日本記念日協会」(※1)の今日・3月14日の記念日に「さーたーあんだぎーの日」がある。
記念日の由来によると、「さーたーあんだぎー」とは砂糖、小麦粉などを使い、油で揚げた沖縄を代表するお菓子である。
「さーたーあんだぎーのうた」を2004(平成16)年3月14日に発表した沖縄出身のミュージシャン「シューベルトまつだ」が制定した日だそうで、「ホワイトデーには『さーたーあんだぎー』をお返しに贈ろう」と呼びかけ、全国に沖縄の家庭の味「さーたーあんだぎー」を普及させるのが目的・・・とあった。
私は、余り、今の時代の若いタレントや歌手のことはよく知らないので、シューベルトまつだがどんな人物か、また、何をしているのかも知らないし、「さーたーあんだぎーのうた」がどんな歌かは聞いたこともない。
そこで、ネットで検索してみるとシューベルトまつだのブログ(※2)があったので、覗いてみると、該当の歌があったので、聞いてみた。この歌は、YouTubeにも掲載されていたので以下にリンクを貼っておく。
さーたーあんだぎーのうた〜シューベルトまつだ(オリジナル曲)
このような歌に余り、興味もない私など、この歌が良いのか悪いのかは知らないが、正直、私にはまったく面白くもない、ただの沖縄の揚げ菓子のCMソング、また、記念日登録者自身の宣伝活動・・としか思えない。。
最近は、日本記念日協会へ登録の記念日にも、この手のものが非常に多くなってきたものだ。
沖縄の代表的な揚げ菓子の一つでもある「さーたーあんだぎー」そのものは、私も、沖縄へ旅行した時などに、土産として買ってきたこともあり、当然食べたこともあるので一応は知っている。
琉球(沖縄)方言で「サーター」は砂糖、「アンダーギー」は「アンダ(油)」+「アギー(揚げ)」で「揚げる」・・・、つまり、揚げ物を意味しており、その名の通り砂糖を多めに使用した球状の揚げドーナツといったもの。「砂糖天ぷら」「サーターアンダギー」、「サーターアンラギー」ともいう(方言は※3、※4参照)そうだ。
Wikipediaによれば、「サーターアンダギー」は、低温の油でゆっくり揚げる際に、まず球状に表面が固くなり、そのあと内部の膨張に従って球状の表面が割れる。その形が花が開いたように見えることから、縁起のよい菓子とされ、祝い事の際などに饗応されるという。
また、サーターアンダギーは表面が割れ目を生じるその形状から、沖縄県では「女性」を象徴するお菓子とされており、結納では同じく「男性」を象徴するお菓子、「カタハランブー」(※3、※4)と一緒にどっさりと盛り付けられ、卓を囲むもので、それらを食するという習慣があるそうだ。
Wikipediaの説明だけではよくわからないので調べてみる、「カタハランブー」は、塩味の天ぷらで、天ぷらの衣に少しだけ塩味を付けて、鍋フチから滑らせるようにタネを入れて揚げるそうで、その語源は「片腹」(カタハラ)と「重い」(ンブー)の合体語らしく、もともとは、松風(マチカジ/“結びきり(水引の結び方参照)”の形をしたお菓子)との3点セットで、沖縄の結納料理として使われ、これを食べて、末永い幸せや子孫繁栄的を願うといった意味合いがあるのだそうだ(※5、※6参照)。
ところで、今日・3月14日は、ホワイトデーであるが、この「ホワイトデー」のことについては、以前にこのブログでも書いたことがある(ここ参照)ので、ここでは詳しく触れない。
「ホワイトデー」は一般的にバレンタインデーにチョコレート等を貰った男性が、そのお返しとしてキャンディ・マシュマロ・ホワイトチョコレート等のプレゼントを女性へ贈る日とされているが、この習慣は日本など一部の東アジア特有のものであり、欧米ではこういった習慣は見られないらしい。
「バレンタインデー」にチョコレートを贈る習慣などと同様に、日本で、バレンタインデーが定着するに従って、菓子業界がそれにお返しをする日として、昭和40年代に入って以降、個々に独自の日を定め、この日にビスケットやマシュマロ、キャンディ等を「お返しの贈り物」として宣伝販売するようになったといわれている。いわば、菓子などの物を売るための便乗商法であり、この「さーたーあんだぎーの日」も同様であろうし、先にも書いたように、記念日を登録した人自身の宣伝活動の一環でもあるのだろう。
、
ただ、関西人の私などには、沖縄では、バレンタインのお返しに、ホワイトデーには、男性が女性に対して、女性の象徴であるといわれる「サーターアンダギー」を贈ろうというのがよくわからない。
ひょっとして、沖縄では、バレンタインにはチョコレートではなく、男性の象徴であるとされている「カタハランブー」を女性からプレゼントされているのだろうか?
