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ピノキオの鼻とうそ

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4月1の今日は、「エイプリルフール」(April Fool's Day)。
この日は一般に“軽いいたずらや、まことしやかな嘘で他人をかついだり、無駄足を踏ませても良い日として知られており、だまされた人のことを「四月馬鹿(バカ)」と呼んでいる。今年もネット上で大いに盛り上がることだろう。
今日のことは、私もすでにこのブログで2度取り上げている。以下参照。
エープリルフール」、「四月馬鹿

嘘(うそ)」とは、事実に反すること、事柄の表明であり、過失無知ではなく、故意になされたものを言う。
嘘の語源は諸説あり正確なことはわからないようだが、漢字の「嘘」(字源「嘘」)は、(くち)+音符「虚」形成文字であり、中国では、意義は.「ふく」(口を開いて笑う)。「はく」(息を吐くこと)であり、「うそ」「うそをつく」の意味はないそうだ。「嘘」の意味としては、奈良時代には「偽り」(いつわり 〔いつはり〕。事実でないこと)、平安時代になって「空言(そらごと、虚言とも書く、《古くは「むなこと」》ほんとうでない言葉。」が使われ、平安末期から室町時代になって「うそ」がつかわれ始めたという。

「あらピノッキオ、どうしてここにいるの? 学校へは、行かなかったの?」
「どうしてって・・・」
 ピノッキオは、本当の事を言ったら、人間の子どもにしてもらえなくなると思い、うそをつくことにしました。
「実は、学校へ行く途中、いきなり見世物小屋の親方につかまったんです」
 そのとたん、ピノッキオの木の鼻が、ズンとのびていきました。
「あれあれ、どうして? 鼻がのびていくよ」
 あわてるピノッキオに、星の女神は言いました。
「ピノッキオ。いま、うそをつきましたね。あなたの鼻はうそをつくと、ドンドンのびていくのですよ」
「うそじゃないよ。本当だよ!」
 ピノッキオがそういうと、ズンズンと、またまた鼻がのびてしまいました。
 星の女神は、きびしい顔で言いました。
「いいですか。うそというものは、一つつくと、新しいうそを重ねてつかなくてはならなくなります。ピノッキオ、あなたは本物の人間の子どもに、なりたくないのですか?」
「なりたいよ! 本物の人間の子どもになりたいよ! 女神さま、うそをいってごめんなさい!」
 ピノッキオが泣きながらさけぶと、星の女神は魔法の杖をクルリとふって、のびた鼻を元通りにしてくれました。

カルロ・コッローディ作の童話『ピノッキオの冒険』を原作とするディズニーの米国にて、1940年公開の『ピノキオ』(原題:Pinocchio)の星の女神とピノッキオの会話であるが、同映画の凡その内容は覚えているがで、以下参考に記載の「※1:ピノッキオ(ピノキオ) コッローディの童話<福娘童話集 きょうの世界昔話>」より、抜粋させてもらった。冒頭の画像は、私のコレクション旧三菱銀行のディズニーキャラクター貯金箱の一つ「ピノキオ」である。

