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いい肉の日

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日本記念日協会の今日・11月29日の記念日として、肉の日が登録されている。
全国有数の肉用牛の産地である宮崎県の「より良き宮崎牛づくり対策協議会」(※1)が味と品質の良さで知られる宮崎牛をアピールするために制定したもの。日付は11と29で「いい肉」と読む語呂合わせから。
今日は、「いい肉の日」であるが、 2月9日や毎月29日も、「に(2)く(9)」の語呂合せで、「肉の日」として、焼肉店などでセールが行なわれているようだ。
私は、前にこのブログで毎月29日「肉の日」として、書いた(http※2参照)ので、どうしようかと思ったのだが、今日は、ただの「肉の日」ではなく、「いい肉の日」なので、前回のブログと少々重複することもあるが、私は肉が大好きなので、又、少し視点を変えて書いてみることにした。
」と言えば、皆さん、先ずどんな肉を思い浮かべますか?
肉の好みは、関西や東京、又、他の地域でも随分違うようだ。
関西では、単に肉と言えば「牛肉」だが、関東などでは、豚肉が好まれるようだが、肉の好みはそのまま消費者の購買に繋がるので、スーパーなどの肉売り場での棚割り(※3:「MD-ing講座」の(13)「棚割」参照)などを見れば直ぐ分かる。
関西では牛肉のスペースが広いが、東京などでは豚肉のスペースが広い。又、私など現役時代信州や福岡など馬肉を良く食べる地域へ行くと馬肉のスペースが、大分などのように鶏の好まれる地域では、鶏のスペースが広く取られている・・・といった具合だ。
 ちなみに、農林水産省所管の独立行政法人である農畜産業振興機構(※4)の調査・報告 畜産の情報 2012年11月号:牛肉の販売意向調査の結果(24年度下期)によると、同機構が今後の食肉の販売動向を把握するため、9月に量販店と食肉専門店を対象に販売意向のアンケート調査を実施した結果、“調査時点における食肉の取扱割合(重量ベース)については、量販店では概ね牛肉3割、豚肉4割、鶏肉3割といった構成になった。
この割合を前回調査(平成24年2月、3月)と比較すると牛肉は8ポイント増加している一方、豚肉と鶏肉がそれぞれ減少している。これは、平成23年7月に発生したセシウム問題(※5参照)の影響が緩和し、豚肉や鶏肉へ一時シフトした消費が戻ってきたものとみられる。一方、食肉専門店では、牛肉4割、豚肉4割、鶏肉2割という構成であり、銘柄牛などの品揃えが量販店より充実している分、牛肉の割合が高くなっていると思われる”・・・とある。
人の食用の肉では、この他、馬肉、羊肉、猪肉などもよく食べられているが、上位3位の牛・豚・鶏の重量ベースでの販売量としては、ほぼ同じような感じである。しかし、人によって、肉の中でも好き嫌いはあるだろうが、なんといっても、一番好んでたべられ肉と言えばやはり牛肉だろう。
牛肉は、良質なたんぱく質の供給源であり、脂質・たんぱく質・が豊富に含まれており、特徴としては鉄が豚肉よりも多く含まれている事。肉に含まれる蛋白質は私達の体を構成するのに不可欠な必須アミノ酸を含んだ良質な蛋白質で抵抗力をつけるのに効果的。ただし動物的脂肪にはコレステロール上昇作用があるので食べ過ぎないよう、適量を摂取するようにする必要があるそうだ(※6:「食育大辞典」肉類>牛肉より)。