もしそうだとしたら、バレンタインには、女性から、チョコに添えてパンツ(また、トランクス)を贈られた男性が、そのお返しに、女性にパンティーを返すといった、ちょっとどぎついジョーク・・・以上に、きついブラックジョーク(英: black joke)のようにさえ思われるのだが・・・・。それは、南の島の沖縄の人と関西人との感性の違いなのだろうか。それとも、今の若い男女の性に対する意識変化についてゆけないだけなのだろうか・・・?
そういえば、2011年11月号の『日経WOMAN』の「働く女性700人のセックス白書」に、今時の女性の貞操観念についても驚くべきアンケート結果が出ていたことが、生活情報サイトAllAboutに採りあげられていた。
つまり、一昔前は、「セックスは恋人になってからするもの」という価値観が、多くの女性にとって、恋愛の常識であったのだが、読者アンケート(平均年齢33.6歳)の結果では、今では、「セックスは恋人になってからするもの」という恋のルールが変わり始めており、交際を前提とする約束がなくても、女性がセックスをすることは珍しくなくなっているようであり、多くの女性にとって、その貞操観念や性意識は、かなりおおらかになってきているようだという。
この性意識の変化は、もちろん女性だけのではなく、交際を伴わずに、セックスそのものをより貪欲に楽しむ関係が男女双方に増えてきているのだと言える。・・・というのだが、詳しくは以下参考※7「あなたは、彼氏ではない男性とも、セックスしますか? [恋愛] All About」を参照されるとよい。
そうであれば、先に述べたような、ホワイトデーに、バレンタインのお返しとして、男性からパンティーならぬ女性の象徴「サーターアンダギー」を贈られても、それは単なるジョークというよりも、むしろ、積極的に男性が女性にセックスを求めている証として、女性からは喜んで受け入れられていることなのかもしれない・・・。要するに、今の時代の若者の意識変化についてゆけない古い年代の私たちの常識こそが今の時代ではおかしい・・・ということになっているのかも知れない・・・。
そんなことを考えていると、よくは覚えていないが、もう一昔も前に見た映画「氣違ひ部落」(1957年、松竹映画。)のことがひょっと、頭をよぎった。
この映画、きだみのるの『気違い部落周遊記』など、一連の“気違い部落”ものを原作に渋谷実が監督した社会喜劇である。
東京からわずか十三里半の所にある“気違い部落”がある。・・といっても気違い(注:ここ参照)が住んでいるわけではない。
小さな山村のそのまた一部落(集落)で、貧困のなかで欲望をむき出しにしているところが気違い沙汰に見えることから、そう呼ばれている。その部落の掟は日本の法律よりも優先される…。
題名などに現代社会では差別用語とされる刺激的な言葉を使ってはいるが、きだみのるは、そのようなことに触れているわけではなく、当時の日本の農村のどこにでもごく普通に見られたそんな閉鎖的な“村社会” を取り上げて鋭く風刺したものである。
しかし、それは、はたして「気違い部落」と呼ばれるほどの驚きを持ったものなのか、はたまた逆にそれを笑う都会人の方が「気違い部落」の住人なのか。
この映画の冒頭で、解説者(森繁久彌)が登場し、「気違いは自分のことを気違いだとは思っていない…」とナレーションをしている。このような氣違い部落にいる人たちから見れば、自分たちとは違ったよそ者こそが逆に氣違いに見えているのだろう(※8、※9参照)。