ピノキオの原作は、社会風刺小説であり、ディズニーのピノキオより遥かに残酷な物語のようである。そのため、Wikipediaによれば、ディズニーは、前作の『白雪姫』に続く長編アニメーション映画第2作『ピノキオ』を作るに当たり、原作のピノキオが悪戯っ子で、子供っぽい性格がみられ、白雪姫のような華がなかったため、夢のある物語にするのは容易ではなく、ストーリー作りに数ヶ月も悩み、その間にピノキオは無邪気な性格に変更し、さらに原作ではピノキオにハンマーをぶつけられすぐに死んでしまうコオロギをピノキオの良心、そしてその冒険物語を饒舌に語る重要なストーリーテラーとしての役割をも持つ重要なキャラクター、ジミニー・クリケットとして登場させる事になった。制作が再開された後も熟考を重ね、2年の歳月を経てついにテンポのよい夢と希望にあふれた冒険物語が完成したというが、何故、ディズニーがそれほどに、この映画を作るのに苦労したのだろうか。
以下参考に記載の※2:「ピノッキオの冒険」における考察によれば、ピノッキオの著者コッローディは、スコローピ修道会の学校を卒業し、イタリア独立戦争に2度も参加した愛国者であり、その代表作『ピノッキオの冒険』には随所にキリスト教的な世界観をみることが出来、いたずらや失敗を通じて学んでいくピノッキオの姿は、生きることの意味を、語りかけている。
ディズニー映画『ピノキオ』では、嘘をつくピノキオの鼻はどんどん伸びてしまうように、嘘は否定的に描かれているが、原作の『ピノッキオの冒険』では、妖精がピノッキオに、
「うそにも2種類あり、一つは足の短いうそと、もう一つは長い鼻をもっているうそがある」と話すシーンがあるそうだ。
このあと、ピノッキオの鼻がのびないときがあるが、このときは、うそも方便で、相手をかばうものであった。つまり、「うそ」とは相手を傷つけるうそ(悪いうそ)と相手を傷つけないうそ(良いうそ)があるということをいいたかったようだ。
悪いうそのときは鼻がのびて、良いうそのときは鼻がのびないということ。この鼻がのびるという恐怖感を与えて、道徳を解く(※3の第二篇:第8章 道徳的律法の解明も参照)というのはキリスト教の常道であると思う。
このようなキリスト教的な世界観が、ディズニーの思想と対立していたのではないか。
実際に原作に語られたピノッキオには、残酷さや苦しい場面が描かれていることが多いが、ディズニーの映画「ピノキオ」には醜いところや残酷なところ、苦しいところは描かれていない。そのためために宗教的な意味が消されてしまった。むしろ、そんな宗教敵的な意味を、消すことがディズニーの映画の目的だったような感じがするといっている。
確かに、ディズニーは子供向きのアニメであり、宗教性を薄め、暗い内容のものを明るく描くのに苦労したのだろうけれども、やはり、その根底には道徳的な面での子供への教育性は残されているように思うのだが・・・。

コミュニケーションにおいてうそはある程度潤滑油的な機能をしているとの研究もあり、全くうそをついてはいけない状況になるとコミュニケーションは滞る。
日常生活での言い訳や責任転嫁など、我々はうそを無意識的に言っているが、通常これらは許されるべき正常の範囲内のものではあるのだろう。
末期ガン等の病気の告知では、医師から患者へはうその病名が告知されることがある。それ以外でも、親族などは本人に真実を伝えることが辛過ぎるためうそをつく場合があり、このようなうそは、先に述べた『ピノッキオの冒険』のピノッキオの鼻がのびない、「うそは方便」と同じようなものと言える。これらのうそは一般に黙認されているが、インフォームド・コンセントの面からは問題視する声もある。
また、将来的な予想を外したことに対して「うそを言った」とは言えないが、そこに、他者を欺こうとの意図があったとしたら問題である。
それに、事実に反することが聞き手にあらかじめ了解されている場合、それはうそではなくフィクションや冗談といったものに分類される。結局、うそをつく動機や技術、事実との関係などによって、うそは正負、両方の効果を及ぼしうるものである。
ただ、中には、虚言癖(きょげんへき)や、作話症などによるものもある。また、年少者、とくに幼児におけるうそはこれとかなり事情を異にしており、その多くは誤認、追想錯誤(※4)、空想と現実との混同、ないしは言語遊戯としての作話であって、成人のうそとは質的に相違する。