「天地の間に生るゝ動物は肉食のものと肉を喰はざるものとあり。獅子、虎、犬、猫の如きは肉類を以て食物と爲し、牛、馬、羊の如きは五穀草木を喰ふ。皆其天然の性なり。人は萬物の靈にして五穀草木鳥魚獸肉盡く皆喰はざるものなし。此亦人の天性なれば、若し此性に戻り肉類のみを喰ひ或は五穀草木のみを喰ふときは必ず身心虚弱に陷り、不意の病に罹て斃るゝ歟、又は短命ならざるも生て甲斐なき病身にて、生涯の樂なかるべし。古來我日本國は農業をつとめ、人の常食五穀を用ひ肉類を喰ふこと稀にして、人身の榮養一方に偏り自から病弱の者多ければ、今より大に牧牛羊の法を開き、其肉を用ひ其乳汁を飮み滋養の缺を補ふべき筈なれども、數千百年の久しき、一國の風俗を成し、肉食を穢たるものゝ如く云ひなし、妄に之を嫌ふ者多し。畢竟人の天性を知らず人身の窮理を辨へざる無學文盲の空論なり。・・・・」(中簡略)「今我國民肉食を缺(かい)て不養生を爲し、其生力を落す者少なからず。即ち一國の損亡なり」・・・。

これは、福澤諭吉 の『肉食之説(にくじきのせつ)』(※7:青空文庫参照)からの抜粋である。
明治3年(1870年)に福澤諭吉が『学問のすすめ』ならぬ、食肉のすすめを説いたもの。
よく日本人は、草食人種だなどと言われるが、古来、人間の食生活は肉食から始まったといわれ、日本人も古来食べていたのだが、仏教の殺生戎の影響による肉食禁忌は、一種の迷信化して長く日本人の食生活を縛っていた。

富国強兵をめざす明治政府は、文化や国民生活の近代化を促進する必要から、率先して西洋の近代思想や生活様式を積極的に取り入れようとした。
この風潮は、明治初年の新しい世相ともなり、民間におけるジャーナリズムやその他を通して啓蒙運動を促進した。この傾向は、庶民の生活様式にも一部受け入れられ、東京などの大都市を中心に広まった。当時、この風潮は文明開化と呼ばれた。
明治4年(1871年)の散髪脱刀令学制発布、博覧会の開催、同5年の国立銀行の創設、太陽暦(グレゴリオ暦)の施行、6年の地租改正などを始めとして生活の洋風化となり、衣食住にも大きな影響を与え近代化への道を促進することとなった。
この文明開花への啓蒙思想を順調に庶民層に浸透させるために、もののもつ合理性が唱えられるようになったが、これは、福沢諭吉の学問論の基調に通じるものであり、従来権威とされた儒学和学は古来世間でいうほど貴ぶべきものではなく、むしろ「専ら勤むべきは人間普通日用に近き実学」(※7:「青空文庫」の『学問のすすめ』初編上段部分参照)こそ本当の学問で、これは、日常生活に必要な「物事の道理」を知るためのものである。つまり、この実用性と合理性こそ文明開化の原理であるとする考え方によるものであった。
仮名垣魯文(かながきろぶん)の戯作(げさく)『安愚楽鍋』(明治4年-5年出版)にも、

「文明開化の世の中、牛肉を食べると穢れると思う人は窮理学(きゅうり学)を辨(わきま)へねへからのことでげス、そんな夷(えびし)に、福澤の著(かい)た肉食の説でも、讀ませてへネモシ西洋にやア、そんなことはごウせん、彼土(あっち)はすべて、理でおして行く國がらだから、蒸気の船や車のしかけなんざア、おそれいったもんだネ。」(※8で安愚楽鍋が読める、“西洋好(ずき)の聴取(きゝとり)”の段参照)と、

書かれており、このような合理思想は「明治文化研究会」の編集により、明治時代の基本的文献を集成した叢書『明治文化全集』に収録の文献には共通したものだったという。
明治政府は文明開化政策を行い、諸外国の文化文明を積極的に導入することとし、政治、経済などあらゆる分野で文明開化が開花した。その影響は、生活様式にまで及び、その中で、庶民の最も身近な食生活にも養生と栄養の必要が唱えられ、新風が吹き込んできた。それが欧米食の移入であった(※9参照)。
そんな文明開化の欧米食と言えば、一番代表的なのが牛肉だった。