それを今の時代に置き換えてみると、映画とは逆になるかもしれないが、今の日本の若者の性意識が急速な変化をしている社会で、一昔前の貞操観念を持った女性やそのような女性を良しとしてみている人などは、今の若者達からみれば、ちょっと時代遅れの変な人・・ということになるのだろう。
私には今、目の中に入れても痛くないほど可愛い孫娘が一人いる。その孫も今や性に目覚めているはずの中学生となっている。これからの大人への成長をどのように見守ってゆけばよいのだろうか・・・・と、戸惑っているところである。
これを飛躍させると、ひょっとしたら、孫が結婚をするような年代になったら、日本では、結婚制度そのものが崩れ、フリーセックスや自由恋愛の中で出来ちゃった子供は、育てたいと思う方が育てれば良い・・・なんて考える人たちが増えているのではないかとさえ考えるのだが・・・。
そう思って、ネットで検索をすると、30歳以上の独身女性の本音を扱うコラム独女通信というものがあるようで、そこで、30代独女の結婚観を聞いてみようと思ったら、「いっその事、結婚制度なんて廃止しちゃえばいいと思う!」・・・と考えている人が意外に多いらしいことが書かれていた(※10参照)。
さもあらん、急速な若者の性意識の変化は当然これからの結婚観をも変えてゆくだろうし、そういう人たちが多数を占めてくると、それに反対する人が時代に合わない変な人になってしまうのだろう。私など、そのころには生きていないだろうが、それをありがたいことと思う。
さて、話は変わって「さーたーあんだぎー」と言えば、フジテレビ系のクイズバラエティ番組『クイズ!ヘキサゴンII』から生まれた同名の音楽ユニット(サーターアンダギー (ユニット) 参照)があったよね〜。
「クイズ!ヘキサゴンII」では、元お笑いタレントの島田紳助が音楽プロデューサーとなり、出演者同士でユニットを組み歌手デビューさせていた。
それらが2008(平成20)年には、NHK『第59回NHK紅白歌合戦』に出場するなどいわゆる「おバカブーム」を作り上げ、番組の全盛期を迎えた。平均視聴率も15%を上回るフジテレビを代表する高視聴率番組として躍進を見せていた(番組で結成されたユニットについては『ヘキサゴンファミリー』を参照)。
そんな人気番組から、沖縄県国頭郡恩納村出身の山田親太朗を中心とした森公平、松岡卓弥の男性3人組のユニットで、2010年2月10日、シングル「ヤンバルクイナが飛んだ」(作詞は島田紳助【カシアス島田名義】、作曲は、J-POPユニット「ワカバ」のメンバー松井亮太 )でデビューした。
タイトルの「ヤンバルクイナ」、歌詞(※12参照)の中の方言、三線の演奏など、山田の出身地である沖縄のテイストを取り入れた楽曲であり、タイトルを聞かされた当初、山田は「ふざけた歌なのかな?ヤンバルクイナは飛ばないよ」と言っていた(※11参照)ようだが、同曲はレコチョクのデイリー着うたフルランキングで2日連続1位を記録。デビュー曲の発売日2月10日から、2月14日の都内での発売記念ミニライブまでに全国8会場でイベントを開催し、累計2万人を集め、山田を感激させたという。
