日本記念日協会の今日・10月8日の記念日に「コンビニATMの日」がある。
由緒を見ると、コンビニATMのパイオニアである株式会社イーネット(同社HP*1参照)が制定。日付は1999年10月8日コンビニエンスストアに銀行で初めて銀行の共同ATMが設置されたことから。身近で便利な銀行窓口のコンビニATMのさらなるPRが目的。・・・とあった。
はじめに、
長いことブログを書いていると、ネタ切れになり、良くあるチョンボだがこのブログも書きあげてから1999(平成11)年の今日、同じタイトルで書いていたのに気が付いた。取り消そうと思ったが、前には、主として、コンビニエンスそのものに焦点を合わせて書いていたが、今回は、ATMに焦点を合わせて書いたので、重複は多いが、そのままコンビニATMの日(新)としてアップしたものであることを お断り申しあげておきます。そのつもりで読んでください。
以前のものは以下を参照してください。
コンビニATMの日(旧)→ ここ参照。
コンビニATMとは、コンビニエンスストアなどに設置されている現金自動預け払い機(ATM=automatic teller machine「オートマチック・テラー・マシン」の略)のことである。“テラー”という単語は(銀行の)金銭出納係,窓口(係).のことをいい、つまり、その窓口業務の代わりをする機械がATMというわけである。
日本のATMでは、ATMの機器利用者の本人認証のために、磁気情報が記録された専用のキャッシュカード(Cash card)または通帳と、通常4桁の暗証番号を用いる。
ATMでは利用者が自分自身で、専用のカードを差し込んだ後、暗証番号を入力し、設置されている専用端末(パネル)を操作して各種サービスを受けるという仕組みになっている。その形態や機能は、提供する金融機関の種類によって異なるが、一般に銀行・信用金庫・信用組合・労働金庫・農協などの場合、端末に紙幣(及び硬貨)、通帳、カードなどの受入口や支払口を備えており、簡単な操作で現金の入出金や残高照会、振り替えや振り込み、通帳記帳、ローンの返済、暗証番号の変更などができるようになっているが、その前身は、現金の払い出しの機能しかなかったCD(「Cash Dispenser。キャッシュ・ディスペンサーの略)で、「現金自動支払い機」と訳されるものであった。
銀行のオンラインシステムとは、銀行に構築されているネットワーク、オンラインシステムのことであるが、預金や貸出など、銀行の勘定系の事務は、かつて人手で労働集約的に行われていた。預金の口座元帳への記帳などこれら大量の事務作業を、情報処理技術・コンピュータシステムによって自動化・機械化していったのが始まりである。
一般に企業の情報システムは、本来の業務を支援するものと言える。一方銀行のシステムは、システムの機能自体が銀行の商品やサービスを具現化している。また、銀行のシステムが扱うデータは顧客の金融資産のデータであり、そのデータにCDやATMで顧客が直接アクセスする点が特徴である。従って、一般の企業の情報システムに比較して、信頼性や可用性、操作性などの面で一段上のレベルが求められてきた。
日本の銀行システムは、アメリカと比較して、リアルタイム指向のシステムとしての発展が早かったが、それには、以下のような理由があるようだ。
1、かって、アメリカでは小切手が主流であり、リアルタイム性はあまり求められなかった。一方、日本では現金が主流であり、リアルタイム性が必須であった。
2、.アメリカの銀行は州境(州と州の境)を越えた営業が禁止されていて、市場によって銀行が分かれていたため、銀行の規模があまり大きくなかった。
3、日本の銀行は競争が制限された規制下でのビジネス展開であったため、金利などで差別化が図れないことから、効率性や信頼性が重要視された。
高度経済成長下において、ピープルズバンク(大衆の銀行。〔リテールバンキング〕を基本理念とした経営基本戦略を積極的に推進していた三和銀行(現:三菱東京UFJ銀行)が、1959(昭和34)年、真空管を使用したIBM 650を導入したのが、日本初の銀行へのコンピュータ導入である。
そして、コンビニエンスストア内のATMは、1998(平成10)年11月に、三和銀行がローソン内に設置されていたダイエーOMC(現:セディナ)が運営するクレジットカードのCDにおいて、三和銀行のキャッシュカード( Cash card)で残高照会や現金引出しが可能なサービスを開始したことから始まった。
翌1999(平成11)年3月にはさくら銀行(現:三井住友銀行)が単独でam/pmにさくら銀行の「コンビニブランチ」(無人出張所)として初めてアットバンクATM(@BΛNK)を設置したが、同年10月8日には,複数の金融機関が提携して全国初の共同のコンビニATM・イーネットを東京・神奈川・静岡の各都県に設置した。これを根拠に日本記念日協会認定の「コンビニATMの日」は制定されている。