東日本大震災では、大震災に乗じて善意の募金や寄付金をだまし取ろうとする悪質な詐欺サイトが見つかったと聞いている(※5)。
また、短文投稿サイト「ツイッター」などインターネットを介した情報が、被災者の安否確認や救援に大きな力を果たしてきた一方で、種々のデマやニセ情報を信じて、それを、話題にすることにより、無意識のうちに、そんなデマや偽情報のさらなる拡散に加担することになっていることもよくあること。
そのようなことを風評被害ともいうのだろうが、こんな風評の加担者とならないためにも、また、自分がそんな被害に合わないためにも、情報の真偽については確認する習慣を身につけていることが重要だろう。
私なども、こんなブログを書いていて、一番気にしていることであり、そのため、出来るだけ、時間をかけて、情報の正確性には心がけているのだが、誤りがない・・・とは言い切れない。その点は、承知の上で、みなさんもこのブログを読んでください。
また、同じうそでも、先に述べた、善意の募金や寄付金をだまし取ろうとしたり、悪徳マルチ商法や悪徳キャッチセールスなどの詐欺で使われるうそは社会通念から許容されず、法律によって罰せられる。
うその中には規模の大きな集団が組織的に行うものもあり、内容次第では社会に大きな影響を与えるものがある。例えば、その際に行われるネット上での擬似流行に関しては、大手の会社などがブロガーなどを雇い、流行っている風に見せかけるといったことを行うこともある。
人を騙すうそにもいろいろあるが、最も卑劣なのが、判断力の低下した高齢者を相手の振り込め詐欺ではないか。
振り込め詐欺とは、電話やはがきなどの文書などで相手をだまし、金銭の振り込みを要求する犯罪行為である。
従来、オレオレ詐欺、なりすまし詐欺、架空請求詐欺融資保証金詐欺などと呼ばれていたが、手口の多様化で名称と実態が合わなくなったため、2004(平成16)年12月9日に、警察庁によって統一名称として「振り込め詐欺」と呼ぶことが決定されたものだそうだ。
当初から長年、振り込み詐欺と言われたが、「振り込み」では納得して自ら振り込みをする意味合いとなるため、あくまで「振り込め」と人から言われている、騙されていないかなど、どの時点でも注意や再考を喚起するようにと「振り込め詐欺」へ統一を図った経緯があるようだ。
しかし、昨年大阪などでは、市区町村の職員らを装った電話で「医療費の還付金がある」などと言って、ATM(現金自動受払機)の前へ行くよう支持され、その前で、電話をすると、操作を指示し、「6桁の個人番号を入力」など相手の指示通りにATMを操作すると、気が付かないうちに指定口座に現金を振り込むよう誘導されているといった新種の詐欺が多発していた。これらの被害者の8割以上が60歳以上で、大半が女性だったという(※6)が、うそを言って騙すにしても、このような年寄をターゲットにした悪質な詐欺が減らないね〜。
警視庁 犯罪抑止対策本部の特殊詐欺(振り込め詐欺等)公式ホームページ(※7)を見ると、
昨・2012(平成24)年中は、振り込め詐欺のうち、特に、上記で述べたような還付金等詐欺が462件(前年比+445件、+2617.6%)と急増しているそうだ。また、オレオレ詐欺は、被害件数は若干減少したものの、被害額は前年を上回り、約47億510万円(前年比約+12億4,040万円、+35.8%)に上ったという。
本年の2月中、振り込め詐欺をはじめとする特殊詐欺対策を強化した結果、還付金等詐欺の被害は17件と前月と比べ、大幅に減少したものの、オレオレ詐欺の被害は193件と依然として多く、2月末時点では、オレオレ詐欺、還付金等詐欺ともに昨年より多くの被害が発生しているという。
今では、「振り込め詐欺」という名称も一般的になったが、最近の手口としては、金銭授受の方法が振込だけではなく、指定場所へ持参させる・宅配便や郵便で送付させる・バイク便業者や代理人が被害者の自宅近くに受け取りに現れるなど多様化しており、警視庁では、こうした詐欺行為も「振り込め詐欺」と同種のものとして注意を喚起している(振り込め詐欺の推移は参考の※8参照)。
この頃の「振り込め詐欺」にはこのような、銀行口座を経由しない、手渡しによる犯行も多く、実態を的確に表現できておらず、また“被害者を不安にし、パニックに陥らせることで犯人のコントロール下に置く”ことが、そのカギとなっていることから、「パニックに陥れることを直感的に理解できる新たな名称案」を公募しているようだ。
応募は郵送またはTwitterで可能。締め切りは、平成25年4月10日(水)の消印(送信)分までだがいい案があれば応募してみては・・・。応募の仕方は以下参照。
「振り込め詐欺」の新名称募集について :警視庁

ディズニーアニメ『ピノキオ』の主題歌としてオープニングクレジットとラストで、クリフ・エドワーズが歌い、その年のアカデミー賞の歌曲賞を獲得した。

上掲の画像は、ジミニー・クリケット。画像はWikipedia掲載分借用。歌詞は『ピノキオ』テーマソング「星に願いを」。

星に願いを懸けるとき
君が誰でも関係ないさ
心を込めて望むなら
きっと願いは叶うでしょう

何を示唆しているかというと、子供に恵まれなかったゼペット爺さんが、「どうか、私が作ったこの人形が本物の子供になりますように」と流れ星に願いを託し、それが叶って女神さまがピノキオに魂を与えるこの物語のあらすじを伝えている。
ゼペット爺さんは素敵なおもちゃをたくさん作って、人々に幸せを与えたので願いを叶えてもらえたのだ。
また、命を与えられたが、まだ身体は木のままであるピノキオには「正しいことと間違っていることの区別がついてこそ、本当の人間になれる。」と女神さまに課題を残される。そして、人間の世界に溢れる様々な誘惑にまどわされながらも、最後には勇敢で正直な行動をしたピノキオは無事、本物の人間になることができたのだが・・・。
さて、今の時代の本当の人間はどうなのだろう?本当の人間になりきれてない人が、多いのではないだろうか?