また、この2月14日はバレンタインデーであることから、応援に駆け付けた里田まいはデビューしたばかりの3人に 森と松岡にはチョコレートを、沖縄出身の山田には、沖縄のお菓子ムーチーが渡されたという(※13参照)。
ムーチーは、沖縄県で一般に食される菓子の一種であり、餅粉をこね、白糖や黒糖で味付けを行い、月桃の葉で巻き、蒸して作る。旧暦の12月8日(グレゴリオ暦では概ね1月)には健康・長寿の祈願のため縁起物として食されるものだという。
島田紳助が、暴力団関係者との交際が発覚して、2011年に芸能界を引退をしたことに伴う『ヘキサゴンII』終了後も活動を継続していた唯一の同番組発ユニットであったが、2013年2月24日に解散した。
これは、昨2012(平成24)年2月のコンサートの中で「ライブ総動員数1万人」「イベント総動員数3万人」「配信ダウンロード総数5万ダウンロード」「CD総出荷枚数10万枚」と4つの目標を掲げ、「今年中にこれらを1つでも実現出来なかった場合は解散する」と宣言したが、結果は4つの目標のうち「CD総出荷枚数10万枚」が達成できず、解散が決定したのだそうである(※14参照)。
もともと歌手としての実力があったわけでもなく、島田の企画力によって、売れたものの、島田が引退した後の解散はやむを得ないものと考えるが、レビュー曲のタイトルを聞かされた山田が、「ふざけた歌なのかな?ヤンバルクイナは飛ばないよ」と言っていたものが、その予感通りに、島田引退後、サーターアンダギー (ユニット)も飛んで行けなかったということかな・・・。
私の癖で、今日も、随分と、あちこちへ飛んで行ったが、今日は私もこれからホワイトデーのお返しを配って回らないといけないのでこれで終ることにしよう。でも、お返しは、「さーたーあんだぎー」ではなく、ごくごく平凡なお菓子だよ・・・・。
(冒頭の画像は沖縄の揚げ菓子サーターアンダーギー。Wikipediaより。)
参考:
※1:日本記念日協会
http://www.kinenbi.gr.jp/index2.html
※2:シューベルトまつだのブログ
http://schubert.ti-da.net/
※3:首里・那覇方言音声データーベース
http://ryukyu-lang.lib.u-ryukyu.ac.jp/srnh/index.html
※4:沖縄大百科
http://word.uruma.jp/
※5:沖縄名物 サーターアンダギーは祝菓子
http://plaza.rakuten.co.jp/makiplanning/diary/20100221/
※6:十人十色の結納を一からサポート! - 与那原通
http://yonabaru-too.com/sponsor/6958.html
※7:あなたは、彼氏ではない男性とも、セックスしますか? [恋愛] All About
http://allabout.co.jp/gm/gc/386548/
※8:気違い部落 - goo 映画
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD19963/index.html
※9:映画評「気違い部落」
http://www.ne.jp/asahi/gensou/kan/eigahyou52/kichigaiburaku.html
※10:【独女通信】ある30代独女の本音 ”結婚制度を廃止してしまえ!”