しかし、上古から階級を問わず、肉食を忌避してきために、『肉食の説』では、「肉は臭いというが、魚や干物だって臭いし、茄子大根の漬物だって匂いはするし不衛生」 だとか 「黒鯛の吸い物がうまいと言ったって、それは大船で人の糞を食べた魚であって、牛は五穀草木を食べて水を飲むのみ。」といった酷い話を例にあげ、肉を食べない人に対して、魚しか食べないことの短所を挙げたうえ、攻撃的とさえ言える書き方で、肉を食べることのメリットを紹介しているが、そこには、当時の人が「肉なんて臭くて汚くて食えたもんじゃねえ〜」とか、牛を殺すのは可哀想だとか、数々の迷信を信じてなかなか肉を食べようとしなかった背景があったからだろう。
文明開化を推し進めなければならなかった明治の日本人には、日常生活から外交まで、あらゆる面で敵が迫っていたため、 いろんなことと戦わなければならなかったことから、肉食一つにしても、ここまで激しく立ち向かわなければならなかったのかもしれない。

幕末ペリーが開国を要求して黒船が浦賀に到来して以降、横浜に居留するようになった外国人に対する牛肉調達の必要性が生じた。
近畿や中国地方のウシが、家畜商の仲介で神戸港に集められて横浜に運ばれ、慶応3(1867)年には幕府の御用達で芝白金(現:東京都港区白金) に屠(と)畜場が作られた(※10 )。
ビーフステーキを好む外国人にとって、白糠(シロヌカ)や豆腐粕(おから)で肥育され船で運ばれてきた「神戸ビーフ」の評判は格別だったようだが、江戸町民たちには鍋料理としてひろまった。
特に人気の高かった牛鍋は、ももんじ屋で人気のあったカモ鍋や牡丹鍋のように、ぶつ切りの牛肉とザク(雑具:付け合せの長ネギ、コンニャク、焼き豆腐など)を味噌で煮ていたものだったそうだ(※11 参照)。

上掲の図は「ももんじ屋」。広重の「名所江戸百景」から“びくにはし雪中“。山鯨(やまくじら)はイノシシの肉。
ももんじ屋とは、江戸時代の江戸近郊農村において、農民が鉄砲などで捕獲した農害獣の猪や鹿を利根川を利用して江戸へ運び、その他犬や猿、牛、馬など牛肉、馬肉等を肉食させたり、売っていた店(獣肉店)のことらしい。
表向きは肉食忌避があったから、これらを「薬喰い」と呼んだ。そして、猪肉を山鯨(やまくじら)、鹿肉を紅葉(もみじ)などと称した。
江戸では両国広小路、あるいは麹町にあった店が有名であったそうだ。これらもともとあった肉食文化が明治初期の横浜や、東京での牛鍋屋開店につながっていった。
そこへ、明治に入ると、文明開化の風潮に乗って、福澤福沢が『肉食の説』で「今わが国民肉食を欠いて不摂生を為し、其生活力落す者少なからず。即ち一国の損失なり」と肉食の必要性を説き、また、仮名垣魯文が『安愚楽鍋』の中で、東京での牛肉流行のありさまを描いて「士農工商老若男女、賢愚貪福おしなべて、牛鍋食はねば開化不進奴」といい、明治2年(1869年)に海軍が牛肉を栄養食として採用し、又、明治天皇が文明国の取るべき態度として、断髪のうえ洋装して、和食をフランス料理に変えている。
これが、明治5年正月発行の『新聞雑誌』第26号に天皇が肉食奨励の方針にそって、肉食の禁を破って率先して牛肉を食べ始めたとして記載される。
そして、同年4月に僧侶の肉食妻帯が許されることになり、国民も肉食に対する偏見を改めるようになり、牛肉を食べない者は文明人ではないというような時代を迎えることになるが、牛肉の普及に大きく貢献したのは、やはり、福沢諭吉や仮名垣魯文などの知識人による肉食啓蒙であったと言えるようだ。
以下は、仮名垣魯文の小説「牛店雑談安愚楽鍋」の挿絵である(※12参照)。