ATMの設置主体は基本的には各金融機関により、営業店に併設される。現在では相互接続により、提携金融機関の取引もできるようになっている。一つの管理行のもと、数個の金融機関が共同で運営し、各預金者が無料で利用できる共同出張所の形態もある。なお、提携金融機関の取引には原則、手数料が徴収される。
過去には、銀行界が運営会社(日本キャッシュサービス/NCS)を作り、共同ATMを駅などに設置していたが、金融機関の業態間におけるオンラインの相互接続が進んだことにより、事業を終了し解散(1996年)した経緯がある。
コンビニATMの個々のATMの管理は、コンビニATM運営会社と提携する都市銀行や地方銀行が地域ごとに行っている。
イーネットは、コンビニエンスストアにおけるATMの保守管理、ATMに関する事務受託業務等を主たる業務として設立された会社であり、コンビニだけでなく、従来の店舗外共同ATMについてもアウトソースを請け負っており、全国の都市銀行・信託銀行・地方銀行・第二地方銀行やコンビニエンスストア、リース会社などの共同出資により設立されている。
銀行をはじめとするATM管理を主たる業務とするが、あくまでも金融機関のアウトソースを請け負うのみであり、セブン銀行やイオン銀行のようにイーネット自身が預金や融資などの金融業務を行うわけではないため、業種としては金融業ではなくサービス業に位置づけられる。これは、同業他社のローソン・エイティエム・ネットワークスやゼロネットワークスと同様である。
コンビニATMを利用するメリットとして、コンビニATMは24時間稼働しているためいつでも利用できることや、コンビニに併設しているため買い物したついでに利用できることなどがあげられる。現在では、コンビニだけではなく、スーパーマーケットや鉄道の駅、空港、それにパチンコ屋などにも設置されている。
一般に、金融機関の店舗にあるATMの営業時間と比べて、コンビニATMは24時間稼働など大幅に営業時間が長く、取引金融機関の定める時間帯で利用することができる。時間外や提携金融機関の取引においては有料となる場合があるが、金融機関によっては無料で利用できる設定をしているほか、手数料無料の特典がついた普通預金も発売されている(「みずほマイレージクラブ」など)。
時間の利便性と場所の利便性に、銀行店舗の統廃合が進んだ影響に加えて無料入出金提携先が増加したことなどにより、金融機関の新しい拠点として利用は増加している。利用者の傾向としては、若い世代や単身者世帯の利用率が高い(*2参照)。
社団法人日本フランチャイズチェーン協会(*3)の、2015(平成27)年7月度の統計調査月報によると、全国のコンビニエンスストアの店舗総数は、52,872店(昨年同月50,863店)で昨年より、2009店(3.9%)増えている。その利用者数つまり、来店客数は、2015年7月1,534,572千人(昨年同月1,473,099千人)で、昨年より61473千人(4.2%)増となっている。
参考*2は日本郵政公社郵政総合研究所が行った「金融機関利用に関する意識調査」であるが、その中で、「インターネットバンキングの利用率」も調査をしている。
今はインターネットの時代であるが、同調査によると、インターネットの利用率は、全体で35%、2人以上世帯では36.4%、単身世帯では29.7%となっている。
それでは、インターネットは利用するがインターネットバンキングの利用はどんなものだろう。
調査によると、「インターネット利用世帯におけるインターネットバンキングの利用率」は、全体で17.0%、2人以上世帯では15.7%、単身世帯では23.0%とまだまだ低いが、世帯主の年齢別にみると、2人以上/単身に関わらず、30代の利用率が突出して高い結果となっている(2人以上20.7%、単身32.1%)。
「インターネットは利用するがインターネットバンキングを利用したことがない」世帯では、「セキュリティ(防犯対策)上不安がある」(40.5%)、「ネット上のやりとりだけで決済されるのは不安である」(43.9%)等マイナスの評価の割合が高かったから とするものが多かったようである。
インターネットバンキングで今後利用したいサービスについては、利用経験による差が大きいようだ。
「インターネットバンキングを利用したことがある」世帯では、「振込・振替・送金」(69.0%)が7割近くを占め、「残高・明細等の照会」(66.3%)が続いており、「利用したいサービスはない」(7.5%)は少ない。「インターネットは利用するがインターネットバンキングを利用したことがない」世帯では、「残高・明細等の照会」(37.3%)が最も多く、一方、「利用したいサービスはない」(49.0%)も約半数を占めているという。