http://news.livedoor.com/article/detail/3194405/
※11:“ヘキサゴン発! 山田親太朗率いる新たなイケメン三銃士に直撃&密着”. ORICONSTYLE. (2010年2月17日)
http://www.oricon.co.jp/music/interview/100203_01.html
※12:サーターアンダギー ヤンバルクイナが飛んだ 歌詞
http://j-lyric.net/artist/a053357/l01e8d3.html
※13:“サーターアンダギーがデビューイベント! 山田親太朗らがボロ泣き”. webザテレビジョン. (2010年2月16日)
http://news.thetv.jp/article/12739/
※14:“サーターアンダギー公約守り“解散””. 朝日新聞デジタル. (2012年12月16日)
http://www.asahi.com/showbiz/nikkan/NIK201212160002.html
サーターアンダギーの歌詞一覧リスト
http://www.uta-net.com/artist/9425/
サーターアンダーギー - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%AE%E3%83%BC
記念日の由来によると、「さーたーあんだぎー」とは砂糖、小麦粉などを使い、油で揚げた沖縄を代表するお菓子である。
「さーたーあんだぎーのうた」を2004(平成16)年3月14日に発表した沖縄出身のミュージシャン「シューベルトまつだ」が制定した日だそうで、「ホワイトデーには『さーたーあんだぎー』をお返しに贈ろう」と呼びかけ、全国に沖縄の家庭の味「さーたーあんだぎー」を普及させるのが目的・・・とあった。
私は、余り、今の時代の若いタレントや歌手のことはよく知らないので、シューベルトまつだがどんな人物か、また、何をしているのかも知らないし、「さーたーあんだぎーのうた」がどんな歌かは聞いたこともない。
そこで、ネットで検索してみるとシューベルトまつだのブログ(※2)があったので、覗いてみると、該当の歌があったので、聞いてみた。この歌は、YouTubeにも掲載されていたので以下にリンクを貼っておく。
さーたーあんだぎーのうた〜シューベルトまつだ(オリジナル曲)
このような歌に余り、興味もない私など、この歌が良いのか悪いのかは知らないが、正直、私にはまったく面白くもない、ただの沖縄の揚げ菓子のCMソング、また、記念日登録者自身の宣伝活動・・としか思えない。。
最近は、日本記念日協会へ登録の記念日にも、この手のものが非常に多くなってきたものだ。
沖縄の代表的な揚げ菓子の一つでもある「さーたーあんだぎー」そのものは、私も、沖縄へ旅行した時などに、土産として買ってきたこともあり、当然食べたこともあるので一応は知っている。
琉球(沖縄)方言で「サーター」は砂糖、「アンダーギー」は「アンダ(油)」+「アギー(揚げ)」で「揚げる」・・・、つまり、揚げ物を意味しており、その名の通り砂糖を多めに使用した球状の揚げドーナツといったもの。「砂糖天ぷら」「サーターアンダギー」、「サーターアンラギー」ともいう(方言は※3、※4参照)そうだ。
Wikipediaによれば、「サーターアンダギー」は、低温の油でゆっくり揚げる際に、まず球状に表面が固くなり、そのあと内部の膨張に従って球状の表面が割れる。その形が花が開いたように見えることから、縁起のよい菓子とされ、祝い事の際などに饗応されるという。
また、サーターアンダギーは表面が割れ目を生じるその形状から、沖縄県では「女性」を象徴するお菓子とされており、結納では同じく「男性」を象徴するお菓子、「カタハランブー」(※3、※4)と一緒にどっさりと盛り付けられ、卓を囲むもので、それらを食するという習慣があるそうだ。
Wikipediaの説明だけではよくわからないので調べてみる、「カタハランブー」は、塩味の天ぷらで、天ぷらの衣に少しだけ塩味を付けて、鍋フチから滑らせるようにタネを入れて揚げるそうで、その語源は「片腹」(カタハラ)と「重い」(ンブー)の合体語らしく、もともとは、松風(マチカジ/“結びきり(水引の結び方参照)”の形をしたお菓子)との3点セットで、沖縄の結納料理として使われ、これを食べて、末永い幸せや子孫繁栄的を願うといった意味合いがあるのだそうだ(※5、※6参照)。
ところで、今日・3月14日は、ホワイトデーであるが、この「ホワイトデー」のことについては、以前にこのブログでも書いたことがある(ここ参照)ので、ここでは詳しく触れない。
「ホワイトデー」は一般的にバレンタインデーにチョコレート等を貰った男性が、そのお返しとしてキャンディ・マシュマロ・ホワイトチョコレート等のプレゼントを女性へ贈る日とされているが、この習慣は日本など一部の東アジア特有のものであり、欧米ではこういった習慣は見られないらしい。
「バレンタインデー」にチョコレートを贈る習慣などと同様に、日本で、バレンタインデーが定着するに従って、菓子業界がそれにお返しをする日として、昭和40年代に入って以降、個々に独自の日を定め、この日にビスケットやマシュマロ、キャンディ等を「お返しの贈り物」として宣伝販売するようになったといわれている。いわば、菓子などの物を売るための便乗商法であり、この「さーたーあんだぎーの日」も同様であろうし、先にも書いたように、記念日を登録した人自身の宣伝活動の一環でもあるのだろう。
、
ただ、関西人の私などには、沖縄では、バレンタインのお返しに、ホワイトデーには、男性が女性に対して、女性の象徴であるといわれる「サーターアンダギー」を贈ろうというのがよくわからない。
ひょっとして、沖縄では、バレンタインにはチョコレートではなく、男性の象徴であるとされている「カタハランブー」を女性からプレゼントされているのだろうか?