牛鍋屋 仮名垣魯文『牛店雑談安愚楽鍋』1871年(明治4)刊 横浜開港

明治時代に一世を風靡した牛鍋は、関東大震災をきっかけに、関西風に卵をつけて食べることが多くなったすき焼きと、大衆食堂で親しまれた安価な牛丼に分化していったようだ。
大平洋戦争により肉食の普及が一時後退。
そして、敗戦直後の食糧難時代には食肉は手に入れることが難しくなるが、1949(昭和24)年になってようやく小売店で自由に買うことができるようになったが、食肉の消費量が戦前の水準を越えたのは1956(昭和31)年になってからのことである。
この年、日本経済は復興から高度成長に移る。以後アメリカの食文化の積極的な導入により食肉の消費は拡大し、食肉の国産化、大規模飼育経営へと転換してゆく。
しかし、牛肉は高いので、普段は一般家庭ではなかなか食べられなかった。その肉が、今のように、安い価格で、毎日でも食べれるようになったのには、スーパーの影響が大きい。戦後、高くて食べたくても食べられない肉を、目玉に安く売り出したのが、スーパーのはしりであるダイエーであった。
ダイエーは、この肉の安売りを戦略にして、当時の庶民に人気を得、急成長したのである。そのダイエーも、創業者のワンマン経営から、財務状況が悪化し、今では、急成長したイオングループ(前身はジャスコ)の傘下にあるが、正に『平家物語』じゃないが“驕 れる人久しからず”といったところだが、流通業のリーダーとして果たしたその功績は大きい。