しかし、これからは、セキュリティーの面も強化されるだろうし、インターネットに慣れた若い世代が成長してくると次第にネットバンキング利用者も増えてゆくだろう。
今では、多くのコンビニで、公共料金・税金の払込、郵便関連(ポスト・切手・葉書・収入印紙)、宅配便・ゆうパック受付、チケット予約・販売、プリペイドサービス、写真プリント、コピー・FAX・データ出力、銀行ATM、通販商品受取、ギフト、•おせち料理の注文、年賀状印刷•市区町村の証明書などの発行など多くのサービスを行っている。これらは、だいたいどこのコンビニでも持っている機能のようだが、このほかにも個々のコンビニでは独特の機能を持っているところもあるようだ(*4参照)。
それに、最近のコンビニは今の少子高齢化社会に対応して、都市部に高齢者が増えていることから、それら高齢者向け惣菜等食品の販売に力を入れており、それまでの若者だけでなく高齢者の購買客も増加してきている。そのようなコンビニが普及し、生活は非常に便利になったが、そんなコンビニやスーパーの多くにATMが設置されているのが普通になってきた現在、わざわざ銀行に出向かなくても、ネット銀行口座を設けて、コンビニやスーパーのATMで現金の引き出し・預け入れだけではなく「振込・振替・送金」などもできると非常に便利である。
主なコンビニATMとしては以下のように分類される。
○「金融機関の免許を持たない、コンビニATM運営専業会社のATM」としては、イーネット(ファミリーマート、一部のサークルKサンクス、一部のデイリーヤマザキ、ポプラ、スリーエフ、ココストアグループ、セーブオン、一部のドン・キホーテなど。)や、ローソンATM(ローソン・エイティエム・ネットワークス-日本国内のローソン店舗〔一部の店舗を除く〕)、BankTime(ゼロネットワークス-サークルKサンクス。32都道府県で展開)、ゼロバンク(ゼロネットワークス。岐阜県・愛知県内のサークルKサンクス、ピアゴで展開。)など。
○商業施設との連携を主体にする銀行(新たな形態の銀行)が展開するコンビニATMには、セブン銀行 (セブン&アイ・ホールディングスグループ内〔セブン-イレブン、イトーヨーカドーなど〕、野村證券、大和証券、新生銀行、新銀行東京などと連携)と、イオン銀行 -(イオングループ内〔ミニストップ、イオン、マックスバリュ、ザ・ビッグ、イオンのないイオンモールなど)がある。
○その他既存金融機関の展開するコンビニATMには、アットバンク(三井住友銀行・西日本シティ銀行 - 旧am/pmから転換されたファミリーマート、SMBC日興証券など)や、タウンネットワークサービス(スルガ銀行と提携 - ヤオコーやクリエイトSDなど。)がある。
「どのコンビニATMが最も普及しているか?」についてまとめものがあった(*5参照)。どのようなところが、何時、どのような調べ方をしたものか明示されていないので、どこまで信用できるかわからないが、設置台数は以下のように書かれている。
1位:セブン銀行ATM - 21,433台
おもにコンビニの「セブンイレブン」に設置されているセブン銀行ATMは、イオン銀行を除くすべてのネット銀行が利用できる特徴がある。
セブンATMの最新情報はこちら
2位:E-net(イーネット) - 13,275台
セブン銀行ATMがセブン銀行単体で運営されているのに対し、E-net(イーネット)は、さまざまな会社からの支援を受けているので、コンビニだけでなく、スーパーマーケットやホームセンターにも多く設置されているのが特徴。E-net(イーネット)は、「セブン銀行」を除くすべてのネット銀行のキャッシュカードが使える。
E-net ATMの最新情報はこちら
3位:ローソンATM - 10,916台
ローソンATMは、「イオン銀行」、「セブン銀行」を除くすべてのネット銀行のキャッシュカードに対応している。
ローソンATM の最新情報はこちら
4位:イオン銀行ATM - 5,594台
イオングループには昨2014年に、連結子会社のダイエーを完全子会社化したので、これも含まれる。そのほか、イオングループにはイオンと名のつかない会社が多くあるので、外部では、その実態はよくつかめないのではないか?表面上から見ているより相当に規模は大きいはず。イオンのショッピングセンターは地域一番店を目指した大規模店が多い。イオン銀行には、「利用できるATMが少ない」というデメリットがあると書かれているが、イオン銀行加入者数はすごく多いだろう。「利用できるATMが少ない」ことについても、最近ではみずほ銀行ATMやE-netと提携したり、ATM設置数の拡大を図っているようなので、今後急速に設置台数は拡大していくだろう。