もしそうだとしたら、バレンタインには、女性から、チョコに添えてパンツ(また、トランクス)を贈られた男性が、そのお返しに、女性にパンティーを返すといった、ちょっとどぎついジョーク・・・以上に、きついブラックジョーク(英: black joke)のようにさえ思われるのだが・・・・。それは、南の島の沖縄の人と関西人との感性の違いなのだろうか。それとも、今の若い男女の性に対する意識変化についてゆけないだけなのだろうか・・・?
そういえば、2011年11月号の『日経WOMAN』の「働く女性700人のセックス白書」に、今時の女性の貞操観念についても驚くべきアンケート結果が出ていたことが、生活情報サイトAllAboutに採りあげられていた。
つまり、一昔前は、「セックスは恋人になってからするもの」という価値観が、多くの女性にとって、恋愛の常識であったのだが、読者アンケート(平均年齢33.6歳)の結果では、今では、「セックスは恋人になってからするもの」という恋のルールが変わり始めており、交際を前提とする約束がなくても、女性がセックスをすることは珍しくなくなっているようであり、多くの女性にとって、その貞操観念や性意識は、かなりおおらかになってきているようだという。
この性意識の変化は、もちろん女性だけのではなく、交際を伴わずに、セックスそのものをより貪欲に楽しむ関係が男女双方に増えてきているのだと言える。・・・というのだが、詳しくは以下参考※7「あなたは、彼氏ではない男性とも、セックスしますか? [恋愛] All About」を参照されるとよい。
そうであれば、先に述べたような、ホワイトデーに、バレンタインのお返しとして、男性からパンティーならぬ女性の象徴「サーターアンダギー」を贈られても、それは単なるジョークというよりも、むしろ、積極的に男性が女性にセックスを求めている証として、女性からは喜んで受け入れられていることなのかもしれない・・・。要するに、今の時代の若者の意識変化についてゆけない古い年代の私たちの常識こそが今の時代ではおかしい・・・ということになっているのかも知れない・・・。
そんなことを考えていると、よくは覚えていないが、もう一昔も前に見た映画「氣違ひ部落」(1957年、松竹映画。)のことがひょっと、頭をよぎった。
この映画、きだみのるの『気違い部落周遊記』など、一連の“気違い部落”ものを原作に渋谷実が監督した社会喜劇である。
東京からわずか十三里半の所にある“気違い部落”がある。・・といっても気違い(注:ここ参照)が住んでいるわけではない。
小さな山村のそのまた一部落(集落)で、貧困のなかで欲望をむき出しにしているところが気違い沙汰に見えることから、そう呼ばれている。その部落の掟は日本の法律よりも優先される…。
題名などに現代社会では差別用語とされる刺激的な言葉を使ってはいるが、きだみのるは、そのようなことに触れているわけではなく、当時の日本の農村のどこにでもごく普通に見られたそんな閉鎖的な“村社会” を取り上げて鋭く風刺したものである。
しかし、それは、はたして「気違い部落」と呼ばれるほどの驚きを持ったものなのか、はたまた逆にそれを笑う都会人の方が「気違い部落」の住人なのか。
この映画の冒頭で、解説者(森繁久彌)が登場し、「気違いは自分のことを気違いだとは思っていない…」とナレーションをしている。このような氣違い部落にいる人たちから見れば、自分たちとは違ったよそ者こそが逆に氣違いに見えているのだろう(※8、※9参照)。
それを今の時代に置き換えてみると、映画とは逆になるかもしれないが、今の日本の若者の性意識が急速な変化をしている社会で、一昔前の貞操観念を持った女性やそのような女性を良しとしてみている人などは、今の若者達からみれば、ちょっと時代遅れの変な人・・ということになるのだろう。