昭和後期(1965年以降)に入り、肉食の大衆化が進み1970年代初頭には、外国肉が輸入されるようになり、1991(平成3)年から牛肉の輸入自由化(※13参照)がなされ今日に至っている。
このような、食肉(牛肉、豚肉)は、畜産農家で肥育された肥育牛、肥育豚が、と畜場でと畜・解体された後、日本では、主に枝肉の形で、全国200余ヵ所の食肉卸売市場(食肉取引の指標となる枝肉の価格形成の場所)、食肉センター(食肉卸売市場以外の枝肉取引が行われる場所)等での取引を経て、枝肉から部分肉そして精肉(直接調理できるように整形した食肉)へと流通する。
これら、食肉(牛肉、豚肉)は流通の指標としての客観的な規格により格付を受け、その結果により価格が形成される。
この食肉の格付規格は、食肉規格格付事業を専門的に行う機関として、1975(昭和50)年に、当時の畜産振興事業団(現在、独立行政法人 農畜産業振興機構)、都道府県、生産者団体及び流通団体を会員として設立された社団法人日本食肉格付協会(※14)の格付規格(「畜産物の価格 安定等に関する法律」〔畜安法〕に基づく。※15参照)により行われている。
また、肉食の大衆化と共に、消費者ニーズにマッチするように部位別、用途別(※16参照)の販売が進む一方、食肉のおいしさ、質、安全性が重視されるようになると共に牛肉も産地化、ブランド化が進んでおり、有名なものとしては、我が地元の神戸ビーフ(神戸牛)のほか、松阪牛(三重県)、近江牛(滋賀県)、米沢牛(山形県)それに、今日のブログ「いい肉の日」を登録している宮崎県の宮崎牛などがあり、このほかにもかなり多くの銘柄がある。   
牛肉のブランドは、産地(地理的表示)、血統(品種)、枝肉の格付け(枝肉の状態で A-5 から C-1 までの15段階に格付け。※16参照)、飼育法などにより、ある一定の基準を満たしたものに付けられているのが一般的ではあるが、それらのすべてが必ずしも一定の基準によってなされているとは限らないようだ(ブランド牛肉参照)。
ところで、牛肉のブランドの個別の話しに入る前に、礼儀として、今日のブログ「いい肉の日」を登録している宮崎県の宮崎牛の話しをしておこう。
宮崎県は、日本有数の農業県であり、2009(平成21)年の都道府県別にみた農業産出額は全国5位(九州では鹿児島に次いで2位)。温暖な気候を利用し、稲作においては超早場米の生産地として有名であり、また、野菜・果実等の促成栽培、葉たばこ・サツマイモ等の商品性作物の生産が盛ん。また、牧畜業は乳牛・肉牛・豚・鶏の全てにおいて日本有数の生産高を誇り、同年の肉用牛産出額も全国1位の鹿児島県に次いで全国2位となっている(※17)。
以前はそれほど知名度が高くなかった農畜産物も、2007(平成19)年に、元ビートたけ率いる芸人集団・たけし軍団の一員でビートたけしの最初の弟子であった東国原英夫は、宮崎県知事選に立候補した時から元たけし軍団の吉川敏夫又、東国原の一番弟子で、ビートたけしの初孫弟子でもある早川伸吾を選挙活動のスタッフに就け、その顔を生かして、保守陣営の分裂という追い風も幸いして見事知事選に勝利。
県知事に就任してからも、吉川を政務秘書とし、早川もスタッフ(東国原の側近と称される)につけ、タレントとしての全国的な知名度を最大限に生かして、自ら「宮崎県のセールスマン」と称し、積極的にマスメディアに出演。まるで、タレントのままのようにバラエティー番組などへの出演も多く、それを見て眉をひそめる人も少なくはなかったと思うが、テレビなどマスコミでの宣伝効果は大きく、急速に宮崎県産品の知名度を向上させることには成功した。
しかし、2010(平成22)年日本における口蹄疫の流行は、宮崎県畜産家を直撃し、大きな被害を出した。このときの県の対応については、3月下旬に感染が疑われる牛が見つかったにもかかわらず、最初の感染事例として公表したのが4月20日であったことから、3月に対策をとっていれば感染拡大は防げたとも指摘もされている。
それはさておき、2008(平成20)年10月1日付で設立された財務省所管の政策金融機関である日本政策金融公庫が、差別化に結び付けて競争力を高めるためには、「ブランド」とは何か、その価値は何によってもたらされるのかを明確にする必要から、日経リサーチ(日本経済新聞グループの総合調査会社)に委託して農産物ブランドに関する調査を実施し、特に、ブランド数が多く、全国的に取り組みの見られる事例である豚肉・牛肉のブランドについて、バイヤー・消費者・生産者に対するアンケート調査(平成20年3月)を行った結果をまとめその概要を発表している(※18)。
