り行為に失望しているというより怒りを感じている。

今の政治は国民の思いとは違う方向へ歯車が空回りりしている。
又、先日(7月8日)、野田佳彦首相が突然に尖閣諸島の国有化に動き出した。
この野田首相の発言は、参考15:「goo ニュース(産経新聞)」にもあるように、国有化方針を表明した背景には、東京都が進めてきた尖閣諸島の購入計画に対する焦燥感があることは間違いなく、政権浮揚をにらんだ政治的思惑が透けてみえる。
尖閣諸島の領有を巡る1971年からの「尖閣諸島問題」は、2010年9月には中国漁船衝突事件が起き、日中関係が悪化している。

この問題に「弱腰」の政府に業を煮やした石原慎太郎都知事が、3ヶ月前に国が借り上げている3島の所有者から都が借り上げよることを発表したが、それを固有化して政府の管理下におこうが、いずれにしても、中国などが強く反発することは避けられないだろう。
ただ、都が所有し、有効活用しようとすることと、今の時期突然に、国が買い上げて管理下におこうとすることでは、政府がどのように説明しようとも、相手側の受け止め方は相当違ってくるだろうし、首相の思惑通りに事態は進まないだろう。
恐らく、中国の国内世論を抑えるためにも、強い対抗措置を取らざるを得なくなるだろうし、日本政府の尖閣国有化は、中国にとってはむしろ、口実をつけていろいろやりやすくなるのではないだろうか・・・。

私には、憲法違反である国会議員の定数是正(一票の格差参照)問題でさえ改めることの出来ない今の頼りない民主党政府に「政府による安定した管理」などできるとは到底考えられないし、中国漁船衝突事件ですらまともに処理できなかった民主党政権が、突然にこんなことを言い出して、中国を刺戟することが党の人気回復のための潤滑油になるなんて考えているとしたら、野田どじょう内閣は、国を潰してしまうことになるかもしれない。
消費税アップだけではなく、原発問題等、国民の前に何一つ信実を語らないまま、霞ヶ関の手先となりさがり、独断専行している野田内閣、は、今すぐに、内閣を解散し、国民の審判を受けるべきだろう。国民の思いとは違った方向へ進んでいる政治をまともな方向へ向かわせる潤滑油は、総選挙しかないだろう。

(冒頭の画像は、平歯車の動き。Wikipediaより)

参考:
※:1:全国石油工業協同組合
http://www.zensekiko.org/
※2:口語訳新約聖書(1954年版)
http://bible.salterrae.net/kougo/html/
※3:「ROOF-NET:防水図書館」
http://www.roof-net.jp/index.php?FrontPage
※4:「BeneDict地球博物館」
http://www.benedict.co.jp/index.htm
※5:すべり軸受の基礎[軸受の歴史的な背景] | 大同メタル工業
http://www.daidometal.com/technology/basic-02.html
※6:映画「The Ten Commandments(十戒)」解説
http://loyd-theater.com/movie-collect-3/favorite/ten-com/ten-commandments.html
※7:住鉱潤滑剤株式会社:潤滑剤のはなし:潤滑剤の歴史
http://www.sumico.co.jp/topic/history.html
※8:力学?の授業補助
http://physics.gep.kansai-u.ac.jp/~physics/jugyo/fujii/mechanics1/mechanics1.htm
※9:摩擦
http://www.crane-club.com/study/dynamics/friction.html
※10:一般社団法人 日本トライボロジー学会
http://www.tribology.jp/
※11:トライボメニュー
http://www.h7.dion.ne.jp/~kibus-2/index.htm
※12:Toshiba・機械システムの信頼性・性能向上に貢献するトライボロジー技術
http://www.toshiba.co.jp/tech/review/1998/09/b02/index_j.htm
※13: 「環境と潤滑油 →−省エネルギーとのかかわり2007−」PDF版(約4.9MB(Adobe PDF)
http://www.jalos.jp/jalos/paper/pdf/2007booklet02_all.pdf#search='潤滑油 省エネ 省資源効果'
※14:社会保障と税の一体改革の必要性と政府素案の問題点
http://www.yomiuri.co.jp/adv/chuo/opinion/20120123.htm
※ 15:goo ニュース(産経新聞)-尖閣国有化 都先行に焦り 上陸禁止継続狙う? http://news.goo.ne.jp/article/sankei/politics/snk20120708062.html
創造科学:宇宙と生命の起源
http://www.ne.jp/asahi/seven/angels/index.htm
第3章-5. プリニウス「博物誌」 | 科学/技術の総合化 ―小泉 健
http://seneca21st.eco.coocan.jp/working/koizumi/26_3_05.html
ニュース・トピックス 潤滑油業界
http://www.juntsu.co.jp/topics/topics_cate4.html
潤滑油- Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BD%A4%E6%BB%91%E6%B2%B9


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