私には今、目の中に入れても痛くないほど可愛い孫娘が一人いる。その孫も今や性に目覚めているはずの中学生となっている。これからの大人への成長をどのように見守ってゆけばよいのだろうか・・・・と、戸惑っているところである。
これを飛躍させると、ひょっとしたら、孫が結婚をするような年代になったら、日本では、結婚制度そのものが崩れ、フリーセックスや自由恋愛の中で出来ちゃった子供は、育てたいと思う方が育てれば良い・・・なんて考える人たちが増えているのではないかとさえ考えるのだが・・・。
そう思って、ネットで検索をすると、30歳以上の独身女性の本音を扱うコラム独女通信というものがあるようで、そこで、30代独女の結婚観を聞いてみようと思ったら、「いっその事、結婚制度なんて廃止しちゃえばいいと思う!」・・・と考えている人が意外に多いらしいことが書かれていた(※10参照)。
さもあらん、急速な若者の性意識の変化は当然これからの結婚観をも変えてゆくだろうし、そういう人たちが多数を占めてくると、それに反対する人が時代に合わない変な人になってしまうのだろう。私など、そのころには生きていないだろうが、それをありがたいことと思う。
さて、話は変わって「さーたーあんだぎー」と言えば、フジテレビ系のクイズバラエティ番組『クイズ!ヘキサゴンII』から生まれた同名の音楽ユニット(サーターアンダギー (ユニット) 参照)があったよね〜。
「クイズ!ヘキサゴンII」では、元お笑いタレントの島田紳助が音楽プロデューサーとなり、出演者同士でユニットを組み歌手デビューさせていた。
それらが2008(平成20)年には、NHK『第59回NHK紅白歌合戦』に出場するなどいわゆる「おバカブーム」を作り上げ、番組の全盛期を迎えた。平均視聴率も15%を上回るフジテレビを代表する高視聴率番組として躍進を見せていた(番組で結成されたユニットについては『ヘキサゴンファミリー』を参照)。
そんな人気番組から、沖縄県国頭郡恩納村出身の山田親太朗を中心とした森公平、松岡卓弥の男性3人組のユニットで、2010年2月10日、シングル「ヤンバルクイナが飛んだ」(作詞は島田紳助【カシアス島田名義】、作曲は、J-POPユニット「ワカバ」のメンバー松井亮太 )でデビューした。
タイトルの「ヤンバルクイナ」、歌詞(※12参照)の中の方言、三線の演奏など、山田の出身地である沖縄のテイストを取り入れた楽曲であり、タイトルを聞かされた当初、山田は「ふざけた歌なのかな?ヤンバルクイナは飛ばないよ」と言っていた(※11参照)ようだが、同曲はレコチョクのデイリー着うたフルランキングで2日連続1位を記録。デビュー曲の発売日2月10日から、2月14日の都内での発売記念ミニライブまでに全国8会場でイベントを開催し、累計2万人を集め、山田を感激させたという。
また、この2月14日はバレンタインデーであることから、応援に駆け付けた里田まいはデビューしたばかりの3人に 森と松岡にはチョコレートを、沖縄出身の山田には、沖縄のお菓子ムーチーが渡されたという(※13参照)。
ムーチーは、沖縄県で一般に食される菓子の一種であり、餅粉をこね、白糖や黒糖で味付けを行い、月桃の葉で巻き、蒸して作る。旧暦の12月8日(グレゴリオ暦では概ね1月)には健康・長寿の祈願のため縁起物として食されるものだという。
島田紳助が、暴力団関係者との交際が発覚して、2011年に芸能界を引退をしたことに伴う『ヘキサゴンII』終了後も活動を継続していた唯一の同番組発ユニットであったが、2013年2月24日に解散した。
これは、昨2012(平成24)年2月のコンサートの中で「ライブ総動員数1万人」「イベント総動員数3万人」「配信ダウンロード総数5万ダウンロード」「CD総出荷枚数10万枚」と4つの目標を掲げ、「今年中にこれらを1つでも実現出来なかった場合は解散する」と宣言したが、結果は4つの目標のうち「CD総出荷枚数10万枚」が達成できず、解散が決定したのだそうである(※14参照)。