その中から、牛肉のブランドについての結果を一部抜き出してみる。
■バイヤーが評価する牛肉ブランドは・・・
○1位「松阪牛」、2位「神戸ビーフ(神戸肉)」、3位「鹿児島黒牛」であり、続いて、4位、米沢牛(山形県)、5位佐賀牛(佐賀県)、6位、宮崎牛(宮崎県)7位、飛騨牛(岐阜県)、8位近江牛(滋賀県)、9位、いわて前沢牛(岩手県)、10位、仙台牛(宮城県)となっている。
この時の調査対象全176ブランドのうち、バイヤー199人(178社)のうち、ひとりでもバイヤーが評価していると回答したブランドは、112 銘柄あったが、そのうちの10 人以上から評価されたブランドは たったの16 銘柄だった。
1位「松阪牛」と2位「神戸ビーフ(神戸肉)」について、「松阪牛」はランキングを構成する16項目のうち12項目が1位評価、1項目が3位評価を得た。3位以内の評価を得られなかったのは「価格水準が妥当」「価格面での取り引き条件がよい」「取り引きの対応が柔軟」の3項目であった。
一方の「神戸ビーフ(神戸肉)」も16項目のうち12項目で3位以内の評価を得た。3位以内に入らなかった4項目のうち、「価格水準が妥当」「価格面での取り引き条件がよい」は「松阪牛」と同様であったが、「松阪牛」では1位の「品質がよい」、「今後(も)、取り扱いたい」という回答はそれそれ4位と7位だったそうだ。
○ 価格や取り引きに対する評価が高いブランド・・・では、
価格や取り引きに対する評価が高いのは3位「鹿児島黒牛」と6位「宮崎牛」であった。
「価格水準が妥当」「価格面での取り引き条件がよい」「取り引きの対応が柔軟」の3項目全て、「鹿児島黒牛」が1位、「宮崎牛」が2位の評価を得た。「鹿児島黒牛」に対しては、「松阪牛・神戸ビーフ(神戸牛)より味の面では劣るが、量販で価格訴求する商品としては外せない。頭数、価格面での条件は非常に良い」(スーパー、和歌山県)、「宮崎牛」には「品質が良く、販売価格面でもリーズナブルな売価設定ができる」(スーパー、鹿児島県)というバイヤーの声があがっているそうだ。
僅差の4位と5位評価しているブランドとしてあげたバイヤーが「米沢牛」では 90人いるのに対し、「佐賀牛」は 65 人であったが、総合得点は4位「米沢牛」と、5位「佐賀牛」との差は僅か 2.6 点。「佐賀牛」は「品質がよい」と「価格水準が妥当」を両立させている点で「米沢牛」を上回り、「今後(も)、取り扱いたい」というバイヤーの意向が高いという。
■消費者が評価する牛肉ブランドは・・・1位「松阪牛」、2位「米沢牛」、3位「神戸ビーフ(神戸肉)」であり、4位、近江牛(滋賀県)、5位飛騨牛(岐阜県)、6位兵庫産〔但馬牛〕(兵庫県)、7位、山形牛(山形県)、8位仙台牛(宮城県)、9位佐賀牛(佐賀県)、10宮崎牛(宮崎県)となっている。
概要
○「食べたことがあってまた食べたい(または食べたことはないが今後食べてみたい)」ブランドに対する評価をもとにランキングを作成したが、調査対象全 176 ブランドがランキングの対象となった。
○「松阪牛」バイヤー編と二冠
「松阪牛」が2位の「米沢牛」に 100.0 点差をつけ1位になった。ランキングを構成する 12項目については、「広告・キャンペーンが魅力的」「ネーミングやラベルデザインがよい」を除く 10 項目で最も多くの消費者から評価を得た。バイヤー編では「価格水準が妥当」に対する評価は32位だったが、消費者編では最も 評価が高かったようだ。味に対する評価が最も高く、「食べたことがあってまた食べたい(または食べたことはないが今後食べてみたい)」は、725 人のうち 704 人が「味がよい(おいしそう)」と答えた。
○「松阪牛」以外で評価項目の首位を獲得したブランド
「広告・キャンペーンが魅力的」では「宮崎牛」が最も評価された。消費者からは、「宮崎の東国原知事のPRなどで有名になったのと、賞をとったとの報道など でいいイメージがあるので」(40 代、北海道)という声があがったようだ。