イオン銀行の最新情報は こちら
5位:ゼロバンク・バンクタイム - 設置数不明とのこと。
上掲はイオン銀行のATM
商業施設との連携を主体にするセブン銀行やイオン銀行はグループ企業での買い物割引やクレジット利用についてポイント還元などの利点もあり人気である。イオンなど株主優待制度(*6)が優れており、消費者にとってメリットは大きい。またこれらの銀行への預金の利率も都市銀行などより高いので、これらの銀行へ預金をして、買い物代金などはクレジットで支払うなどして、ポイントを貯めてゆくと良いのじゃないかな~。
(b能等の画像はイーネットのATM)
参考:
*1:株式会社イーネット
http://www.enetcom.co.jp/
*2:「第8回 金融機関利用に関する意識調査(平成15年度)」 結果概要(日本郵政公社)
http://www.yu-cho-f.jp/research/old/research/kinyu/kikan-press/houdousiryou.pdf
*3:社団法人日本フランチャイズチェーン協会
http://www.jfa-fc.or.jp/
*4:コンビニ(CVS)徹底比較
http://convini.xyz/
*5:最新版!コンビニATMの設置台数ランキング | ネット銀行100の活用術
http://ginkou.jp/katsuyou/convenience-atm-ranking.html
*6:野村證券 | 株主優待
https://www.nomura.co.jp/retail/stock/yutai/
【コンビニ利用法】もっと便利に! サービス比較 - NAVER まとめ
http://matome.naver.jp/odai/2133004271189865501
銀行ATMの歴史 - マイナビニュース
http://news.mynavi.jp/articles/2012/09/26/bankatm/
コンビニATM - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%93%E3%83%8BATM
由緒を見ると、コンビニATMのパイオニアである株式会社イーネット(同社HP*1参照)が制定。日付は1999年10月8日コンビニエンスストアに銀行で初めて銀行の共同ATMが設置されたことから。身近で便利な銀行窓口のコンビニATMのさらなるPRが目的。・・・とあった。
はじめに、
長いことブログを書いていると、ネタ切れになり、良くあるチョンボだがこのブログも書きあげてから1999(平成11)年の今日、同じタイトルで書いていたのに気が付いた。取り消そうと思ったが、前には、主として、コンビニエンスそのものに焦点を合わせて書いていたが、今回は、ATMに焦点を合わせて書いたので、重複は多いが、そのままコンビニATMの日(新)としてアップしたものであることを お断り申しあげておきます。そのつもりで読んでください。
以前のものは以下を参照してください。
コンビニATMの日(旧)→ ここ参照。
コンビニATMとは、コンビニエンスストアなどに設置されている現金自動預け払い機(ATM=automatic teller machine「オートマチック・テラー・マシン」の略)のことである。“テラー”という単語は(銀行の)金銭出納係,窓口(係).のことをいい、つまり、その窓口業務の代わりをする機械がATMというわけである。
日本のATMでは、ATMの機器利用者の本人認証のために、磁気情報が記録された専用のキャッシュカード(Cash card)または通帳と、通常4桁の暗証番号を用いる。
ATMでは利用者が自分自身で、専用のカードを差し込んだ後、暗証番号を入力し、設置されている専用端末(パネル)を操作して各種サービスを受けるという仕組みになっている。その形態や機能は、提供する金融機関の種類によって異なるが、一般に銀行・信用金庫・信用組合・労働金庫・農協などの場合、端末に紙幣(及び硬貨)、通帳、カードなどの受入口や支払口を備えており、簡単な操作で現金の入出金や残高照会、振り替えや振り込み、通帳記帳、ローンの返済、暗証番号の変更などができるようになっているが、その前身は、現金の払い出しの機能しかなかったCD(「Cash Dispenser。キャッシュ・ディスペンサーの略)で、「現金自動支払い機」と訳されるものであった。