私たち年配の者は、昔から、「うそつきは泥棒のはじまり」。うそは悪いことだと子供の頃から教えられてきた。
ピノキオはうそをつけば鼻が伸びる。うそをつかなければ鼻は元のままだ。そのピノキオが「ボクの鼻が伸びているよ」と言ったとしたら、それは本当なのかうそなのか?
面白い記事が、日経BPネットの調査に見られる。
20〜30代のビジネスパーソン200人を対象に、仕事上で「うそ」をついた経験の有無を尋ねた結果、上司や同僚に対して「ある」と答えた人が47%、取引先に対して「ある」と答えた人は30%だったという。
編集部は当初、「ある」という回答がもっと多いのではないかと予測をしていたし、他の問3では「うそも方便、うまく使えば仕事にプラスになる」「、相手の気分を害さないために必要なこともある」という回答が6割を占めており、問4でも「ハッタリは相手次第で有効なこともある」といった回答が上位を占めていたという。
この様に、うその有効性を認めつつも、自分はそれほどうそはついていない。・・・との回答は、整合性が取れない気がしませんか!・・・と首をひねっているのだが・・・(※9参照)。
恐らく、ここの回答者にとって、問3、4にあるようなことに関しての「うそ」は、悪いこととは思っておらず、これらの場合に「うそ」をついても、本人たちは「うそ」を言ったとは自覚していないということであり、言い換えれば、「うそ」をつきながら「私はうそをつきません」といっているということだろう。
そんな人たちが、「エイプリルフール」の今日は、どんな巧妙な「うそ」で騙してやろうか手ぐすね引いているかもしれない(×_×;)

最後に、うそをついても許される日だからと言って、どんな嘘をつこうが、たちの悪いものでなければ、それをするのも人好き好きだが、せっかくだから、ジミニー・クリケット(クリフ・エドワーズ)が歌う『星に願いを』を聞いてみるのも良いのでは・・。
こんな素敵な曲を聴いていると、本当に願いが叶いそうな気にもなるよ。ここでは、他に「困ったときには口笛を」(Give a little Whistle)の曲なども聞ける。
「星に願いを」クリフ・エドワーズ:When You Wish Upon A Star ? Cliff Edwards

参考:
※1:ピノッキオ(ピノキオ) コッローディの童話 <福娘童話集 きょうの世界昔話>
http://hukumusume.com/douwa/pc/world/08/01.htm
※2:「ピノッキオの冒険」における考察
http://takasi.at.webry.info/theme/d03875ffa7.html
※3:Wikisource:宗教:キリスト教綱要- Wikisource
http://ja.wikisource.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E6%95%99%E7%B6%B1%E8%A6%81
※4:追想錯誤とは - 介護110番
http://www.kaigo110.co.jp/word/%E8%BF%BD%E6%83%B3%E9%8C%AF%E8%AA%A4
※5:便乗犯罪を防ぐテクニック|原一探偵事務所
http://www.haraichi.co.jp/tantei110/tantei110_technique14.php
※6:「医療費の還付金があります」甘言に注意 急増、府内で昨年50件超 /大阪
http://mainichi.jp/area/osaka/news/20130105ddlk27040180000c.html
※7:特殊詐欺(振り込め詐欺等)公式ホームページ:警視庁 犯罪抑止対策本部の
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/han_furikome/1_top.htm
※8:時事ドットコム:【図解・社会】振り込め詐欺の推移
http://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_soc_tyosa-jikenfurikome
※9:上手な「ウソ」のつき方・見抜き方
http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/associe/lie/060110_1st/
嘘を見破るには、巧妙な嘘つきの10の特徴を知ろう : ライフハッカー
http://www.lifehacker.jp/2010/06/100601howtobealiar.html
ず's - デマの検証サイト一覧
http://wiliki.zukeran.org/index.cgi?%A5%C7%A5%DE%A4%CE%B8%A1%BE%DA%A5%B5%A5%A4%A5%C8%B0%EC%CD%F7
ピノッキオの冒険 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%83%8E%E3%83%83%E3%82%AD%E3%82%AA%E3%81%AE%E5%86%92%E9%99%BA

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