○2位「米沢牛」は「松阪牛」が最も評価された10項目で、2位か3位という「松阪牛」に次ぐ安定した評価を得た。僅差の3位から5位は、3位「神戸ビーフ(神戸肉)」から5位「飛騨牛」まで点差は 3.9 点。この3つのブランドでは、「味がよい(おいしそう)」など6項目に対する評価に大きな差はなかったが、マーケティングの部門では点差が開いた。「神戸ビーフ(神戸肉)」は「食べたことがあってまた食べたい(または食べたことはないが今後食べてみたい)」「プレミアム価値を感じる」「広告・キャンペーンが魅力的」「ネーミングやラベルデザインがよい」、「近江牛」は「周囲の評判がよい」、「飛騨牛」は「産地のイメージがよい」と 評価されたようだ。
しかし、「地域ブランド」制度について、消費者の65,0 %が「知らない」と回答した。「名称を聞いたことがある」が 29.6%で、「内容を知っている」と答えた消費者は僅か 5.2%と言う結果だったようである。
ブランド牛肉や豚肉について、「どんな手段で情報を得ていますか。」の質問に半数以上の56.5%が、「スーパーのPOPや店頭広告」で情報収集と最も多かったものの、「テレビ番組・CM」(49.3%)や「新聞の記事・広告」(35.3%)もあるわけだから、宮崎牛のように、元タレントの知事がマスコミで宣伝活動したり、民放のテレビ番組などが、タレントを使って、地域の特産品や、食べものをレポートするような様子で食べさせて、目をぱちくりさせながらタレントにおいしいおいしいと連発させている・・・どう見てもそれは広告ではないか?・・・と思われる番組が非常に多くなった気がする。景気が悪くテレビ局も広告収入が減ったようなので、販売面で苦労している産地や飲食店などに協力させているのだろう・・・と私は見ている。
最近のテレビ番組は、番組なのか宣伝なのか分からないものが非常に多くなったが、これでよいのだろうか?牛肉とは関係ないことだが、私は非常に疑問を感じているところである。
かって、テレビや映画などでの「閾下知覚(いきかちかく;subliminal perception)」が問題になった。
「閾下知覚」とは、簡単に言えば、“閾下の刺激によって生じる知覚”であり、この心理的効果を広告などに利用することがある。つまり、映像を見ている人が気づかない瞬間的映像をテレビ番組や映画に挿入し、見ている人の潜在意識に印象づけることである。
1950年代のアメリカで、後に有名になる「閾下知覚(いきかちかく;subliminal perception)」の実験がおこなわれた。
当時、映画館で上映されていた映画のフィルムの中に、人間が知覚できるかできないかギリギリのほんの短い間、「ポップコーン」という文字を一瞬だけ挿入したのである。その結果、売店でのポップコーンの売り上げが上がった・・・というのである。
そのような視聴者が意識していない一瞬の映像でも映画やテレビで流されると、影響を受けるのに、番組のような体裁を整えて、産地やメーカーの品や食べものを、タレントに食べさせて美味しいおいしいといったことを言わせていると、テレビで取り上げられたところだけが良い品、美味しい品との錯覚を起こさせることになる。そうは、思いませんか?
最近は、報道番組でも、昔のニュース番組のようにただ、事実だけを報道するのではなく、TVキャスターやコメンテーター、それにわけのわからないタレントがああだ、こうだと意見を述べるのは良いが、その発言がかなり視聴者を誘導・扇動していると思われることが多くなってきた。
最近では、2001(平成13)年の第19回参議院議員通常選挙、2005(平成17)年の第44回衆議院議員総選挙で起こった小泉旋風、2009(平成21)年第45回衆議院選挙での民主党圧勝劇などが代表である。308議席を獲得し、戦後初めて野党が 衆議院で単独過半数を得ての政権交代が実現することになった。その結果どうなったか・・・。
今回も野田政権が、野党自民党などから追い詰められて、突然、ヤケクソのように衆議院を解散し、来月選挙が行なわれる。少数野党が乱立し、国民は誰に投票しようかと迷っているが、マスコミの報道は、ますまし、国民を迷わすような報道ばかりである。
政治家のことを色々批判するなら、マスコミはマスコミで、責任を持った報道をすべきだろう。国民を誘導したり、混乱させるのがマスコミの役割ではないだろう。牛肉のこと色々書きたいことがまだまだあるのだが、宮崎牛から変な方向にそれてしまったが、皆さんも参考※19:※20などを見た上で、今のマスコミ報道、特にテレビの番組や報道の仕方に注意してみた上で、よく考えてみてください。私は、今の政治や世の中が少しおかしくなってきた原因に、今のマスコミの番組作りや報道の仕方が相当影響しているのではないかと思っている。