銀行のオンラインシステムとは、銀行に構築されているネットワーク、オンラインシステムのことであるが、預金や貸出など、銀行の勘定系の事務は、かつて人手で労働集約的に行われていた。預金の口座元帳への記帳などこれら大量の事務作業を、情報処理技術・コンピュータシステムによって自動化・機械化していったのが始まりである。
一般に企業の情報システムは、本来の業務を支援するものと言える。一方銀行のシステムは、システムの機能自体が銀行の商品やサービスを具現化している。また、銀行のシステムが扱うデータは顧客の金融資産のデータであり、そのデータにCDやATMで顧客が直接アクセスする点が特徴である。従って、一般の企業の情報システムに比較して、信頼性や可用性、操作性などの面で一段上のレベルが求められてきた。
日本の銀行システムは、アメリカと比較して、リアルタイム指向のシステムとしての発展が早かったが、それには、以下のような理由があるようだ。
1、かって、アメリカでは小切手が主流であり、リアルタイム性はあまり求められなかった。一方、日本では現金が主流であり、リアルタイム性が必須であった。
2、.アメリカの銀行は州境(州と州の境)を越えた営業が禁止されていて、市場によって銀行が分かれていたため、銀行の規模があまり大きくなかった。
3、日本の銀行は競争が制限された規制下でのビジネス展開であったため、金利などで差別化が図れないことから、効率性や信頼性が重要視された。
高度経済成長下において、ピープルズバンク(大衆の銀行。〔リテールバンキング〕を基本理念とした経営基本戦略を積極的に推進していた三和銀行(現:三菱東京UFJ銀行)が、1959(昭和34)年、真空管を使用したIBM 650を導入したのが、日本初の銀行へのコンピュータ導入である。
そして、コンビニエンスストア内のATMは、1998(平成10)年11月に、三和銀行がローソン内に設置されていたダイエーOMC(現:セディナ)が運営するクレジットカードのCDにおいて、三和銀行のキャッシュカード( Cash card)で残高照会や現金引出しが可能なサービスを開始したことから始まった。
翌1999(平成11)年3月にはさくら銀行(現:三井住友銀行)が単独でam/pmにさくら銀行の「コンビニブランチ」(無人出張所)として初めてアットバンクATM(@BΛNK)を設置したが、同年10月8日には,複数の金融機関が提携して全国初の共同のコンビニATM・イーネットを東京・神奈川・静岡の各都県に設置した。これを根拠に日本記念日協会認定の「コンビニATMの日」は制定されている。
ATMの設置主体は基本的には各金融機関により、営業店に併設される。現在では相互接続により、提携金融機関の取引もできるようになっている。一つの管理行のもと、数個の金融機関が共同で運営し、各預金者が無料で利用できる共同出張所の形態もある。なお、提携金融機関の取引には原則、手数料が徴収される。
過去には、銀行界が運営会社(日本キャッシュサービス/NCS)を作り、共同ATMを駅などに設置していたが、金融機関の業態間におけるオンラインの相互接続が進んだことにより、事業を終了し解散(1996年)した経緯がある。
コンビニATMの個々のATMの管理は、コンビニATM運営会社と提携する都市銀行や地方銀行が地域ごとに行っている。
イーネットは、コンビニエンスストアにおけるATMの保守管理、ATMに関する事務受託業務等を主たる業務として設立された会社であり、コンビニだけでなく、従来の店舗外共同ATMについてもアウトソースを請け負っており、全国の都市銀行・信託銀行・地方銀行・第二地方銀行やコンビニエンスストア、リース会社などの共同出資により設立されている。
銀行をはじめとするATM管理を主たる業務とするが、あくまでも金融機関のアウトソースを請け負うのみであり、セブン銀行やイオン銀行のようにイーネット自身が預金や融資などの金融業務を行うわけではないため、業種としては金融業ではなくサービス業に位置づけられる。これは、同業他社のローソン・エイティエム・ネットワークスやゼロネットワークスと同様である。
コンビニATMを利用するメリットとして、コンビニATMは24時間稼働しているためいつでも利用できることや、コンビニに併設しているため買い物したついでに利用できることなどがあげられる。現在では、コンビニだけではなく、スーパーマーケットや鉄道の駅、空港、それにパチンコ屋などにも設置されている。
一般に、金融機関の店舗にあるATMの営業時間と比べて、コンビニATMは24時間稼働など大幅に営業時間が長く、取引金融機関の定める時間帯で利用することができる。時間外や提携金融機関の取引においては有料となる場合があるが、金融機関によっては無料で利用できる設定をしているほか、手数料無料の特典がついた普通預金も発売されている(「みずほマイレージクラブ」など)。