もともと歌手としての実力があったわけでもなく、島田の企画力によって、売れたものの、島田が引退した後の解散はやむを得ないものと考えるが、レビュー曲のタイトルを聞かされた山田が、「ふざけた歌なのかな?ヤンバルクイナは飛ばないよ」と言っていたものが、その予感通りに、島田引退後、サーターアンダギー (ユニット)も飛んで行けなかったということかな・・・。
私の癖で、今日も、随分と、あちこちへ飛んで行ったが、今日は私もこれからホワイトデーのお返しを配って回らないといけないのでこれで終ることにしよう。でも、お返しは、「さーたーあんだぎー」ではなく、ごくごく平凡なお菓子だよ・・・・。
(冒頭の画像は沖縄の揚げ菓子サーターアンダーギー。Wikipediaより。)
参考:
※1:日本記念日協会
http://www.kinenbi.gr.jp/index2.html
※2:シューベルトまつだのブログ
http://schubert.ti-da.net/
※3:首里・那覇方言音声データーベース
http://ryukyu-lang.lib.u-ryukyu.ac.jp/srnh/index.html
※4:沖縄大百科
http://word.uruma.jp/
※5:沖縄名物 サーターアンダギーは祝菓子
http://plaza.rakuten.co.jp/makiplanning/diary/20100221/
※6:十人十色の結納を一からサポート! - 与那原通
http://yonabaru-too.com/sponsor/6958.html
※7:あなたは、彼氏ではない男性とも、セックスしますか? [恋愛] All About
http://allabout.co.jp/gm/gc/386548/
※8:気違い部落 - goo 映画
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD19963/index.html
※9:映画評「気違い部落」
http://www.ne.jp/asahi/gensou/kan/eigahyou52/kichigaiburaku.html
※10:【独女通信】ある30代独女の本音 ”結婚制度を廃止してしまえ!”
http://news.livedoor.com/article/detail/3194405/
※11:“ヘキサゴン発! 山田親太朗率いる新たなイケメン三銃士に直撃&密着”. ORICONSTYLE. (2010年2月17日)
http://www.oricon.co.jp/music/interview/100203_01.html
※12:サーターアンダギー ヤンバルクイナが飛んだ 歌詞
http://j-lyric.net/artist/a053357/l01e8d3.html
※13:“サーターアンダギーがデビューイベント! 山田親太朗らがボロ泣き”. webザテレビジョン. (2010年2月16日)
http://news.thetv.jp/article/12739/
※14:“サーターアンダギー公約守り“解散””. 朝日新聞デジタル. (2012年12月16日)
http://www.asahi.com/showbiz/nikkan/NIK201212160002.html
サーターアンダギーの歌詞一覧リスト
http://www.uta-net.com/artist/9425/
サーターアンダーギー - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%AE%E3%83%BC