最後に、日本全国のブランド牛の取り組みについては以下参考※21:「財団法人日本食肉消費総合センタ」の「銘柄牛肉検索システム</bn>」を見られると良い。
宮崎牛は、平成19年10月に鳥取で開催された、第9回全国和牛能力共進会で最高賞の内閣総理大臣賞を受賞した他主要9区分中7区で首席を受賞したそうです。これはたいしたものですね。
我が地元兵庫県産の但馬牛(但馬ビーフ) は、兵庫県内で生産される優れた但馬牛をもと牛として、熟練した農家が高度な肥育技術を駆使してつくりだした牛肉で、この兵庫県産(但馬牛)のうちBMS等級(ビーフ・マーブル・スタンダード、肉質等級)が6以上の牛肉が「神戸ビーフ」となる。繁殖から肥育生産者、流通業者を指定登録し、一貫した組織体制を構築している。
又、参考※22:「子供すこやか食の安全・安心.com」の
米国産輸入牛肉の問題点
ファーストフードの美味しい秘密(テレビじゃいえないそのタブー)
などには、小さな子供を持つ親御さんが読むとちょっと恐い話が書かれているよ。参考にどうぞ。



(冒頭の画像は牛肉。Wikipediaより)
参考:
※1:より良き宮崎牛づくり対策協議会HP
http://www.miyazakigyu.jp/index.php
j※2:今日のことあれこれと・・・肉の日
http://blog.goo.ne.jp/yousan02/e/c78d0ced9edf622386737aa705ecdacb
※3:MD-ing講座
http://www.e4510net.com/oyakudate/md/
※4:農畜産業振興機構
http://www.alic.go.jp/
※5:牛肉のセシウム汚染問題 - Yahoo!ニュース
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/beef_containing_cesium/
※6:食育大事典
http://www.shokuiku-daijiten.com/
※7:青空文庫:作家別作品リスト:No.296:福沢 諭吉
http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person296.html
※8:假名垣魯文(Adobe PDF)
http://www.japanpen.or.jp/e-bungeikan/guest/pdf/kanagakirobun.pdf#search='%E5%AE%89%E6%84%9A%E6%A5%BD%E9%8D%8B'
※9:文明開化による欧米食の移入(Adobe PDF)
http://nccur.lib.nccu.edu.tw/bitstream/140.119/33307/5/55600505.pdf#search='%E7%A6%8F%E6%BE%A4%E8%AB%AD%E5%90%89++%E8%82%89%E9%A3%9F%E4%B9%8B%E8%AA%AC'
※10芝浦と場・食肉市場の歩み
http://www.shijou.metro.tokyo.jp/syokuniku/rekisi_keihatu_01_01.html
※11:食肉の知識 - 農畜産業振興機構(Adobe PDF)
http://www.alic.go.jp/content/000001729.pdf#search='%E9%A3%9F%E8%82%89%E3%81%AE%E7%9F%A5%E8%AD%98'
※12:森川和夫:廣重の風景版画の研究(1)139
http://homepage3.nifty.com/morikawa_works/hiroshige139.html
※13:自由化20年、牛飼いの胸をよぎる不安:日経ビジネスオンライン
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20110225/218600/
※14:日本食肉格付協会
http://www.jmga.or.jp/
※15:畜産物の価格安定に関する法律
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S36/S36HO183.html
※16:食材事典:牛肉
http://www2.odn.ne.jp/shokuzai/Gyuniku.htm
※17:平成21年 農業産出額(都道府県別) - 農林水産省(Adobe PDF)
http://www.maff.go.jp/j/tokei/pdf/sansyutu_zenkoku_2009.pdf#search='%E8%BE%B2%E6%A5%AD%E7%94%A3%E5%87%BA%E9%A1%8D'
※18:牛肉・豚肉のブランド化への 取り組みとその評価 - 日本政策金融公庫(PDF)

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