時間の利便性と場所の利便性に、銀行店舗の統廃合が進んだ影響に加えて無料入出金提携先が増加したことなどにより、金融機関の新しい拠点として利用は増加している。利用者の傾向としては、若い世代や単身者世帯の利用率が高い(*2参照)。
社団法人日本フランチャイズチェーン協会(*3)の、2015(平成27)年7月度の統計調査月報によると、全国のコンビニエンスストアの店舗総数は、52,872店(昨年同月50,863店)で昨年より、2009店(3.9%)増えている。その利用者数つまり、来店客数は、2015年7月1,534,572千人(昨年同月1,473,099千人)で、昨年より61473千人(4.2%)増となっている。
参考*2は日本郵政公社郵政総合研究所が行った「金融機関利用に関する意識調査」であるが、その中で、「インターネットバンキングの利用率」も調査をしている。
今はインターネットの時代であるが、同調査によると、インターネットの利用率は、全体で35%、2人以上世帯では36.4%、単身世帯では29.7%となっている。
それでは、インターネットは利用するがインターネットバンキングの利用はどんなものだろう。
調査によると、「インターネット利用世帯におけるインターネットバンキングの利用率」は、全体で17.0%、2人以上世帯では15.7%、単身世帯では23.0%とまだまだ低いが、世帯主の年齢別にみると、2人以上/単身に関わらず、30代の利用率が突出して高い結果となっている(2人以上20.7%、単身32.1%)。
「インターネットは利用するがインターネットバンキングを利用したことがない」世帯では、「セキュリティ(防犯対策)上不安がある」(40.5%)、「ネット上のやりとりだけで決済されるのは不安である」(43.9%)等マイナスの評価の割合が高かったから とするものが多かったようである。
インターネットバンキングで今後利用したいサービスについては、利用経験による差が大きいようだ。
「インターネットバンキングを利用したことがある」世帯では、「振込・振替・送金」(69.0%)が7割近くを占め、「残高・明細等の照会」(66.3%)が続いており、「利用したいサービスはない」(7.5%)は少ない。「インターネットは利用するがインターネットバンキングを利用したことがない」世帯では、「残高・明細等の照会」(37.3%)が最も多く、一方、「利用したいサービスはない」(49.0%)も約半数を占めているという。
しかし、これからは、セキュリティーの面も強化されるだろうし、インターネットに慣れた若い世代が成長してくると次第にネットバンキング利用者も増えてゆくだろう。
今では、多くのコンビニで、公共料金・税金の払込、郵便関連(ポスト・切手・葉書・収入印紙)、宅配便・ゆうパック受付、チケット予約・販売、プリペイドサービス、写真プリント、コピー・FAX・データ出力、銀行ATM、通販商品受取、ギフト、•おせち料理の注文、年賀状印刷•市区町村の証明書などの発行など多くのサービスを行っている。これらは、だいたいどこのコンビニでも持っている機能のようだが、このほかにも個々のコンビニでは独特の機能を持っているところもあるようだ(*4参照)。
それに、最近のコンビニは今の少子高齢化社会に対応して、都市部に高齢者が増えていることから、それら高齢者向け惣菜等食品の販売に力を入れており、それまでの若者だけでなく高齢者の購買客も増加してきている。そのようなコンビニが普及し、生活は非常に便利になったが、そんなコンビニやスーパーの多くにATMが設置されているのが普通になってきた現在、わざわざ銀行に出向かなくても、ネット銀行口座を設けて、コンビニやスーパーのATMで現金の引き出し・預け入れだけではなく「振込・振替・送金」などもできると非常に便利である。
主なコンビニATMとしては以下のように分類される。
○「金融機関の免許を持たない、コンビニATM運営専業会社のATM」としては、イーネット(ファミリーマート、一部のサークルKサンクス、一部のデイリーヤマザキ、ポプラ、スリーエフ、ココストアグループ、セーブオン、一部のドン・キホーテなど。)や、ローソンATM(ローソン・エイティエム・ネットワークス-日本国内のローソン店舗〔一部の店舗を除く〕)、BankTime(ゼロネットワークス-サークルKサンクス。32都道府県で展開)、ゼロバンク(ゼロネットワークス。岐阜県・愛知県内のサークルKサンクス、ピアゴで展開。)など。
○商業施設との連携を主体にする銀行(新たな形態の銀行)が展開するコンビニATMには、セブン銀行 (セブン&アイ・ホールディングスグループ内〔セブン-イレブン、イトーヨーカドーなど〕、野村證券、大和証券、新生銀行、新銀行東京などと連携)と、イオン銀行 -(イオングループ内〔ミニストップ、イオン、マックスバリュ、ザ・ビッグ、イオンのないイオンモールなど)がある。
○その他既存金融機関の展開するコンビニATMには、アットバンク(三井住友銀行・西日本シティ銀行 - 旧am/pmから転換されたファミリーマート、SMBC日興証券など)や、タウンネットワークサービス(スルガ銀行と提携 - ヤオコーやクリエイトSDなど。)がある。
「どのコンビニATMが最も普及しているか?」についてまとめものがあった(*5参照)。どのようなところが、何時、どのような調べ方をしたものか明示されていないので、どこまで信用できるかわからないが、設置台数は以下のように書かれている。
1位:セブン銀行ATM - 21,433台
おもにコンビニの「セブンイレブン」に設置されているセブン銀行ATMは、イオン銀行を除くすべてのネット銀行が利用できる特徴がある。
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2位:E-net(イーネット) - 13,275台
セブン銀行ATMがセブン銀行単体で運営されているのに対し、E-net(イーネット)は、さまざまな会社からの支援を受けているので、コンビニだけでなく、スーパーマーケットやホームセンターにも多く設置されているのが特徴。E-net(イーネット)は、「セブン銀行」を除くすべてのネット銀行のキャッシュカードが使える。
E-net ATMの最新情報はこちら
3位:ローソンATM - 10,916台
ローソンATMは、「イオン銀行」、「セブン銀行」を除くすべてのネット銀行のキャッシュカードに対応している。
ローソンATM の最新情報はこちら
4位:イオン銀行ATM - 5,594台
イオングループには昨2014年に、連結子会社のダイエーを完全子会社化したので、これも含まれる。そのほか、イオングループにはイオンと名のつかない会社が多くあるので、外部では、その実態はよくつかめないのではないか?表面上から見ているより相当に規模は大きいはず。イオンのショッピングセンターは地域一番店を目指した大規模店が多い。イオン銀行には、「利用できるATMが少ない」というデメリットがあると書かれているが、イオン銀行加入者数はすごく多いだろう。「利用できるATMが少ない」ことについても、最近ではみずほ銀行ATMやE-netと提携したり、ATM設置数の拡大を図っているようなので、今後急速に設置台数は拡大していくだろう。
イオン銀行の最新情報は こちら
5位:ゼロバンク・バンクタイム - 設置数不明とのこと。
上掲はイオン銀行のATM
商業施設との連携を主体にするセブン銀行やイオン銀行はグループ企業での買い物割引やクレジット利用についてポイント還元などの利点もあり人気である。イオンなど株主優待制度(*6)が優れており、消費者にとってメリットは大きい。またこれらの銀行への預金の利率も都市銀行などより高いので、これらの銀行へ預金をして、買い物代金などはクレジットで支払うなどして、ポイントを貯めてゆくと良いのじゃないかな~。
(b能等の画像はイーネットのATM)
参考:
*1:株式会社イーネット
http://www.enetcom.co.jp/
*2:「第8回 金融機関利用に関する意識調査(平成15年度)」 結果概要(日本郵政公社)
http://www.yu-cho-f.jp/research/old/research/kinyu/kikan-press/houdousiryou.pdf
*3:社団法人日本フランチャイズチェーン協会
http://www.jfa-fc.or.jp/
*4:コンビニ(CVS)徹底比較
http://convini.xyz/
*5:最新版!コンビニATMの設置台数ランキング | ネット銀行100の活用術
http://ginkou.jp/katsuyou/convenience-atm-ranking.html
*6:野村證券 | 株主優待
https://www.nomura.co.jp/retail/stock/yutai/
【コンビニ利用法】もっと便利に! サービス比較 - NAVER まとめ
http://matome.naver.jp/odai/2133004271189865501
銀行ATMの歴史 - マイナビニュース
http://news.mynavi.jp/articles/2012/09/26/bankatm/
コンビニATM - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%93%E3%83%8BATM